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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

二章

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強すぎる二人

「さて、お遊びはここまでにしましょうか」
 波豆さんが教室に入ってきた瞬間に調先輩は普段通りに戻る。
 え? 今までのは演技だったのか?

「そうですね。ここに呼んでくれましたし」
 若田部さんもさらっと素面に戻っている。

「さてと、そこに座って貰おうかしら。波豆さん?」
 調先輩が椅子に座れという。
 とりあえず、さっきまでのが演技で良かったという気持ちと二人の考えていることがよくわからない。
 二人は一体何をしようとしているんだ。

「まあ、座るくらいなら良いけど。二人はどうして演技なんて?」
 波豆さんは椅子に座る。
 そして、波豆さんが座ると同時に若田部さんが背後にまわり逃げる隙を与えずに縛り上げる。
 いや、そのスキルどこで身に着けたんだ?

「それは、あなたを目の前に引きずり出すためです。だって、あなたは私達の関係を危ぶみ,派遣された助っ人兼、一応の監視役。そう堂々と目の前に出てくるわけがない。生徒会役員候補として神田君がお断りしてここに来ることさえ叶わなさそうなのでこうしてちょっとした策を講じてみたわけです」
 縛り上げた若田部さんがそう言った。
 まさか、俺が波豆さんをここに連れてくるのをやめることさえお見通しという事だったとは……。
 どんだけ、俺の深層心理を読んでいるのだか。

「って、すごいね。私の隙を付いて縛り上げるなんて。あと、さっきのは演技に見えなかった気もするんだけど?」

「いえいえ、7割くらいは演技です」
 ん? 7割?
 あの、残りの三割は一体……
 いやいや、さすがにそれは冗談だよな。
 はは、若田部さんも冗談がうまいな……冗談だよな?

「さて、始めましょうか。まず、第一に波豆さん。あなたは好木のために派遣された人材兼、監視役ではない。そうね、あなたはただのストーカー。それでいいわね?」
 縛り上げた波豆さんに調先輩は迫りよる。

「いや、私は監視役だよ。君たちがそろそろ危なそうってことで派遣されたのと、一応の監視役なのは間違いないね」
 はっきりと言いきった波豆さんが頼もしい。
 さすがのばあちゃんもやはり、俺たちの関係の危うさに気が付いてたんだろうな。
 だから、こうして波豆さんを派遣してくれという事か。

「いえいえ、違います。あなたは監視役でも派遣された人でもありません。素直に認めたほうが良いです」

「だから、何度も言うけど私は君たちの関係をちゃんと正常にするために派遣されたのと。君たちとの関係がそろそろ危なそうなこを見かねて監視も頼まれたって何度言わせる気?」

「あなたは本当にそれで良いのかしら?」
 否定しきった後に調先輩はさらに詰め寄る。

「ん? 一体何を言って」

「素直になれば良いのよ? だって、あなたはこちら側なのは私は知っているわ」

「いや、私は普通で好木君のことを助けるために監視役を兼ねて派遣されたから、そっち側じゃないと思うんだけど」

「いえ、違うわ。あなたは紛れもなくこっち側。あなたは人を見るのが好きね。それは、幼少期ネグレクトを受けておもちゃも何もかも与えられなかった。でも、そんなあなたが出来ることはあった。それは見ること。外を見ること、それがあなたに許された唯一の楽しみであった」

「えっと、考えを読んだのかな?」

「そして、あなたは超能力者を支援する団体に引き取られたわ。で、あなたは見事に更生した。そして、あなたは持ち前の身体能力と、見ることが好きで観察に特化したあなたの集中力は絶大。それを買われてちょっとした諜報任務を受けるほどになったのよね?」

「いや、あってるけどさ。それがどうしたの?」

「あなた、最近。満足できているのかしら?」

「満足って何をさ」

「観察よ。観察。あなたは任務で与えられた諜報任務で満足しているのって聞いているの」

「いや、まあ。満足してるよ。普通に楽しいからね。見て、まとめてそれを知らせるのってさ」
 どこか煮え切らない表情を浮かべている気がするのは気のせいか?
 なんだろう、波豆さんも何かがおかしい気がする。

