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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

一章

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地獄の二日間2

 寝た時間に対して早めにセットした目覚ましが起きる時間を知らせる。
 いくら、作業効率のためといは言え長く寝るのは自殺行為に等しいわけで寝る時間は遅かったが起きる時間はいつも通りというわけだ。

「さてと、学校に連絡を入れるために二人を起こすか」
 さぼるために風邪と言ったように仮病を知らせなくてはいけない。
 それは俺以外の二人も変わらないわけで、連絡を入れさせるために起こしに行くが、ドアの前に立つと何やら騒がしい。

「神田君。やっと、受け入れてくれて」

「や、辞めなさい。私は好木じゃないわ」

「ああ、最高です。幸せです」

「だから、私は違うわよ……。好木、助けて……おそわれ……」
 と言ったように楽しそうなのでもう少しだけ放置しておくことにしリビングに向かい水を一杯呷り、テレビでニュースでも見ていると。

 ぐったりとした調先輩が歩いてきた。

「どうしたんですか?」

「同じベッドに寝ているのがあなたと勘違いしたみたいで寝ぼけているのもあって襲われたわ……それどころかこれを見なさい……」
 首筋にちょっとした青あざが出来ている。
 いわゆるキスマークってやつで、きっと若田部さんに付けられたんだろうな。

「まあ、ご愁傷様です」

「ええ、まったくよ。あなた、ドアの前まで来たのになんで助けてくれなかったのかしら? 足音が聞こえてベッドから出ようとした時に襲われたというのに」
 散々な目になって相当な不機嫌な調先輩は俺が起こしに行ったことに気が付いていたようだ。
 そのことも相まって助けなかったからなおさら機嫌が悪いのだろう。

「いや、楽しそうだったんで良いかなと思いまして」

「全然、楽しくないわ。だって、若菜さんはあなたのあそこをまさぐるつもりで思いっきり私の下腹部らへんをまさぐってきたのよ? でも、悪くはなかったのが複雑ね……」
 意外にもまさぐられたことに対しては悪くないと言っている。
 認めるところは認めてしまうのが調先輩だ。

「で、若田部さんは今どうしてるんだ?」

「手を洗いに行ったわ。だって、そりゃ触ったんだもの」
 うーん。毎度思うけど、この会話って男子と女子がするものじゃ無いと思うんだけど。
 まあ、実際のところ調先輩が若田部さんに負かされた話を聞くのは意外と面白いからいいか。

「さてと、朝ご飯はどうしますか?」

「それなら若菜さんが作るんじゃないかしら?」

「まあ、そうでしょうね。とりあえず、手を洗って帰ってくるのを待ちましょうか」
 それから数分、ソファーで朝のニュースを見ていると若田部さんがリビングにやって来た。

「おはようございます。汚い物を触ってしまったので手を洗ってました」

「自分でやっておいてその物言いはないと思うのだけど。若菜さん」
 割と怒っている調先輩。
 さすがにまさぐられたりキスマークを付けられるのは逆鱗に触れるか……まあ、そうだな。

「はい、ごめんなさい。こればかりは反省してます」

「ええ、そうよ。あなたの所為で朝から悶々としてしまったわ。どう責任を取ってくれるのかしら?」
 いや、怒るところそこか? 
 てかさ、男の前でそう言う話をオープンにしないでくれよ……普通に幻滅していくからな?

「じゃあ、最後までやります?」

「……それは良いわ」
 おい、なんで一瞬間が開いた? 
 今の事は悩むことだったのか?

「さて、神田君に謝らなければいけないことがあります」
 急に改まった若田部さん。
 一体、どんな言葉が出てくるのか、少しびくつきながら待っていると。

「ごめんなさい。ファーストキスは調先輩に奪われてしまいました」

「あ、うん。そう」
 正直に言おう。どうでも良い。
 むしろ、調先輩と若田部さんがくっついてしまえば互いに依存関係を維持しいい感じになり、俺は解放されるかもしれないな……。

「さすがの私も女同士は嫌よ。でも、体だけなら意外とありかもしれないわ……」
 俺の考えを読んだのか調先輩はさすがには同性はNGらしい。
 だが、そのあとに言った言葉がもしかしたら可能性があるのではと思わせる口調だ。
 てか、マジで、二人でくっ付いてくれたら俺、超安全じゃないか?

