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金で買えないもの  作者: チタマ
3/4

やっぱ足だけはくさい

パチンコのバイトはね、しばらく続けたよ。一年くらい。でも、飽きてしまった。だから辞めた。

萩原さんはしばらくして、バイトリーダーと付き合ってたね。

その後、すぐ別れてたけど。どうやら彼氏の束縛が激しく、仕事中でも客と萩原さんが仲良く話してるのが嫌だったみたい。

でもさ、それってしょうがないよね。仕事だし。彼氏の要求も実にむちゃくちゃなって思った。


俺はその後彼女と別れたよ。俺から約束守れないから別れようって話した。彼女はまじで別れるとは考えてなかったけど、俺がしばらく考えるのが無理になっていた。


あー、無職。長続きしないこの悪い癖を治さないと。

本当にやる事なかったし、仕事も中途半端に探してたから、仕事もなかなか見つからなかったね。

その後は友達が勤めている派遣会社の紹介で工場に行く事になった。とりあえず、仕事内容はスロット台の組み立て。


ええーまたスロット…。でもパチンコ屋じゃないからいいか。

仕事に行き始めた。しっかし、あれですね。今まで仕事を転々としてきた連中の集まりでした。中には主婦や学生もいたけど、それ以外は派遣で食いつないでる人達ばっかり。


1日の流れは基本出来上がったスロット台のチェック。ランプ付くとか、スロットがちゃんと回るのか、ホコリが入ってないかとか。問題無ければトラックに積むための箱にしまう。

これは、これは…、俺が夜中台交換作業の前の作業か。

この人達がやっていたのか。まぁ少し驚いた。

仕事はみんな黙々とやる。俺は正直発狂寸前。つまらん。無言。当たり前だがこの作業一日中?まじでやばいな。

俺には100%合わなかった。

休憩時間はみんなそれぞれ中のいい人達が外の自販の前の喫煙所に集まる。何か派遣を長年やっているおっさんがリーダーの様に何人か人を束ねていた。

そのおっさんも派遣だった。


話している内容は今日仕事終わってからパチンコ打ちに行くと。すげー奴らだ。パチンコの台散々触って、仕事終わったらまたパチンコかよ。病気だな。


まぁパチンコ好きな人にしかわからん感覚だわな。どうでもいいわ。


1人が俺にパチンコ好き?と聞かれたので、「いや、正直興味ないっす」と答えた。そうすると「そうだね、パチンコはやらないならやらないほうがいいよ。あれは中毒性高いし、俺はもうダメだけどね。はははははー」と笑って言った。


つーか、あんたにやらないほうがいいとかどうでもいいお節介だわ。その人生でやらないほうがいいとか説得力ねーし。と思ったが、今の俺も正直なんも説得力ねーわ。

こんときは、社会で社員でバリバリ働いてる奴が偉いと思った。逆にいつまでもぷらぷらしてる奴が負け組だと思っていた。


最近は楽しくねーな。何だろう。

久しぶり友達の家に遊びに行く事になったんだよね。

その友達は専門学校卒業後、就職して、仕事がきつくて辞めて、今現在はパチンコ屋でバイトしてる。


お前もか笑。と思った。パチンコ、パチンコって。

その友達は何か子連れの人と付き合ってるそうだ。よくわからんけど頑張れ!


俺は頑張る理由が見つからなかった。

何かねーかな、と思ってたら


派遣を何日かやってたけど、どうも職場の空気が合わないな。

決して悪い人達ではないんだけど、何か合わない。

まぁあまり深入りしない方がいい事情が多い人達って感じだったな。

何故なら俺が「何で派遣なんですか?」と聞くとみんな少し不自然に「ちょっとな」と言って理由を話さない。

別に興味ないからいいけど、ちょっとなってちょっとじゃないんだろうなって思った。


派遣の途中、携帯ショップの店員の仕事が決まった。そんな訳で、友達にすまんと言って辞めた。

俺の派遣会社の営業の友達も「あそこは人生ギリギリの人の集まりだから。よかったね!」と言っていた。


人生ギリギリか…。まぁ俺もそれに近いが…。


その後携帯ショップで働き始めた。

いやー天国だった。何故なら若い女の子いっぱい、同年代の男の子もいたので、遊び感覚で仕事した。

仕事は携帯の販売。

携帯が好きな客が新機種発売日に店にくる。新しいのが出るたびに機種変更する。何がそんなに携帯いいかね。電話、メール、ネットありゃどれも変わらんけどね。と思っていた。


