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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

一章

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超能力者とは付き合うな! 闇が深いぞ気を付けろ!1

 今日は記念すべき高校の入学式。電車の中でどんな出会いと経験が待ち構えているのか楽しみに待っていた時だ。

「あの、すみません。あなたも蝶野高校に入学するんです?」
 電車の中で黒髪セミロングで胸が豊満。
 そして、俺がこれから通う蝶野(ちょうの)高校の制服を身にまとった、かわいい系女子に声を掛けられた。俺の家が少し遠くにありどうしても早く家を出なければいけないため電車内は空いている。
 そりゃ、空いている電車内で同じ高校の制服を着た人がいたら話しかけるのも乙なものだろう。

「あ、はい。もしかして、君も?」
 どうせまだまだ時間はある。ちょっとした世間話をしようではないか、てか可愛いし是非お近づきになりたいもんだ。
 だって、高校だぞ? 色恋の一つでも体験してみたいじゃないか。

「はい。そうです。今日から、蝶野高校の一年生になります。名前は若田部わかたべ 若菜(わかな)です」

「あ、俺は神田好木かんだよしきです。やっぱ家が遠いと電車に乗る時間も早くなくちゃいけないし大変だよね?」
 当たり障りのない話で会話を始める。
 可愛い子に話しかけれらたのだ、ぜひお近づきになりたいと思うのは当然のことだ。

「そうです。まったくもって、遠いと困っちゃいます」

「だよな」

――――――しかし、間が持たない。

 会話はそれっきり途切れてしまった。何か、話さなければと思い、俺はある質問を若田部さんにした。

「若田部さんって彼氏いるの?」

「はい?」
 あ、これ完璧に質問のチョイス間違えたやつだ。いくら、俺が色恋に興味があるからって出会ったばかりの子に質問することじゃないな。
 これはいきなり彼氏とか聞いてくるずさんなやつだと思われかねん……。

「あ、ごめん。急に失礼だよね。出会ったばかりなのに……」

「彼氏はいません。でも、そう言うのには興味があります。できれば、欲しいと言ったところです」
 あれ? 意外にも大丈夫そうだ。 
 てっきり、もう印象はがた落ちかと思ったんだけどな。

「へー、そうなのか。じゃあ、若田部さんの彼氏に立候補しちゃおっかな?」
 と言ったようにもうちょっとお近づきになるべく、責める発言をした。
 てか、言ったのは良いけど、滅茶苦茶恥ずかしいな……。

「良いんです? 私は絶対に重い女ですけど」

「重いってそう言う事、言う人に限って束縛とかそう言うことは絶対にしないって、なんか恋愛の本に書いてた気がするし、全然気にしないって」

「ふふ、フォローがうまいです。悪いところをあげたのにさりげなく気に掛けられる人って私好きになっちゃいそうです」
 愛想笑いではなく自然な笑顔を浮かべた若田部さん。その時、俺の胸がズキンとうずいた。
 もしかして、この気持ちは恋か? 高校入学初日にして俺は恋に落ちたというのか?

「若田部さんは……」
 それから、俺は高校までの道のりを若田部さんと話ながら通うのであった。
だが、学校に着くまであと少しの時、電車も混み始めて話す余裕がなくなってしまうが視線はたまに合う。
 それがどきんと胸をうずかせる。
 ああ、なんだろうこの気持ち、やっぱり恋なのか?

 そんな時だ、混んでいる電車の中で不自然に手を動かしている男を見つける。
 そして、その視線の先には恥ずかしそうな表情を浮かべている女の子が一人。

(朝から痴漢プレイとか、中々にレベルが高いな)
 超能力が当たり前になった世界な今。俺も又超能力を持っている。
 その超能力は『好感度指標』相手と対象を決めると好感度を図ることが出来る能力だ。能力は結構便利で好感度の変化を頻繁に知ることが出来るのだ。
 ちなみに最近、妹の俺へ対する好感度が上がってきているのは気のせいなはずだ……。そう、気のせいなはず……。

 あ、若田部さんの俺への好感度はそこまで高くない。出会ったばかりだし当然だ。
 でも、会話をしていく中で少しだけ上がったのはわかっている。
 つまり、俺はまるでゲームの女の子みたいに数値化された好感度をもとに有利に恋愛することが出来るのだ。

