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超能力を使える女の子が俺を落とそうと必死に動いているけど、一人と付き合った時点で俺の人生が終了な件について。加えて世間は物騒です…… 作者:くろい

5章

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エピローグ?

 普通であることを辞たのあの日。
 その決断はほとんど意味は無かった。
 なぜなら世界はすでにおかしな方向に傾いていて、超能力者が利用される世界に傾いてしまっていたのを目のあたりにして即座に行動に移さざる負えなかったのだから。
 だが結果として、何とか超能力者が利用され物にならない世界を作り上げていくことは思いのほかうまく行きつつある。
 あ、もちろん若田部さんの経営する旅館は無事だ。

「……本当にどうすれば良いんだろうな?」

「ええ、もうどうすれば良いのかしらね」

「だからと言って、今行われている超能力者のための政策を打ち切られたら俺たちは惨めな家畜になるに決まってる。やり過ぎてる気もするが、この位に激しくしなければきっと超能力者は物どころか家畜に成り下がる」
 とはいっても、うまく行きつつあると言うのは超能力者にとって都合の良い世界という事に限られ、逆に超能力者でない者が酷い目に遇いつつあるのだ。

「そうね。家畜にならないためにはこの選択しかなかったもの。だって、この選択肢を選ぶ前は本当に酷かったものね。一年で10000人以上の死者。障害を持ったものは400000人。本当に酷かったわ。って、あなたが考えた数字は色々と酷すぎるわ。もう少し、現実味を持たせたらどうかしら?」

「ああ、本当に最悪だったな……」
 そう、俺、いや俺達が手段を選ばなくなった理由は簡単。
 超能力者に対して投薬実験による超能力の引き上げ。超能力者を部品とした機械の作成。超能力者を兵器化。超能力者のクローンの作成。
 そう言った数多な非人道的行為が横行しすぎたからだ。

「ええ、現実味は無い話だけどもね。だからと言ってああするしか無かったじゃないの? とでも言っておくわ」

「ああ、必要だ。でも、俺達はせいぜい種を撒くことしかできなかったのが悪い」
 種を撒くことしか超能力者を救う事が出来なかったのだ。
 立ち上がった俺達はどうしようもなく子供で力も地位も何もかもが無かった。
 だから、俺達は不安定な洗脳やら、超能力者を道具としか思っていない人を消すことくらいしか出来なかったのだ。
 ゆえに根本的な所は結局他人任せになっている……そのせいで……世界は……。

「でも、私たちが色々としなければ世界は酷いことになっていたわよ? いい加減に飽きて来たのだけど?」

「分かってる。だけど、このままだと今度は……」
 他人任せにした結果。
 政治思想の偏った者、超能力者至上主義を考えて非超能力者を人と思わない者。
 そう言った、明らかに異常者とも呼べる人たちが世界を牛耳ってしまった。

「だからと言って、私たちが他に出来たことは? さて、いい加減にしないと私も怒るわよ?」

「……」

「ええ、そうね。そうよ。と言うか、茶番に付き合ってあげたけど現実逃避がいささか死傷者数がSFチックじゃないかしら?」







 まあ、あれだぶっちゃけ今考えていた暗い世界は実は訪れていないし、色々と順風満帆だ。
 今までの頭の中で考えていたことはすべて嘘なのだ。それに考えが読める調先輩が付き合ってくれていただけだ。
 本当は普通に超能力者と非超能力者が手と手を取り合う事を目的とした政権が色々と上手く機能し始めて世界は普通に平和。確かに多少は超能力者に対しての人体実験は行われたりはしたけど、俺の頭で適当に打ち出した数字とは似つかない程かけ離れている。
 さて、どうして現実逃避をしていたのかは簡単な事で……重婚がOKになった。
 なんと言うか、超能力者は今後も増加傾向を通り越して、後4世代もしないうちに80%の人が超能力者になるのが研究としてわかったのだ。
 超能力者の子供は超能力者となる可能性が非常に高いという研究結果も出された結果。
 今現在、超能力者は人口の約1%弱。その1%弱に重婚を認めさせ、たくさんのこどもを生ませ80%弱になるまで4世代掛かるところを3世代に短縮しようという計画が立案された結果。
 ほとんどの国で超能力者の重婚が認められてしまったのだ。
 とはいっても、色々と面倒くさい条件やら、それは倫理観に抵触するのでは? とか日々様々な議論がされている。

