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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

二章

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禁断の果実

 ばあちゃんに超能力者が他者に依存することによって力が強くなる現象と依存している関係の瓦解によって精神的不安定になることによって能力が暴走する可能性について聞いた。
 依存することによって超能力が強まる。
 それには心当たりがあり、つい最近若田部さんは他者に嘘かどうか判別したときの感覚を共有できるようになり、調先輩は考えを読む対照を直接目で見ていなくとも考えを読めるようになっている。

「本当に取り返しがつかなくなってるんだな……」
 もし、そんな超能力者で依存することによって力を強めた二人を否定し拒絶してしまえば、きっと彼女たちもばあちゃんに見せて貰った被害報告みたいな状況を作ってしまう可能性が高い。
 ゆえに、マジで片方に手を出すのが傾いてしまえい、片方の顰蹙を買われれば、暴走してしまう可能性が本当にありうるという事だ。
 もし、能力を暴走させれば……あの見せて貰った被害報告によると研究施設へ周囲の安全のため軟禁されてしまう。
 だから、二人を絶対に暴走させるわけにはいかない。

「二人に天秤を傾けず、分け隔てなく接しないといけないって事か……」
 そう言ったことを頭で整理して自分の置かれている状況のやばさを確認していると、自室のドアが開き、妹の京香が部屋に入ってきた。

「兄さん。勉強を教えて」

「ああ、良いぞ。でも、俺に教わるほど京香は頭が悪くなかったよな?」

「考えれば、分かるけど。でも、早く終わらせたいから」
 実に利に叶っている発言だ。
 京香は頭が良い、だからきっと分からない問題などほぼほぼない。
 でも、考える時間を短縮するという意味で教えて貰うというのはかなり効率的である。

「さて、どこが分からないんだ?」
 こうして、妹の勉強につき合っている。
 意外にも人に教えるというのは面白く、京香が俺の教えをもって問題を解いていくのが中々に爽快なのだ。

「ねえ、兄さん。今までの私って超ブラコンじゃって思うんだけど。どう思う?」
 そんな勉強の合間に京香が話題を振ってきた。
 まあ、勉強の合間に片手間程度の会話を繰り広げるのも乙なものだ。

「本音を言っても良いか?」

「良いよ、本音を言って」

「まあ、正直に言うとブラコンだろ。中三になっても兄のベッドにもぐりこむのはダメだ」
 さすがに俺もそろそろ何とかしないとダメだと思っていた。
 ゆえに、今日帰って来てからの京香との距離感はベストだと思う。近すぎず、遠すぎず、仲の良い関係を気づけるのが一番だ。
 さすがに、小さいときはブラコンでも良いが、年齢という壁がな……

「でしょ? だからさ、子供っぽいからおにいと呼ぶのも辞めたし、必要以上にべたつくのも辞めたけど、これなら良いよね?」

「ああ、この距離間なら健全な兄妹の関係だろ」

「へー、そう。兄妹の関係か……。まだ、兄妹にの関係……」
 表情が曇る京香。
 何だろう、この雰囲気がどことなくやばさを感じさせるのは気のせいか?

「ほら、無駄口を叩いてないで続きだ。続き」

「うん、わかってるけど。でもさ、兄さん。このままの関係じゃダメだと思うんだ」

「何をだ?」

「だから、兄さんと私の関係の事」

「いや、俺とお前は兄妹だし。こんな感じの距離感が一番だろ?」

「ううん、はっきり言うけどさ。私、兄さんのことが好きなんだ。妹としてじゃなくて一人の女の子として好きだから」
 はあ……。
 ばあちゃんがさらっとあの二人に加えて京香のことを拒絶するなと言っていた意味が分かった気がする。 下がっていない好感度。それはいまだ俺に対して好感度が高いという事。
 まあ、この際だがはっきり言うが、好感度が分かったところでそのほかの要因も実は重要で、家族としての好感度なのか、はたまた恋人としての好感度、もしくは友達としての好感度なのか、俺の好感度を知る能力は見分けることが出来ない。
 だから、好感度が上がった際や落ちた際における変化だけを参考しているというわけだ。

「いや、冗談だよな?」

「ううん、冗談じゃない。だって、兄さんは言ったよね? 家族として両親がくれなかった愛情は俺があげるからって」

「確かに、俺の所為で家庭崩壊したし、お前に負い目を感じてるから言ったけど……。それは、家族としてだからな?」

「でもさ、思ったんだ。家族としてなら、妹じゃなくてパートナーとしての愛情が欲しいなって。兄さんから妹じゃなくて一人の女。お嫁さん的な感じに愛されたいって最近は思ってる」

「すまん、とりあえず。トイレ行ってきて良いか?」
 場の雰囲気をぶち壊し、俺はトイレに行きたいと言いひとまず自室から抜け出した。
 そして、向かうのはトイレではなく、ばあちゃんの部屋だ。

「ばあちゃん。少し、良いか?」

「どうぞ、入りなさい。なんの要件ですか?」

「京香の事なんだけど……。依存の傾向が兄妹的なものから、愛するパートナーみたいな方向性に変わってる気がするんだけど……」

「はい。あなたがいないうちにそのように拗れた物に変わりました。正直に言うと、好木が一人暮らしをしたいと言った時、年齢的にも妹の京香と引き離す良い機会だと思っていたのですが失敗でした。急激に好木と離された事によって曲解した答えや、考えを抱いてしまい、あのように拗らせてしまったという事です」

