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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

一章

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意外な作戦? 成功はしなくても試してみましょう!

「というわけで、私があの子と財布を盗んだ人に思いついた復讐の方法をはっきりと言うわ」
 掃除の手を止めて言い出した調先輩。
 俺的に早く掃除を終わらしてしまいたいのだけど、どうも止まってくれる様子に無い。

「で、なんですか?」
 だったら、さっさと話しを聞いてしまえばいいだけで、先輩が思いついた策を聞いて満足させればいいことだ。

「簡単よ。財布を盗んだ人の考えをちょっとエロ漫画にすればいいのよ」

「エロ漫画?」

「このページを読みなさい」
 先輩の部屋にあったエロ漫画のあるページを見せつけられる。
 内容は恥ずかしい写真を使って脅すというもの。確かに、あの女生徒が落とした写真は脅すための材料になるかもしれないけどさ。
 エロ漫画と違って現実で普通はしない……。いや、するか。だって、ニュースとかでそんな事件を聞いたことがある。

「そう、だから。あの女生徒の財布を拾った人をそそのかせばいいの。あとは泥沼式にややこしい事態が起こっていくわけって事よ。もし、財布を捨てていたとしても写真の存在をほのめかせて脅せると私は思っているわ。だって、それほどまでにあのおじさんと女性との関係は危ないものなのだもの」
 う~ん。色々と突っ込みたいところが多いけど試してみる価値はありそうな作戦ではあるか。
 だって、そそのかすだけで実質俺たちはノーリスクで復讐を終えることが出来るんだし。

「でも、財布を盗んだ子の思考をそう言う風にそそのかすことが出来ます? だって、調先輩はコミュニケーション能力があるとは言えませんので」
 若田部さんがそう言った瞬間、場の空気が凍った。 
 確かに、相手の考えを読みながら話せば思考をある程度誘導できるかもと思ったけど、
 ああ、無理かもな。

「そ、そのくらい、で、できるわよ」
 そして当の本人も震え声で自信がない様子だ。
 確かに、試してみる価値はあるけど、どうやって、そそのかすのかが問題か……。
 いや、でも先輩に財布を盗んだ奴の思考がエロ漫画的になっているのかを確認して貰えればいいんだろ?

「あの、先輩。単純にそのページだけ切り取って本人の前に落とすって言うのはどうですか?」

「それはダメよ。だって、暗にお前が財布を盗んであの女生徒の財布を盗んだのは知っているんだぞ? と思われる可能性もあるもの。それをするなら切り取らずに落としておいたほうが良いわ。あと、拾って読んでくるとも限らないわ」

「じゃあ、こういうのはどうです? 実際に路地裏とかで脅しているのを見せつけてみるって言うのはいい感じじゃないです?」

「割とありかもしれないわね。だって、財布には明らかに40を過ぎたおじさんとのツーショット写真。そんなことをすぐに忘れるわけないもの。潜在意識に語り掛けることはできるかもしれないわ」
 脅しているのを見せつけるか……。
 なんか、嫌な予感がするのは気のせいだろうか?

「というわけで、神田君。試してみましょう。私に『さあ、この写真をばらされたくなければわかってんだろうな』って悪い顔で言ってみてください」

「嫌だ。絶対に言わないからな。もし、若田部さんや調先輩にそんな事言ったら。写真なんて持ってないのになんでもいう事を聞いて来て、『神田君が言ったんですよ?』と脅されかねないからな」

「そんなことはないわ。物は試しよ。言ってみなさい?」
 調先輩が言った。 
 いやいた、廊下でスカートを下ろした前科を忘れたのか? 慎重に言葉を選んでいるんだからな。
 特に頼みごとの時は先輩に良いように誤解されないように最善の注意を払ってるんだし。

「酷いわね。そんなに頼りがいの無い先輩に見えるかしら?」
 いや、俺が言いたのはそう言う事じゃないから。
 別に普通だったら、頼るし、頼られても嫌な顔はしないからな?

「さてと、おふざけはここまでにしましょう。で、どうすしますか? 財布を盗んだ人の前でちょっとした実演をするんです?」

「う~ん。俺的にはしたく無い。でも、それ以外の方法と言えば、若田部さんに話しかけさせて誘導するってのもあるけど。それは絶対にダメだ」
 若田部さんに思考をエロ漫画みたいに写真で脅すと言ったものに近づけて貰うように会話をお願いすれば良い話だ。別に、先輩は遠くで成功したかどうか考えを読んでいればいいんだし、
 そう、ないとは思うが露骨にエロ漫画みたいな思考を若田部さんが植え付けたことにより、逆恨みされたら最悪だからな。

「別に多少強引でも、相手に写真を使って脅させることを考えさせることができると思うんですけど、私に何か不満でもあるんです?」
 でも、今考えていたことを若田部さんにあまり言いたくない。
 だって、好感度上がるし……。

「先輩、説明を頼む」

「ええ、良いわよ。好木は露骨に思考を植え付けてきたあなたを逆恨みするんじゃないかと心配しているわ。だって、人は誰かのせいにするのが大好きなんだもの。もし、財布を盗んだ人に都合が悪いことが起きれば、あなたに被害が及ぶかもってことね」

「神田君……」
 うん、ダメだ。
 普通に上がった。俺の口から言おうが、先輩の口から言ったところで大差はない様だ。

「というわけで、物陰で見せつけるという事で決定ね。呼び出す方法はラブレターのねつ造で良いわ。最悪、いたずらで済むもの」
 と言ったようにことが決まってしまったのだが。
 物陰で見せつけるのって、どうせ男は俺なんだろ? 俺が脅した時、本当に脅されたと言ってこっちに迫ってきそうで本当に怖いんですけど……。

