挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

一章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

27/110

言動や行動はダメ。でも、

 ここは浅草。
 校外学習と名ばかりの仲良くなり始めた学生たちに遊ぶ場を提供するために選ばれ、より結束を深めるためにやってきた場所である。
 午前中にある程度クラス単位で行動したのだが、お昼時になると全体を指揮する先生からあることが言われた。

「では、これからは班別行動です。くれぐれも気を付けてください」
 もはや学校行事と言って良いのか? と言える速さで事実上の解散宣言が先生の口からなされた。
 そう、班別行動は自由で解散する時間すら決まっていない。
 なんて、無責任な学校行事なのだろうか。

「……」
 解散と言われたのだが、俺を入れてくれた班の雰囲気が悪く、だれが一番最初に口を開くのかという状況に陥る。ちなみに班員は全員、男子。
 過去に男女混合で班を作ったこともあるらしいが、いまいちぎくしゃくして仲良くなるどころか溝が深まったことを鑑みて決まったことである。

「なあ、とりあえず。花やしきに行こうぜ」
 ある男子生徒が言った。
 俺も一応班員なのでついて来ようが皆はきっと咎めはしない筈だが、それでも嫌な雰囲気が流れていて、その雰囲気が俺をこの班の人たちに本当に付いて行って良いのだろうかと判断を迫らせる。

「じゃあ、行こうぜ」
 ある男子生徒の意見に同調したもう一人の班員。
 こうして、俺をお情けというか、仕方なく入れざるおえなかった班は花やしきに向かう事となった。
 だが、依然として空気は悪い。

「ごめん。体調が悪いから先帰っても良いか?」

 そして、俺は一人気ままに浅草の道を歩き、班員たちから離れていった。

「はあ……。ダメだな。なんで、俺の方から避けてるんだか……」
 周囲が自分を白い目で見ているようで仕方がなく、自分から逃げ出してしまった。
 これなら、来なかった方がマシだと思えるほどに、落ち込んだ俺は一人寂しく浅草観光をする気にもならず、家へ帰ろうと駅まで歩こうとした。
 その時だ。

「あ、奇遇です。神田君」
 と、若田部さんに出会った。

「やっぱり、何かと理由を付けられて追い出されたのか?」

「いえ、空気に耐えられなくて抜け出しました。きっと、私が付いて行ったとしても文句は言わないでしょうけど、それでも雰囲気が悪くなるので帰りますと言って抜け出したんです」
 だよな、一人余計な人がいるだけで空気は悪くなるし、自分がその立場になったとして、抜け出せる状況が出来たのなら抜け出すのもある意味正解なのかもしれない。

「大丈夫か?」

「はい、大丈夫です。上辺だけでも関係があるのはまだましだと自分でも思っていますので。でも、正直に言うと突き放してもっと一人でいたほうが良いなって思う事もあるんです。だって、割り切れていないのもそれはそれで辛いですし」
 若田部さんは言う。
 上辺だけの関係は割り切れていない曖昧な関係。
 それが、逆に自分をよりいっそうと苦しめているのかもしれないと。

「でも、捨てない方が良い。上辺の関係もいつか……」

「それは知ってます。上辺だけの関係を手放したら、仲の良い友達を作る機会を失いますし、それ以上により一層、ダメな方向に近づくのは自分でも理解できない程馬鹿じゃなありません」

「そうか、頑張れよ」

「はい、頑張ります! ところで、神田君」

「なんだ?」

「せっかくですし、浅草を観光しませんか? ほら、弾き出された者同士で」
 一緒に観光したい気持ちもあるのだが、俺は周りから避けられてある意味で話題な人だ。
 今現在、浅草には同学年の生徒が数多く居る。その、誰かに俺と若田部さんが一緒に観光しているのを目撃されたら、若田部さんも白い目でみられるようになるかもしれない。

「いや、辞めておこう。俺と一緒に居るのを見られたら大変だろ?」

「そうですか……。でも、この人混みなら大丈夫です。それに今だって周りに同じ学年の人は居ませんし、だから」

「良し、じゃあいっそのこと。浅草以外の場所に行けば良いか」
 そう、今現在多くの同学年の生徒が浅草にいる。
 それなら、浅草以外の場所なら人目を気にせず遊べるという事に変わりない。

「でも、どこ行くんです?」

「正直に言うと俺もよくわからん。女の子と一緒に行く場所なんて考えが浮かばない。それでこそ、独特な街並みのこの浅草を歩くのが良かったんだろうけど、それは他の人に見られる可能性があるし却下だ」