中にはカメラ機能にやたらこだわるおっさんもいた。何撮影すんだよ。

とにかくおっさん必死だったね。ハァハァしながら、暗いところも映る?ライトは?時間どのぐらい撮れる?音は?など。どうせしょうもない動画撮るんだろうと思ったし、息がとにかくくせーの。

と思いながらとりあえず携帯販売する。

隣にいる窓口のうちの社員の女の子もその質問が聞こえ引いてたな。

おっさんはハァハァしながら、その女の子の社員見てたし、想像してんのかな。

こういう考えだとアホしかおらん。

だから言ったよね。カメラはデジカメ、ビデオはビデオカメラで撮った方がいいです。お客様にとってはと話しておいた。

俺は「ちなみに写真やムービーはどのような物を撮るんですか?」念の為聞いた。

するとおっさん

「ハァハァ、そりゃ君、あれだよ。アレ。わかるだろ。」

聞くんじゃなかったな。息くさ!

俺は「アレですか?わかりかねますが、法に触れないものですか?」と少しふざけて聞いたら、おっさんは一言

「ギリだな」

何がギリだよ。息くせーよ。とりあえず、一番いい機種を売った。早く捕まってくれおっさん。と思い契約後見送った。

おっさんは戦場に繰り出すように満足そうに出て行った。



中には故障した携帯持ってきてクレーム。買った時からおかしかった!と文句言う人。買った日調べたら、もうすぐ一年。何で最初のおかしい時に持ってこないのよと思い、対応。これまためんどくさいんだよね。

何で壊れるの?って聞かれるけど、俺作ってないから知らねーよと思いながら笑顔で対応。しまいには解約したいという。

どうぞどうぞと思いながら、黙ってみると、修理して!て言う。どっちだよ。

修理しても気に入らないと交換してっていう始末。交換⁉︎何言ってんの?おい、ボランティアじゃねーんだよ!

無理ですと伝えると大体納得せず、

「お客は神様だろう!交換もできねーのか!」とキレる人も少なくない。

こうなるとめんどくさいね。あー、はいはい、神様仏様ね。あんたが神様なら自分で直せ。ってかあんたは今は客ではない。ただの非常識ワガママなクレーマー

だよ。恥ずかしいよなー、自分の事を神様だ的な発言。どんな生き方してきたんだよ。



あとあれね。電波のクレーム。知らん。電波いい所に引っ越せ!と思っていた。

電波なんて見えないし、どこまで良好かわからん。


俺、明らかに接客業向いてないな。

文句しか言ってねー。ダメだね。こんなの。まともな思い出がねーのか俺。



そんなこんなが毎日続いたけど、苦にならず仕事してたなー。やっぱり、若い女の子がいるからかね。

癒されたねー。



でも嫌われるとめんどくさいね。一人いた。男で嫌われてた人。仕事しないし、クレーム客やイカツイ客くると裏に逃げる社員。

見た目は天パーで歯がガタガタ茶色。挙動不審。挙動不審はいかんね。

女の子達からキモいって言われたね。

そのくせ、やたらカッコつけたがる。今度飯行こうよって女の子達よく誘ってたけど、あっさり断られてたね。


挙句には「あんたキモいよ」って女の子先輩社員に突っ込まれて、へこんでたね。しゃーない。


俺は誘ったりしなかったけど、女の子達がご飯や飲み会には誘ってもらってたから、行ける時は行ってた。まぁ付き合い程度で。恋には興味なかったからね。


あとね、ここの職場トイレが休憩室のすぐ側だから、女の子のトイレの音がすげー聞こえて嫌だったね。

出てきた時のあの気まずさ。

俺はいつも寝てるふりしてたけど、天パー野郎は俺に

「いやーすごい音。たまんねー」とか言ってた。

もおー、俺はこいつ変態天パー野郎だなーと救いようのない目で見ていた。


俺は女店長に「山くんは、この先店長とか目指してるの?」

と聞かれた。

そういえば、俺今まで目標がなかったなー。店長かー。

俺は黙っていた。

めんどくさいのが嫌で適当に生きてきたから。

そろそろちゃんとしないとやべーと感じ始めていた。

とりあえず店長に「どうしたいか考えてみます」と言った。

店長も「考えてみて、山ちゃんならみんなからの信頼もあるから大丈夫よ」

と言われた。


俺はその日家に着いて、靴下を脱いだ。とりあえず、あれです。くっさい。もうこの臭いは仕事終わった後のトドメですね。うわっくさ!俺の足。くさ。くさ…

何度か嗅いでいた。

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