「いえいえ、それは嘘です。全然、満足できていません」
 嘘が分かる超能力者、若田部若菜が言う。
 彼女ははっきりと、今言ったことを嘘だと断言したのだ。

「あはは、そうだね。若菜ちゃんは嘘が分かるし、ばれても仕方がないか。そうだよ、満足はできてない。もっと、色々とみていたい。それこそ、ずっと見ていたい。でも、それは間違っている事、異常なことなのは理解してるから。しない、それだけだよ」
 すごいな、自身の欠点を認め。それを自制する。
 二人に掛けている部分を持ち合わせている。
 だからこそ、この場に派遣されたんだろうな、頼もしい限りだ。

「あなたはそれに満足しているの? 私は知っているわ。だって、あなた。私たちから好木を守るために派遣されたのよね。でも、あなた気が付けば監視する必要もないのに好木を監視していた。それは、やっぱり自由に観察をしていたい気持ちの現れだと思うの」
 俺が見せて貰った俺の一日がまとめ上げられた一枚の紙がそのことを物語っているのだが、本人もきちんとおかしいと自覚してるし大丈夫だろう。

「いや、でもあれは間違ってることだし。だから、最初の一日でそれからはしてないし……」
 うん、頼もしい。
 マジで、頼もしい。これで、二人をより普通にできるな……一人だと限界を感じてたし。

「間違っているわ。でも、間違えたって良いじゃない。間違えているなら、なおさら引き際を理解できているし大丈夫じゃない」

「うん、だから。好木君を驚かすためにあの一度以外してないからね」

「我慢しなくても良いのよ? 確かにあなたのその異常なまでの観察欲は間違っている。でも、それで誰に迷惑を掛けたというの?」

「いや、迷惑かける以前に常識的に考えればおかしいのは当然でしょ?」

「ええ、でもあなたは本当にそれで良いの?」

「うん、だっておかしいことはおかしいし、したいことは我慢するのだって当然にありうることだよ。それを忘れるほど私はバカじゃない」

「いえ、嘘はいけません。嘘を付いてはダメです」
 割り込んできたのは若田部さんだ。
 彼女は波豆さんの目を見てしっかりと言う。
 言っていることが、あれだがその目からは真摯な態度が見て取れるほどだ。

「嘘って?」

「我慢することが当然のことがあり得るって所です。正直に言ってしまえば、波豆さんの行為は周囲に迷惑を掛けたでしょうか? よく、思い出してください」

「迷惑を掛けたというか、熱中しすぎて自分のことを疎かにしたりとか、あまり良いことはしてないし、広く捉えれば一応迷惑を掛けたという意識はあるね」

「そうですか……。じゃあ、迷惑を掛けても良い相手がいたらどうします?」

「いやいや、迷惑を掛けるのは人としてダメだって。そんなことを当たり前にして生きてたら碌なことにならないって」

「もし迷惑を掛けても迷惑だと思われない。そう言う風に受け止めてくれる人がいたとします。そしたら、あなたはそれでも迷惑を掛けたくないと思います?」

「いや、そんな人いるわけないし」

「じゃあ、少し試してみましょう」
 若田部さんは波豆さんの肩に手を置く。
 その後、彼女は今までいないように扱われていた俺に話しかける。

「神田君。あなたは迷惑を掛けても私たちを見捨てませんよね?」

「急に何を言って、見捨てはしないけど、さっきやった演技みたいなことになったら見捨てるぞ?」

「でも、限度を守れば見捨てない。そう言う事ですよね?」

「いや、そうだけどさあ。それが、どうしたんだ?」

「という事です。波豆さん、あなたは限度を理解できていますよね?」

「ねえ、今の感覚は若田部さんの嘘が分かる能力ってところかな? よく、他人に干渉できるほどの力があるね。貰った調書によるとそこまでの力はないって書いてあったけど、一体どうして?」
 もしかして、若田部さんは今。
 自身の嘘が分かるという能力で得た嘘かどうか判別する感覚を波豆さんに共有したのか?

「実は能力が強くなったんです。最近、能力が強まって嘘かどうかの判別した際の感覚を他人に共有できるくらいになっただけです」

「確かに、超能力は謎多き力だから、そう言うことはあり得るけど……」
 そんな時だ。
 今度は調先輩がちょっと得意げに口を開く。

「実は私も力が強くなって今まで相手の存在を視覚で直接と認識で来ていなければ考えは読めなかったけど。周囲全体のありとあらゆる考えを読めるようになったの。だから、つい最近あなたが私たちの回りをウロチョロとしているのはとっくの前から気が付いているのよ」
 先輩の口から語られた相手の考えを読むということが出来る条件。
 今まで、頑なに教えてくれなかったものの、何となく目の前にいるというのが考えを読む条件だとわかってた、まさかその制限すらなくなったとでもいうのか?