「さすがに俺も答えを出さないわけには行きません」

「あら、素直じゃない。今日はどうかしちゃったのかしら?」

「……まあ、流石に俺も腹を括らないといけないとダメなんで。というわけで、ごめんなさい。先輩達と結婚するのは無理です」
 現実逃避していたのは調先輩に迫られていたからだ。
 いや、心から結婚が無理とかそういうわけじゃない。
 皆と一緒に大団円を迎えると言うのは、むしろありがたい話なんだが……。

「大丈夫よ。好木。別にね。私達は誰が第一婦人だろうが平気よ?」 
 にっこりとした笑み。
 その裏には私以外を第一婦人にしたらどうなるか分かってる? という怨念がこもっているのは言うまでもない。
 皆は別に一緒になるのを拒否しているわけではない。
 だけど書類の関係で結婚した場合。一番初めとか二番目、三番目とか婚姻相手に順番が付く。
 勿論、優先順位を現したものでは無く、書類上の一人目、二人目、三人目と言った感じなのだが……。
 それでも、一番でありたいという気持ちが強いらしく、今現在苛烈な第一婦人争いが勃発しているのだ。

「と言うか、そろそろ解放してください」
 さて、何を隠そう。
 実は椅子に縛られているのだ。
 そりゃ、寝て次に起きたら椅子に縛り付けられていたとか、現実逃避したくなるだろ?

「あなたが悪いのよ? 第一婦人を決めないのが」

「と言うかそもそも俺達。まだ結婚できないですよ。しかも、男子18歳と女子16歳じゃ責任能力が低いという事から引き上げられて男女ともに22歳にならないと結婚できなくなりましたし」

「それでも、約束くらいは出来るわ。さてと、好木。あなたが悪いのよ。私を一番に選ばないから悪いの。そう、私は悪くないわ」
 縛れた俺に迫りくる調先輩。
 最近は自重してくれていたんだが……あれだ。
 俺がそれに甘えて本当に素っ気なくしてたら、凄く悪化した。
 調先輩は最近、匂いを嗅ぐどころかなんか俺をかじってくるし、若田部さんはご飯に色々と盛ってくるのを通りこし、そのままで俺に食べるように強要。京香は……能力で恐怖を与えることは封印しているも、元々の力は相手の恐怖を知る力。恐怖に精通した京香は能力を使わずとも色々と恐怖を与えて俺を脅してくる。
 そして、波豆さんは……

「波豆さん。助けてくれ」

「うん、良いよ」
 能力の応用である人に気づかれいない力を生かして、いつも俺の後ろに居る。
 本当に怖い……。いや、別に何もされてないけどな。
 ただし、何もされないと言うのは少し語弊があり、

「じゃあ、今日も何か貰っていくよ」
 といった感じに助けを求めた際に俺の見えないところで何かを奪われる。
 歯ブラシだったり、下着だったり、靴紐であったりと、物じゃなかったりと色々とだ。

「ああ、分かった」
 返答を返すと同時に手足に巻き付いているロープをほどいてくれた。
 苛烈な第一婦人争いをしているという事もあり、最近は皆の仲が悪い。
 ロープをほどいたことに対してお怒りの調先輩と波豆さんは互いに睨みあっている。
 その隙に俺はこそりと逃げ出すとするか……。

「ふう……」
 椅子に縛り付けられていた場所を抜け出した俺。
 どうやら、縛り付けられていた場所は調先輩の部屋であった様だ。

「さてと、さっさと自分の部屋に戻ろう」
 鍵が3個【定期的に変えている】のついた自分の部屋逃げ込もうとすると、

「あ、神田君。おはようございます」

「お、おはよう」
 笑顔が素敵な若田部さんと出くわす。
 その笑顔の裏に隠されたものは言わずもがな、色々と怖い何かだ。
 さらに付け加えると、その後ろにはじっとりとした目で睨んでくる京香が居る。