「あの、人動きが怪しくないです?」
 ちょっと狭苦しい電車の中で声を出す若田部さん。
 ああ、俺がさっき見た男の人か……。

「いや、別に大丈夫だ。あれはそう言うプレイだ」
 根拠は言わない。だって、好感度が分るなんて言ったら、いくら超能力者が当たり前になった世界だが、普通に差別とかあるし。

「え? なんで、嘘を言ってないんです?」

「ん? どういうこと」

「あ、何でもないです。でも、あれはいけないと思いますけど」

「だよな、公衆の場でああいうプレイは良くないよな?」

「プレイ? どういうことです?」
 よくわからない表情をしている若田部さん。しまったな、どう説明しようか。好感度指標の力は言いたくないし、何かうまく説明できる手段はないだろうか……。

「ほら、女の人の顔を見てくれ。どう見ても喜んでるだろ?」
 視線で男が触っている女の人の顔を見るように伝える。

「た、確かに言われてみれば。痴漢されて喜んでいるように見えますね」
 そう、あの女の人は普通に喜んでいるのだ。その姿を見て若田部さんも納得はしてないものの、本当に痴漢プレイをしているカップルだと思い始めてもいる。
 だが、

「あの、この人痴漢です!」
 男の手が込んでいる電車の中で上へあげられた。その瞬間、皆がその男を見た。

「いや、俺とこいつは恋人で」
 うん、やっぱり痴漢してた女の子と男はカップルであった様だ。

「いえ、そんな言い訳通用しません。次の駅で降りて貰います」
 グッバイ、男よ。
 しっかりと無実だと証明できるよう俺は祈ってるからな……。

「えっと。なんか、捕まりましたね」
 俺たちが手を下すまでもなく、現状が解決した若田部さんはほっとしていた。

「ああ、そうだな。捕まったな。でも、あの人はまあ無実だけどな」

「どうしてまるで嘘を付いていないかのようにはっきり言えるんです?」
 電車の中は痴漢騒ぎにより若干賑わいざわざわとしているため、会話を続ける。ま、普段の満員電車でべちゃくちゃと会話するのは本当に目立つから嫌だけど、これほどざわざわしていれば別に周囲の視線を気にする必要はない。
 てか、どうしよ『好感度指標』について言いたくないんだけど。

「まあ、俺の勘ってやつ?」

「嘘です。勘なんかじゃないのはわかります」

「え?」

「だって、私は嘘が分かる人ですから」
 おう、目の前にいた若田部さんはまさか、嘘が分かる超能力持ちと来た。
 うん、だったら俺が取る行動は一つだな。

「実は俺もそうなんだ。相手の好意を図ることが出来る。能力を持っている」

「本当なんです?」

「ああ、本当だ。だって、若田部さんだけ自分の超能力を言うだなんてフェアじゃないだろ? だって、超能力が当たり前になった世界とはいえ。差別とかはあるんだしさ」
 そう、超能力を持っている人は割と差別される。いや、差別ではなく区別される。特に俺なんて無邪気に父と母互いの好感度を図った。
 その結果、家庭崩壊した。そう、俺は父がすでに母を好いていないのを見破り、無邪気だった子供の俺はそのことを口にしてしまった
 浮気がばれ、芋づる式に父と母の関係は悪化し離婚。母はうつ病に、父はどこかへ去ってしまった。
 そして、俺と妹は祖母の家に住むこととなったのだ。

「そうですか。同じや悩みを持つ仲間ですね。私も……」
 そして、おそらく若田部さんもそう言った過去を持つのだろうか、暗い顔を浮かべる。

「ああ、お互い。超能力に振り回されて生きて来たけど、これからも頑張ろうな」
 と言った瞬間に俺に対する若田部さんの好感度が少し上がる。
 お互いのことをさらけ出す、そんなことをして好感度が上がらないわけがないのだ。そう、俺はこうして女の子の好感度を見ながらモテようとした。

 だが、それが間違いであったのに気が付くのはもう少し先の話。
 いや、好感度を見ながらモテようとするのは別に間違いではなかったと思う。そう、俺が間違ったのは普通の女の子ではない子と仲良くなるという事を軽視しすぎていたという事だ。
 だって、俺も家庭を崩壊させた闇を持っているし。超能力を持った他の子もそんな闇を抱えているのを軽視しているのを十分に理解で来ていなかった。

 超能力者、それは心に闇を抱えている子たちが多い。そんな、超能力を使える女の子と仲良くなろうとした時点で俺は進むべき方向を間違えたのだ。
 相手をきちんと選ぶことをしなかった俺はそのせいで大変なことに見舞われるのだ。
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