「あはは、すごいね。何その力。私の最近相手が経験した恥ずかしい思いを読む能力がちっぽけに見えるくらいにすごいね」

「さて、超能力の話は置いておいて。正直に言うわ。あなたは今若田部さんの力を通じて好木がどこまで受け止められるかのラインを理解できたわよね?」

「今日のあれを越えなければいい程度くらいだね」

「はい、だからはっきり言います。我慢しなくて良いんです。神田君はそれを受け止めてくれます。そんな環境に長く居るにはどうすれば良いかわかりますよね?」
 若田部さんがまるでわかっているよな? と脅しをかけるように畳みかける。
 いや、もしかして二人の狙いは……。

「二人にずっと問題を抱えて貰いながら、それを解決し続けるふりをするって言う感じだろうね」

「そうです。別に波豆さんは私たちを更生させたら、この場を離れなければいけません。そうならないためにも、そうするべきなんです」

「でもさ、本当に好木君は迷惑を掛けても平気な人なの? 迷惑を掛けるのは悪いことだしさ」
 再び、若田部さんは波豆さんの肩に手を置く。

「神田君は平気ですよね? 迷惑を掛けられてもある程度なら我慢してくれますよね?」
 あのさ、思ったんだけど。
 この流れ非常に危なくないか?
 ゆえに、考えがまとまらずにひたすらに黙ってしまっていると。

「早く言ってください。我慢できると。神田君はある程度の迷惑なら受け止められる。そう、言えば良いんです」
 若田部さんが煽り立てる。
 ダメだ、もし俺がこの場で我慢できると言ってしまったらそれこそさらに状況は悪化する気がしてならない。

「我慢できない。俺は若田部さんと調先輩の神津は迷惑だと思ってるし、我慢することは到底できない」

「さて、分かりましたよね? 神田君がどのような人か。別に、本当に迷惑だと思われたら止めればいいんです。限度も分かれば、引き際も分かりますよね?」
 まあ、無理だ。
 我慢できる。ある程度なら普通に我慢できてしまうのが俺だ。

「うん、そうだね。君たちの提案に乗らせて貰う。といわうけで、好木君。ごめん、私は二人を何とかするために派遣された人員でも二人から君を守るための監視役でもない。言うなれば、ストーカーかな?」

 こうして、厄介なのがまた一人増えてしまう。

 若田部さんと調先輩。
 彼女たちは依然と好き放題するために波豆さんを上手く丸め込むために用意周到であったという事。
 現にそれを成功させ、自身が好き放題できる環境を維持することに成功した。

 だが、これで黙っている俺ではない。
 ここで何も言わなければ思うつぼ、しっかりと言ってやる必要がある。

「じゃあ、言っても良いか? 俺もお前たちに迷惑を掛けても良いのか?」

「ええ、良いわよ」

「はい、良いです」
 そう言った二人は制服に手を掛け制服を脱ぐ。

 そして、二人は下着姿でははなく、スクール水着になった。

「だから、あなたも自身の性癖を思いっきり押し付けても文句は言わないわ」

「神田君。良いんですよ。あなたも好き放題にして」
 いやさ、案外悪くないかも……。
 いつの間にか先輩にばれているから、はっきり言うけど、俺は着衣系、まあコスプレ系が好きだ。
 二人は頼めばどんな格好でもしてくれるだろう。
 だけど、俺が被る迷惑を考えろ……一時の波に押し流されるな。
 そして、息を吸いはっきりと宣言する。

「いやいや、ダメだ。俺はそんなので流されないからな!」

「ええ、どこまで我慢できるか楽しみにしておくわ」

「そうです。神田君、我慢しなくて良いんです」

「しない。俺は絶対に好き放題にはしないからな。絶対にだ」

 だが、二人にはどこか余裕が感じられた。
 まるで、俺が欲望に流されることを確信めいたような何かを感じさせられる。

「あはは、ほんと面白い。ずっと、君たちの関係見たくなってきた。だってさ、その気はないって言ってるのに好木君の股間は思いっきりそそり立ってるし。ほんと、良いね。もう、最高。こんなに、面白そうなこと本当にないって!」
 あ、二人の顔が余裕めいてたのって。
 普通に俺の股間が反応してたからなのか……。



まあ、いくつか展開の候補があったんですけど、明るさをキープするというのを取らせてもらいました。
重度なヤンデレを期待していた人には正直申し訳ない気持ちでいっぱいです。
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