「そうですね。で、女の子役は私です」

「あら、どうしてかしら?」

「だって、じゃないと財布に入っていた写真を使って脅すという意識の植え付けができたかどうか判断するための考えを読むのに支障がでます。だから、私が適任です」

「支障は出ないわよ? だから、若田部さんは関係ないのだしここでおさらばよ」

「いえいえ、神田君が困っているのなら、それは私が困っているの当然です。だから、脅されるなんて形だけでも嫌ですよね? だから、私が」

「ダメよ。いくら、物陰で暗いから顔が見えないことを考慮しても、あなたはまだ上辺だけでもクラスに友達関係があるじゃない。そんな、危険なことさせられないわ」

「だったら、髪を染めるので大丈夫です」

「いえ、ダメよ。うちは髪の毛を染めるのは禁止されているわ。そんなことをしたら、すぐに生徒指導室に呼び出されるわ」

「だったら、直ぐに染め直ば良いだけです」

「あら、そんなことをしたら髪の毛が痛むわ。そんな、女の子に無理を強いるわけにはいかないもの」

 …………いつ終わるんだろうか、この不毛なやり取り。


 とか思いながら俺は一人黙々と掃除を進めていた。
 その際に扇情的に下着が出てきたりしたのだが、俺に脅される役をやるために言い争う調先輩の姿を目のあたりにしているせいなのか、ありがたみも何もなかった。

「さてと、先輩たち。さすがにそろそろ掃除に戻ってくださいよ」
 終わる気配がなかったので仕方なく話しかけ、事態の収束を図りその場を何とか収めるのであった。


 で、無事に先輩の掃除を終えてから数日後、人気のない暗い物陰に財布を盗んだ人を呼び出し、策を実行する。
 え? 結局どっちが脅される側が担当になったかって?

「おら、二人ともあの写真をばら撒かれたくなかったら、どうすれば良いかわかってるよな?」
 というわけで、若田部さんと調先輩。両方を脅すことになったというわけだ。
 あ、ちなみに今現在後ろではおそらく財布を盗んだ奴が見てるのは言うまでもない。きちんと確認してから実行している。

 てか、大きな声で二人を脅すの普通に恥ずかしいな……。
 まあ、聞こえなければ意味ないし、仕方がない。

 財布を盗むような奴だ。
 どうせ、こっちに関わろうとしないで、見なかったことにするだろう。
 現にもう逃げて行ったような足音が聞こえたし。

「ええ、分かったわ」
 作戦はもうこれでおしまいだというのに調先輩は普通に光悦な表情で俺の社会の窓に手を伸ばす。

「はい、わかりました」
 ちょっと演技して悔しそうにしているも何だかんだで嬉々としている若田部さんも俺のベルトに手を伸ばす。

 うん、こうなることは知ってたけどさ。
 さてと、このピンチどう切り抜けるべきか……。

 後ろで見ていた財布を盗んだ奴は足音はすでに聞こえたし、それも相まって二人とも歯止めを利かせずに暴走し始めたんだろう。

「二人とも、すでに財布を盗んだ奴は去ってきましたよ?」

「何を言ってるのかしら。私はあなたに写真を握られて脅されているの。そう、逆らえないのよ!」 
 ものすごく強気に言う調先輩。
 明らかに脅されているようには見えない。

「そうです。私は写真のせいで……」
 割と演技をし、仕方がなくと悔しがる顔の若田部さん。
 でも、目は輝いている。

「で、調先輩。写真を使って脅させるって考えは植え付けられたんですか?」

「微妙なラインよ。少しはあの女生徒の財布に入っていた写真について考えたみたいだけど、脅すことを実行に移す明確な意志はいまいち考えていなかったわ。まあ、それもそうね。この光景をみて驚いたと言った考えが先行しているんだもの」

「じゃあ、失敗ですか?」

「そうとは言ってないわ。今見せた光景は少なからず頭に残っているもの。じわじわとあの女生徒を脅してやるという考えが生まれると思うわ」
 そんなことを言っている際にも必死に俺の社会の窓を開けようとしてくるのを手で払いのけている。
 さてと、逃げるか。

 と俺は二人が本気で脅されたことを理由に迫ってきそうなので逃げるのであった。

 なに、体力に自信はある。

 なんて、余裕はあったのだが、逃げた際に若田部さんが追いかけようとして転ぶ。
 当然、放っておけなくて近づいたのだが、

「足を挫いちゃいました。肩を貸してくれます?」
 と若田部さんが申し訳なさそうに言った。
 確かに足首は少し腫れていて肩を貸そうとしたのだが、

「好木。若菜さんはわざと挫いたわ。そんな人に肩を貸してあげる必要はないと思うのだけど」
 うん、怖いな。
 わざと、俺を呼び戻すためにわざと足を挫くのとか怖すぎだろ。

「ええ、そうです。逃げる神田君が悪いんですから。逃げなければ、足を挫く必要はなかったんです」
 はあ……。本当に厄介だ。
 だが、彼女をそこまで変えてしまったのは超能力だ。若田部さんは悪くない。
 ゆえに俺は若田部さんを見捨てるつもりはない。

 だけど、言わせてもらおう。

「そんな、思考を持っている内は絶対にお前らに好意なんて寄せないからな?」



 
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