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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

一章

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日常の一コマ 

 結局のところ、俺の学校生活は約二か月ほどで普通とは言えない物に変わり果ててしまった。
 周りからこれ以上嫌われたくないという思いが強い俺は何もできずにうだうだと日々の生活を送っている。

 そして、そんな俺がいるクラスの雰囲気は日に日に悪くなってきている。
 その状況が、なおさら俺を臆させて弁解すらできていない状況を作り出している。せっかく、仲の良い友達ができ始めていたというのにこれ以上嫌われたくないと心の隅で思っている俺。
 そんな俺の臆した空気と噂が重なり、より話しかけづらいくて向こう側から話しかけることはしにくいというのに、俺側から声を掛けることさえできていない。

 要するに日々クラスの雰囲気が悪くなっていく状況は、回りに弁解やら、お茶らけた空気で噂を軽く流すと言った簡単な歩み寄りを起こせない俺が悪いという側面も持ち合わせているという事だ。

 クラスで孤立してしまう事は半ばあきらめかけているが、だからと言って学校生活を楽しまないという事はしたく無い。
 幸い、俺は生徒会副会長という大きな役目も持っていることだ。その立場を活かして学校生活を送っていこうじゃないか。

 クラスで孤独になった俺は今日も身を粉にしてこの学校のために生徒会として活動する。
 誰も、ありがたく思ってくれていなくても、自己満足で俺の日々は満たされる。それでいい。

「とはいってもなあ……」
 正直に言おう。

「学校生活。つまらないし。生徒会の仕事が本当にストレスがたまる」
 とぼやく。
 さすがに愚痴の一つをこぼしたって良いだろ。

「ええ、そうね。でも、生徒会の仕事を辞めたらもっとつまらなくなるわよ?」
 同じく生徒会室にいる調先輩が俺に言った。
 だけどさ、つまらないものはつまらないんだよ……。

「そうね。だったら、私と遊びに行きましょう」

「それは嫌です」
 辞めておけ、辞めておけ。これ以上先輩と仲良くなっても良いことはないぞ?
 だって、顔はともかく言動や行動は紛れもない地雷なんだからな。

「即答しなくても良いじゃないの。じゃあ、あなたは一人寂しく過ごすと良いわ」

「はいはい、そうしますよ」
 でも、さすがにこの生活もマンネリ化してきたし、何か新しいことでも初めて見たい気もするな。

「体でも動かしたらどう?」
 相変わらず、考えていることに割り込んでくるな……。
 体を動かすか……それも悪くないが、

「どうせ、体を動かして汗臭い俺の匂いを嗅ぎたいからそんなことを言ったんですよね?」

「違うわよ。正確には体を動かすことによって普段からまた違った香りを漂わせる好木を嗅いでみたくなったからよ」
 だめだこりゃ。
 相変わらず、今日もぶっ飛んでやがるな。だから、調先輩たちと仲良くなりたくないんだよ。

「まあ、休日することがないのは仕方ないので割と検討をしてみます」
 ゲームとかをすれば良いけど、それだけだと物足りないからな。
 だから、割とランニングでも初めるとしよう。

「ええ、その際は私を誘っても良いのよ?」

「嫌です」

「相変わらず、連れないのね。好木ったら」
 こういったやり取りも腐るほどやってきたな。
 でも、調先輩と会ってまだ2か月しか経ってないし、それでこの距離関係を構築したというのは中々に思うところがある。

「ええ、相性が抜群に良いんじゃないかしら」

「いや、それはないので安心してください」

 とか言っていると、生徒会室の扉が開いた。

「どうも、若田部です」
 若田部さんが生徒会室に珍しく訪れてきた。 
 あまり、学校では俺達に関わらないようにって言ってるんだけど、最近はこうして周りの目を盗んで生徒会室にやって来るのだ。

 俺的にはそんなところを見られて3Pしてるとか噂を建てられたくないんだけどな。
 でも、こうして訪れてくるのだから仕方がない。何だかんだで上辺だけの友達関係で疲れてるっぽいし。

「で、今日は何をしに来たんだ?」

「お菓子を作って来たんです」
 と言ってカバンから三人それぞれの分、可愛く包装されたクッキーさを取り出す若田部さん。
 そう、こうして毎日のように何かしらを生徒会室に差し入れとして持って来てくれているのだ。
 ちなみに俺に渡される包装はいつも一番派手であり一目瞭然だ。

「そうね、ちょうど集中力が切れて始めたわ。お茶にしましょうか」
 席を立ちあがり、電気ポットに水を注ぎ沸かし始める調先輩。それを手伝うかのように背を向ける若田部さん。
 俺はその隙に折れように少し派手に包装された袋の中に入っているクッキーと調先輩か若田部さんように包装された二つの内、片方と中身を入れ替えておく。
 勿論、二人が見ていない間にだ。