「神田君。そろそろ決めてくれないんです?」

「何をだ?」

「第一婦人をです。流石にそろそろ決めて貰わないと我慢できません」
 我慢も何もまだ結婚できる年齢ですらないんだが?
 好意を抱いてる皆が相当先になると言うのに第一婦人争いをしている。
 それなのに色々と強引に迫られることが増えて来て命の危機を感じた俺は……。

「そのことに対して色々と話がある。リビングに集合してくれ」
 リビングに皆を集めて俺はあることを宣言した。

「まあ、百歩譲って皆と重婚するのは良い。だけど、あまりにもギスギスしている。よって、俺はあることを決めました」

「好木。もちろん、私よね?」

「ヨシ君?」

「神田君。分かってますよね?」

「おにい……」
 って、おい。京香。お前は無理だからな? いや、重婚は認められたけど近親婚は普通にアウトだからな? 選ばれる前提な顔を浮かべるなよ。

「あれだ。よくよく、思えば俺達ってまだ付き合ってすらないのに。いきなり、第一婦人がどうとか決めるのはおかしい。というわけで……俺と最初に恋人同士になった人を一番目にする」
 自分でもとんでもないことを言っている気がするが、皆も色々と成長? している。
 こうして俺が真面目に言えば3日くらいは言ったことに従ってくれたりする。

「確かにそうね。結婚ばかりに目が行っていたけれども、そもそも付き合ってすらいなかったわ」

「よくよく思えばまだ結婚できる年齢じゃないです」

「だね。よく思えば何を焦ってたんだろ? 結婚できる年齢までにヨシ君を手に入れれば良いのに」

「おにい。私頑張る」
 だから、京香。
 お前は論外だからな?
 とか思っていた時だ。リビングにあるテレビが速報に切り替わった。

『番組の途中ですが、緊急でお知らせします。警察の取り調べに超能力者が協力する制度の施行が来年度から行われることが正式に決まりました。詳細はこれから公表されるとのことです』
 なんか、近親婚もありになりそうなくらいぶっ飛んだ制度が出来たな……。
 と言うか、割と俺が現実逃避していたことが現実味があるんじゃ……。

「本当に混沌になって来たな」

「あら、あなたが言うの? 好木が若いうちに超能力者に対して様々な考えを持つ人たちと接触して仲良くなろうとしたからこんな感じになりつつあるんじゃないの」
 そう、世界の劇的な変化はある意味、俺のせいで起きた。
 将来、超能力者がどうなるか不安で超能力者についての専門家達や政治家のお偉いさんたちに『超能力者の未来を変えるために頑張りたいんです』とばあちゃんのコネが効くうちに顔を一度でも合わせて置きたくて結構な人数に挨拶回りをした。
 それが『子供に任せるのは恥だ』と言った感じで超能力者の専門家や政治家のお偉いさん達にやる気を出させたのだ。
 だからこそ、重婚を認めたり、今の報道みたいに『警察が超能力者の取り調べに協力する』と言った制度が出来つつある。

「まあ、俺もまさかこうなるとは思ってませんでしたよ」

「そうね。私達が思っている以上に大人は大人だったっていう事ね。というか、あなたの現実逃避していたあれが現実味を帯びて来そうで怖いわね」

「さてと、話を戻すか……というわけで、この先も長いんでとりあえず現状維持。それじゃ、ダメですか?」
 結局のところ、まだ若い俺は問題を先延ばしにすることを選んだというわけだ。
 どのみち選ばなくてはいけない選択肢を迫られるのはあるだろうけど、重婚が認められてるしそう悪くない未来が訪れるはずだ……たぶん。



 ここまでは俺の青春が始まるまでの物語。


 これから先は俺の青春物語だ。
 だって、ほら。
 こんなにも色々とあったのに学校での出来事は記憶にほとんど無いだろ?



最近は更新ペースの維持が出来ていないのに連載中で放置するのはダメだと思ってちょうど良い終わり時かなと思ったので完結させました。


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