「だったら、東京駅で降りてぶらぶらと気ままにお買い物で良いんじゃないでしょうか」
 それもそうか。
 別に出かけているからと言って観光地をめぐる必要はない。
 それでこそ、ショッピングをしたりとした方が案外良いのかもしれない。だって、女の子と一緒に行くような場所何て俺知らないし、てか選択をミスって気まずい雰囲気になりたくない。

「じゃあ、行こうか」

「はい、行きましょう」

 そして、俺達は浅草を飛び出し、東京駅に降りる。
 別に渋谷でも池袋でも良かったのだが、何となく東京駅にした。

「さて、どこに行きますか?」

「そうだな。ま、どこでも良いんじゃないか?」
 と俺達は東京駅を周辺をぶらぶらと気ままに歩き始める。
 服のお店に入ったり、ちょっとした小物のお店に入ったりと本当に自由気ままな散策を行う。
 そんな、自由気ままな散策の際にどうしても若田部さんが行きたいと言ったお店に連れらて行くのだが、

「なぜにランジェリーショップなんだ?」

「だって、この前あげたましたから」
 調先輩の部屋を掃除しに行ったときに確かに俺の手に若田部さんと調先輩の下着が乗せられたけど普通に返したはずだ。

「あれは返しただろ?」

「いえ、返されてませんよ。だって、カバンの内ポケットに突っ込んどいたので」
 という事はもしかして……。
 俺はカバンの中に手を突っ込み、滅多に使わない内ポケットの中を確認した。

「あ、うん。あった……」

「ですよね? だから、買いに来たんです。一応、神田君にあげたそれは勝負下着ですし、こうして補充しに来たというわけです」
 でも、だからと言って男に堂々と勝負下着を買うというのは少し恥じらいをだな。

「というわけで、神田君の心を射止められるようなのを選んできます! 少し待っててください」
 若田部さんはランジェリーショップに入ってくのであった。
 勿論、男な俺は世間体を考えてお留守番だ。
 とはいっても、周辺にはいろいろなお店が立ち並んでいるわけで、俺は若田部さんの携帯にメッセージで『どこか、見てくる』と送り周辺を一人でぶらつくのだが。

「はあ、またお前か?」
 俺は話しかけられる前に話しかけた。

「ええ、そうですよ。加奈ちゃんここに登場です」
 俺の目の前に現れたのはこの前、学校に通報してやった海田加奈である。
 あれほど、叱られたっぽさそうなのにまだ近づいてくるのか……。
 しかも、友達と来ているってのにわざわざ俺を見かけたくらいで寄って来るなんてマジで友達からウザがられるぞ?
 節操を持て節操を。じゃなきゃ、その節操のなさが鼻につき、友達から見捨てられるぞ?

「あのなあ。俺なんかに構わずに友達と遊べって。どうせ、今日は友達と遊びに来たんだろ? だったら、俺を見かけても普通は話しかけるなよ。まじで、途中で人を見かけたからって駆け寄っていくのは鼻につくからな? せっかくの友好関係をぎくしゃくとさせる要因を作るなって」
 ちなみに海田加奈が俺を見かけて駆け寄った時、一緒に居た友達が振り回されたことで好感度が下がっている。明らかにこの前あった時よりも少し好感度は下がっているのだ。

「えー、友達なら少しくらい離れたって許してくれますって」

「本当にめんどくさい奴だ。じゃあな」
 と俺は人混みを上手く利用して海田加奈から逃げた。
 友達と遊びに来ているなら、友達と遊べって。俺達は同じ班員から、なんでいるの? みたいな目を受けてショックを受け、こうして気晴らしに遊びに来てんのにさ。
 まったく、友達を見せつけられたようでちょっと腹立たしいな。

「さて、そろそろ。戻るか」
 逃げることに成功した俺は若田部さんがそろそろ選び終わったことを見越してランジェリーショップ周辺まで戻るのであった。

「あ、ちょうど良いところに。買い終わったので連絡しようと思ってたんです」
 ちょうど、若田部さんがランジェリーショップから出てきた。
 こうして、俺達は再び合流してぶらぶらと気ままな散策に戻るはずなのだが、若田部さんが俺の耳元で囁いた。

「神田君。今回は前のより過激的です。素っ気ない神田君が悪いと私は思います。だから、今度見てくださいね?」

 言動や行動こそおかしいが、そんな事言われたら普通にドキリとしちゃうだろ……。
 てかさ、囁くときに肩にあった胸が本当にずるいと思う。

 
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