「好木。ダメよ。勝手に中身を入れ替えるのは」
 だが、調先輩によってばらされてしまう。

「へーそうですか。なんで、中身を入れ替えたんです?」

「だって昨日貰ったスコーンに髪の毛が入ってただろ?」
 昨日食べたスコーンに髪の毛が入っていた。
 若田部さんはそのことに対して平謝りしていたのだが、どうも怪しい。
 おそらく、わざと入れたんじゃないかと思って今日は中身をすり替えさせてもらったというわけだ。

「あれは偶然です」

「そうよ、いくら何でも食べ物にそういうことをするはずはないわ」
 調先輩も擁護し適当に一枚クッキーを口に含みかみ砕く。
 サクサクと良い音を立て、先輩はポケットからティッシュを取り出し口の中の物を吐き出した。

「ごめんなさい。好木。私が間違っていたわ」

「あの、また髪の毛が入ってたんですか?」

「ティッシュに出した時軽く見えたのだけど、今日のは縮れていたわ」
 うん、確信犯だろ。
 髪の毛ならまだしも縮れた毛ってことはそう言う事だろ?
 本当に俺に何を食わそうとしているんだか。

「調先輩の言っていることは嘘です。クッキーは生地が薄いので髪の毛が入っていたとしても温度でパリパリになって口に含んで咀嚼したら跡形もなくなります」

「いえ、入っていたわよ? さすがに嘘は良くないわ」

「どうせ、私を貶めるための自演です」
 そんな時だ、調先輩の手はクッキーを持ち若田部さんの口に放り込む。
 そんな放り込まれたクッキーを若田部さんは何事もなかったかのように咀嚼し飲み込んだ。

「ほら、何もないじゃないですか」
 そう言った若田部さんの歯に縮れた毛が挟まっていた。
 それについて調先輩は追及する。

「あの、若菜さん。思いっきり歯に毛が挟まっているわよ?」

「そんな事、あ。もういいです。まあ、どうせ調先輩にはもともと考えを読まれていてばれてましたし、神田君も、すでに私が入れたことを信じてやまない顔をしてますし謝ります。実は毛を入れました」
 とうとう白状した。
 その姿がなんとも清々しいのがこれまた怖い。

「で、どうして入れたんだ?」

「それは、遺伝子レベルで神田君に私のことを知ってもらいたくて……」
 恥ずかしがりながら言ってきたが、俺は騙されない。
 だって、食べ物に髪の毛を入れて食べさせてくる奴ってまともだと思うか?

「うん、今度からは辞めてくれ。普通に嫌だ」

「あ、はい。そうします」
 まあ、若田部さんは明確に拒否の意思を表せば辞めてくれるのがまだましだ。嫌でも自分の意見を貫き通そうとする調先輩よかましなのが救いだ。
 あ、この点だけな。両方とも不通に酷いことを忘れないでほしい。

「さてと、お茶もわいたけど。その毛が入ったクッキーは誰が食べるのかしら?」

「責任を持って私が食べます。作ったものを残すのはいけないので」
 と普通に自分の毛が入ったクッキーを食べる若田部さんであった。
 無事お茶もわき、俺は毛の入っていないクッキーを食べて一息ついていると若田部さんが調先輩に質問した。

「調先輩は相手の食べ物に自分の体の一部を入れて食べてもらいたいとか思ったことはないんです?」

「無くわないわ。相手に自分のことをもっと知ってほしいと思った時にちょっとやってみたくなったわ」
 なんとハイレベルな会話だろう。
 女子高生がこんな会話をすることをだれが想像できよう。それに好意的に思っている相手がいる目の前でそんな怖いことをよく普段の会話の話題として振ったな若田部さんよ。

「あ、今先輩。嘘つきました?」

「そ、そんなことないわ」

「えっと、私は相手の食べ物に自分の何かを入れたことはありませんとはっきり言ってみてください」
 おい、まさか。
 辞めろ、調先輩も俺に何か体の一部を食わせようとしていたのか?

「どうせ嘘が通じないし正直に言うわ。そ、その。好木の飲み物に唾液を……意外とよかったわ。いろんな意味で」

「それ良いですね。今度私もやってみます!」
 と言ったようになぜか謎の盛り上がりを見せる女子二人。
 そんなかで俺はあることを言いたくなってきた。

「なあ、若田部さんも調先輩も最近さらに俺に対する。アプローチというか接し方というか、そんなのが過激的になってきてないか? 普通に戻るってのはどうしたんだよ……」

「いえ、割と普通です。神田君にだけですから、普段はモットましです」

「ええ、私もそうよと言いたかったけど。私には交流する人すらいなかったわ……」

 うん、とりあえずさ。

「二人とも変態は大概にしとけよ? それが直らない限り俺はいくら迫られてもなんもしないからな」
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