「いや、それって不味くない?」

「ええ。好木、あなたは優しくしすぎました。ゆえに京香は思春期とそれを重ね合わせ、兄としての愛情ではなく、恋人としての愛情を受けたいと言ったように変貌しています。それは、倫理的におかしなことであり、日本に置いてそう言った関係は認められていません」

「実の兄妹だもんな……」
 そう、京香は妹だ。
 いくら、俺から恋人的な愛情を欲していたとしても、兄弟という関係が行く手を阻む。
 それに加え、日本では近親でそう言う関係になるのは理解されないに等しい。

「ですが、もしあなたが京香を拒絶すれば暴走を引き起こす可能性があります。だから、荒波を立てぬよう切り抜けなさいとしか私はいう事はできません。京香を施設に軟禁したくありません。そのためなら、多少のことは目を瞑ります」
 つまりは京香を暴走させなければ、恋人がするような事をしても文句は言わないという事か……。
 倫理的に間違ってるけど、身内とはいえ暴走した超能力者をえこひいきし施設に軟禁しないで周囲を危険に晒すというのは不可能だ。
 特に超能力者を支援する団体の創設者のばあちゃんがそう言った行動は絶対に取れない。

「はあ……。俺が優しすぎたゆえに招いた結果か……俺が本当に京香のことを考えていれば、年相応に応じた兄弟の距離をきちんと言って分からせるべきだったのか……」

「京香に関しては仕方がないとしか言えません。あの子は小さいとき、能力を制御しきれずに他人の恐怖した経験を幾度となく読み取りました。それは酷く精神を不安定にさせ、夜一人で眠れない程であり、そう言った事情を考慮するのなら、好木に非はありません。すべては、超能力者を上手くサポートできない大人が悪いのですから……」
 ばあちゃんは自身の力不足を悔いていた。
 今でこそ、多くの仕事を部下に任しているものの、俺達が小さいときはばあちゃんも若く、様々な所へ飛び交い、出張の嵐であった
 超能力を制御できない京香は夜な夜な恐怖に見舞われるため、一緒に寝る相手は俺くらいしかいないわけで、それをずるずると引きずり続けたことも今現在につながっているに違いないからだ。
 ゆえに、もう少し自身が一緒に京香と寝てあげ、見舞われる恐怖を軽減してやっていたのなら、少しは事情が変わっていたかもしれないと思っているのだろう。

「さてと、そろそろ戻ります。ばあちゃん、お休み」

「おやすみなさい。好木。暴走させる……。それだけはダメです。京香を施設に軟禁したくありませんので、そこだけは理解をして」

「うん、わかってる。それじゃ」
 そして、俺はばあちゃんの部屋を出た。 
 妹が兄妹としてではなく恋人的な愛情を求めて来るとは思いもしなかったし、中々に整理が追いつかないが、気が付けば自室に戻って来ていた。

「ただいま」

「うん、お帰り。兄さん。おばあちゃんのとの話はどうだった?」

「ん、なんのことだ?」

「私の事、相談したんでしょ? だって、おかしいもん。兄妹でそう言うのを求めるのって。でも、私は兄さんに愛されたい……」

「ああ、知ってる。やっぱり、兄妹みたいな愛情じゃダメか?」

「ううん、ダメ。間違っているのはわかってるけどさ、私を兄さんなしで生きられなくした責任を取って?」

「ダメだ。やっぱり、俺は京香をそう言う風には見られない」
 やはり兄妹。
 そのことが頭から離れない。

「うん、知ってる。だから、私は兄妹として見られないようにふるまうことにした。そして、兄さんを自分の物にするから。さすがの私も強引な愛はいらないし。だから、これから私は……兄さんを一人の男として誘惑する」

「いや、俺は屈しないぞ?」

「ううん、好木さんは絶対に私に愛情を注いでもらうから」
 なるほど、おにいから兄さんに呼び方が変わったのは兄妹としてではなく、一人の女性として見て貰いたかったから、子供っぽさを取り除き。
 そして、今。
 兄妹という事を真っ向から否定して、名前呼びに変わったのか……。

「はあ、ほんとどうすれば良いんだ?」

「私を恋人にすれば良いだけ。だから、今から私の事をひとりの女性として見てもらう」
 手を握られ京香は俺の手を自身の胸元にピタリとつける。
 年相応の育ちかけの胸。
 それが、俺をドキドキとさせる。
 そのドキドキは年相応なあどけなさが残った顔、健康的な育ちかけの体型。肩に着くかどうかのさらさらとした髪の毛、そう言った妹の事を嫌でも意識させてくる。

「好木さん。私がドキドキしてるのがわかる? このドキドキは貴方への愛だから」

「はしたないから、そう言うことは止めろって。俺はお前の事を妹としか見てないからな!」

「ふーん。じゃあこれはどう?」
 俺の手を自身の胸元にに押し付ける。
 だが、さっきと違い直接だ。
 服のなかに俺の手を突っこみ直で触らせてきた。


 相手は妹だ。
 確かに胸を触ってドキドキしてるけど、相手は妹だ。

 そう耐えるしかない。

「どう、ドキドキした?」

「全然してない」

「でも、私は諦めないから」
 はあ、家でゆっくりできると思ったけどそうは行かないみたいだ……。
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