ダメな俺が恋に落ちた
俺が店長か…。なったら相当適当な店になっちまうよ。
どんな人が店長なるんだろうか。
うーん、やる気満々なギラギラ店長?
ゆるゆる店長?セクハラ店長?
あー、違う。そうじゃなくて。俺が目指すものか。
今まで金ないと生活出来ないし、金で欲しいもの買えば人は満足するし、何より金で全てなんとかなるって思ってたけど、仕事の面白さとかは金で買えない。こればっかりは頑張るしかない。
もちろん頑張れば金もらえる。
よくわかんねー。どうしたいか。めんどくさい。考えないようにしよう。
俺は毎日仕事で携帯を売ったり、修理受付したり、業務全般がある程度出来るようになっていた。
天パーは意外にも、辞めず頑張っていたが、奴の支えはたまに社員の女の子がしゃがんだ時にスカートの中が見えることに興奮し、天に感謝して仕事をしていた。
なんかどうしようもねー奴だが、それが幸せならある意味羨ましい。
確かにスカートの中が見えたら、それはラッキーかも。
いや、俺は何奴と同じ発想になりつつあんだ。
でも、確かに生きがいってやつがないと生活にメリハリがなかった。どっかでいつも飽きたり、逃げたりしてたな。
久しぶりに元カノから連絡きた。
ヨリを戻したいと言われた。
俺は悩んだ。
何だろう。不思議と寂しさはあったのかも。
休みの日、ファミレスで待ち合わせる事にした。
久しぶりに会った。
元気そうだった。
ん、つか誰?ってぐらい変わってた。
雰囲気じゃなく、体型が。すげー失礼かもしれないが体格が以前の倍ぐらい大きくなっていた。
俺はあまりそこには触れずにいた。
元カノは
「私、かなり太ったよね。多分がっかりしたよね。ごめん。」
俺は「謝る事ねーだろ。別に悪いことしてねーんだから。」
元カノは「私、道夫と別れてから、毎日立ち直れない日々が続いて気づいたら、食べて食べてストレス発散してた。したらこうなった。」
俺は「そうか」と言った。
そうだな、俺のせいでもあるが、それは明らかに自分をコントロールしてなかっただけだろうと思った。
色々と話した。そして元カノが
「こんな私なんだけど、道夫とやり直したい」と言った。
俺も一瞬戻ろうかなって思ったが、元カノの次の発言に一気に萎えた。
「私じゃないと道夫は幸せならない!」と言った。元カノは元々、少し姉御肌があり、なぜか俺を下に見るような、母親の様な発言がちょいちょいあった。
俺はそこが許せなかった。ってか、そこが生理的に無理だった。
俺は「私じゃないと俺は幸せになれない?どういう意味だ?」
すると元カノは「道夫は少しだらしないから、私がいればしっかり支えてあげる。」
しかもウィンクまでしやがった。
この、この、この食いしん坊のすっとこどっこい!
俺は「そうか。なら俺の答えはノーだ。無理だ。だらしないとかで、お前とヨリ戻してちゃんとするとか望んでないわ俺」
元カノは必死にそれだけじゃないと色々話していたが、俺は
「そのハンバーグゆっくり食って行きな。」と言って会計だけ済ませ店を出た。
そのまま帰った。帰りの途中、元カノから何度も連絡きてたが無視してしまった。
何だろう、向こうも変わってねーけど、俺も変わってねえ。お互いにうまく行きそうもねぇな。これじゃ。
やはり一瞬の気持ちだけではだめだった。
何だろう、最近適当な俺が物事を真面目に考える様になってきた。不思議だわ。
俺のモットーは何だ!適当だ!
適当に生きる!それだ!それだけだ!
そう思って無駄な事考えずに金稼いでどっか適当に旅して気に入った所に住むかと、本当に無謀な考えになっていた。
だから、今の仕事も適当でいいかとなり始めた。
店長に「そういえば前に話した店長目指すのどうなった?」
と聞かれた。
俺はやりたくねっすと答えた。
店長も「そう、わかったわ」
で終わった。
もうすぐクリスマスだわ。世の中は盛り上がってんなー。
俺の職場でも、みんなでどこか飯食いに行こうとなった。もちろんクリスマスの日は彼氏いる人はだめだった。
同然だわ。俺でも嫌だわ。
どこに行くか決めてる時に、1人がしゃぶしゃぶと言った。
すると天パーが「おしゃぶりおしゃぶり」と叫んだ。くそ天パーくそセクハラだなーと思った。
まぁ悪くない。そんなディナーも。
そんな事妄想してたら、1人の巨漢の女の子が「豚豚豚ー」とクソテンション上がってた。俺らはええっ、共喰い?
いや、すいません。言い過ぎました。申し訳ありません。でも、その人が豚ーと叫んだのはかなりのインパクトだったわ。普段はあまりそんなに喋らないおとなしい人。
この時だけは豚ー!と叫んだ。でもね、何かちょっぴり可愛らしいく見えた。
しゃぶしゃぶをみんなで食べた。みんなでワイワイと。楽しかったなぁー。
クリスマス前にしゃぶしゃぶか笑
よくわかんないけど、楽しいからいいか
俺は意外な所で恋に落ちてしまう。