「そうです。私、不覚にも調先輩とのキスでちょっとドキドキしちゃいまして。それは浮気なんじゃないかなって思うんです。浮気をした私を許してください。神田君」
 ひどく申し訳なさそうに言う若田部さんだが、浮気も何も付き合っていないんだけど。

「浮気も何も付き合ってないからな?」

「いえ、いずれそうなるんです。ほら、過去のことで揉めることってあるはずで、だからこうしてきちんとお伝えしなくてはと思って話させてもらいました」
 さすがにグダグダと話しているのもあれなので強引に話の流れを変えるとしよう。

「はあ、それよりも。朝ご飯はどうする?」

「私が作ります。少し待っててください」
 と言ったようにハチャメチャな朝の始まりであった。

 しかし、朝食が終わった後は

「……」

「……」

「……」
 皆、無言で予算案の資料作りに打ち込み始める。
 話す余裕さえないのが今の状況で、今日徹夜すれば明日の提出日までには間に合うはずと言ったところまで作業は来ている。
 当初はマジで終わらないと思っていたが、打ち込みの量が多い奴に頻繁に当たっていただけで、打ち込む量が少ないのがいくつかあり、そのおかげで終わる見込みが上がってきたというわけだ。

「そう言えば、先輩たちは学校になんて言って休んだんですか?」
 だが、無言はあまりにも苦しいため時々、話題を振る。
 たまたま、時計を見たら始業時間であったので、学校にどういって休んだのか二人に聞いた。

「風邪で休みますって言いました」

「私は具合が悪いのでお休みさせていただきますという感じね」

「まあ、大体そうなりますよね……」

 こういった当たり障りのない会話を途中に挟むくらいであとはひたすらにパソコンにデータを打ち込み続けるといった感じだ。

 そして、気が付けばお昼時になっていた。

「朝ご飯は作りましたけど、昼ご飯も作ります?」

「いや、このままだとマジで終わらないかもしれないからカップ麺で頼む。戸棚に入ってるのなんでも食べて良いから」

「ええ、そうね。終わるかと思ったら滅茶苦茶な文量を打ち込まないといけないのが出てきたものね。時間はできるだけ節約するのが良いと思うわ。まあ、息抜きもしたいのなら止めないけども」
 調先輩は息抜きも兼ねて料理位ならしても良いというのだが、

「じゃあ、作らないでおきます」

 皆適当にお湯を沸かしカップ麺を昼食にし、また作業に戻る。

 普通の人だったら投げ出すような状況だが、超能力者は集中力は人一倍高い
 そう、超能力を制御するのに集中力が必要だからだ。これも又、超能力者の頭の良さが極端になってしまう事らしい……という事は置いといて集中しないとな……。
 まあ、さすがにこんだけ長時間はいくら集中力があると言えど辛いに決まっているわけで余計なことを今現在考えているというわけだ。

「ねえ、好木。少し寝てもいいかしら? さすがに眠くて……」

「少しなら別に大丈夫です。眠気でまともに作業にならない方がダメですから」

「ええ、分かったわ。数分だけ寝かせて……」
 机に顔を突っ伏して眠る。調先輩。

「俺もやばいな。何か、栄養剤的なものがあったか?」
 台所に眠気覚ましになりそうなものを探しに行くのだが、

「あ、私の棚にそれっぽい物ならあります」
 と言われ普段あまり見もしない若田部さんに貸している棚の一角を探らせて貰うと数本の栄養剤らしきものが出てきた。
 ぐんぐんマックス、ド直球、折れないバットと言った。
 栄養剤と言えば、栄養剤なのだがちょっと嗜好が違うものが複数出てきた。

「これって?」

「さすがに一回でヘタレたらと思って用意したものです」
 あのさ、ゴムの他にこういうのも用意するのは辞めてくれ。
 若田部さんは用意周到過ぎて怖すぎる……。

「まあ、眠気覚ましになりそうだから飲むけどさあ」
 とりあえず、ぐんぐんマックスを手に取り一気に煽る。
 味は最悪だが、体が意外とぽかぽかして来て、眠気覚ましの効果は非常に期待できそうだ。

「あ、私も男性用ですけど。眠気が限界なんで飲みます」

「どっちを飲む?」

「折れないバットで。神田君がそうだという希望を込めてそちらを貰います」
 寝不足か普通にあたまがおかしいことを言っている。
 てか、気を抜いたらマジで眠気が……

 パンと乾いた音が鳴る。

「ふう、危なかった。マジで寝るとこだった」
 その音は俺自身の頬を叩いた音だ。
 マジで一瞬寝落ちしかけたから、思いっきり叩いたというわけだ。

「一人で、SMしても面白くないと思います。だから、私が叩いてあげましょうか?」

「いや、そう言うのじゃないから」

「じゃあ、私を叩いてください。私も眠いので思いっきり叩いてくれると嬉しいです」
 テンションと言動が明らかに普段とは違う。
 それほどまでに若田部さんも疲れているという事だ。
 さらに、俺も疲れて変になり始めているわけで、

 なぜか、女の子の頬をぶっていいはずがないのにパンと音が鳴るほどのビンタをしてしまう。

「意外と目が覚めますねこれ」

「だろ? てか、今思った女の子の頬を叩くのは男としてないな」

「いえいえ、そんなことないです。さて、無駄口を叩いていないで作業に戻りましょうか……」

「だな……」
 そして、俺達は再びパソコンにひたすらと入力していくのであった。


 
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