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金で買えないもの  作者: チタマ
2/4

頑張った後の足の臭い


また無職になった。給料も24万もらうのが最後。とりあえず、24万あれば生きてけると思った。

俺はウキウキだった。まだこの頃は実家だったし、何も考えてなかった。

彼女からはまた仕事辞めたの?と言われた。

まぁ言われるわな。

俺はしんどいし、めんどくさいから辞めたと言ったら、しばらく連絡しないと言われた。


本当の事言ったんだけどな。

俺はその後、不動産屋に入社。これもまたうさんくさいパンチパーマの社長で金が好きそうなスマイルだった。


面接で金は好きか?家は好きか?女は好きか?と3点聞かれた。

どれも嫌いじゃないが「女は好き」と答えた。そしたら、いいノリだと言われ受かった。


なんかよくわかんねーけど、俺の受ける会社はどれもズレてる感じの人が面接だった。

それが不安でしょうがなかった。


そこの会社は二週間もった。俺なりに頑張った。でも何か付き合いがめんどくさかった。毎日パンチ社長の運転手して、行きたいスーパーとかでおつまみ買ってパンチ社長は家に帰る。昼間から家でつまみに酒飲んでた。俺はパンチ社長の車を駐車場に止めて、車の中で寝る。時間になると、降りてきて酒臭いパンチ社長を会社まで届ける。


俺はその後物件のチラシをコピーして、ポスティング。終わったらパンチ社長がみんなを連れて飲み屋へ行く。毎度の事で社員大半は理由を付けて来ない。

俺は暇だと思われて、パンチ社長に連れて行かれる。

助けてコールを先輩らに出してもシカトされる。

あぁウゼェ。そういう役回りで俺がいるのかと。


ある日もう毎日飲みに連れて行かれてクタクタだったんだよね。帰りは夜中だし、休みもなく朝早くからパンチを迎えに行く事に。


そろそろ断ろうと思っていたら、またパンチが誘ってきた。

「山下、今日も行くよ!山の上から下まで山下ー」

意味わかんねー歌歌い始めた。

俺は「今日は友達と会うので」

と断った。するとパンチは

「おう、その友達も呼べ!」

と言った。

何ぬかしてんだこのパンチは?と思った。

俺は「すいません、そういう友達ではないので」

と断った。

するとパンチは「お前、俺より友達か?まだ試用期間だぞ。いいのか⁉︎」と脅す様に言ってきた。


俺はあー、あーめんどくさいと思って

「はい。あなたより友達です。試用期間だからなんすか?って毎回飲みに行くのは仕事っすか?これって就業規則に入ってるすか?契約上問題ですよね?」


と言い返したらパンチは

「俺に何偉そう言ってたんだ、この野郎」と怒り始めた。私はめんどくせえが通り越し

「うるさいよパンチ野郎。ざけんなよ!まじで。お前今酒飲んでるよな。運転できないから俺に運転手させてるよな。俺はこの瞬間辞めます。車は知りません。あんたがどうにかしてくださいね」

と言って降りた。


するとパンチは慌てて「ごめん!ごめん!山ちゃん、そんな寂しい事言うなよー。」と泣き面になりそうで言ってきた。


俺は引いた。ええっ⁉︎てなった。もういい歳のおっさんがチューハイ片手に高級車の助手席から降りてきて泣き面。しかも口にはイカのカチカチのやつくわえてる。ごめんなさい、イカのおつまみの名前わかんないんだわ。興味なくて。

でもね、何かそんなおつまみまで口にくわえて、「待ってよ〜」とパンチ社長が言うからもう無理だと思い、そのまま家に帰ったよね。


その後はよくしらけど。電話も次の日、しつこく何度もあったけど、無視し続けたらかかってこなくなった。



無職だ。俺は何やってんだろうとふと、家の布団でぼんやり考えた。


不動産の仕事が決まっただけメールしてた俺は彼女から久々に連絡がきた。

内容は仕事頑張ってる?って事だった。

俺はその言葉の後にすぐに、「ああ、あれ、辞めたよ」と言った。

すんごい驚いてたね。


彼女からはまた辞めて忍耐力ないなど、やる気がないなど言われた。

ってかもうしばらく連絡しないんじゃねーのか?と思った。

彼女から次辞めたらあなたと別れると言われた。


俺は何そんなにイライラしてんだと思った。いいじゃない合わない仕事するより。と思っていた。

まぁでも、彼女の将来への不安もわからなくもない。


ちょっと頑張らないとなー。


それにしてもなかなかこれという仕事がパッと見つかるわけでもなく、とりあえずはアルバイトする事にした。


まず時給のいいアルバイトを探してみた。あったのはパチンコだった。


うーん、パチンコねぇ…。ねぇわ。と思いスルーしたがやはり時給が魅力的だった。

とりあえず電話したら、明日面接になった。うわー、勢いで明日にしちゃったよ、面接日。履歴書ねぇーし、写真もねー。めんどくさ。と思いながら、これも彼女への喚い挽回かと思い何とか履歴書を買い、写真を撮った。

証明写真はとりあえず、笑顔で撮った。よくよく考えたら、笑顔の意味は…?

やべ、笑顔じゃなくてよくないか?と思い、もう一回撮り直した。無駄に高い証明写真代払っちまったよ。

馬鹿だ俺。



とりあえず明日の準備に履歴書書いた。志望動機?んなもんねー。

時給が高いから、その分頑張りますと意味わかんない理由を書いていた。

クラブ活動で得たものとは?何でこんな事書くのよ。と思いながら、部活で得たものは筋肉と書いた。

流石の俺もこの履歴書はなめてる完全になめてると思い、書き直す気力もなくて、そのまま出す事にした。

あとは鼻毛チェックして、明日に備えた。


結局面接行ったんだけど、あまり履歴書見ないでいつから出勤出来ます?だけだった。何だあんまり履歴書見ないなら書く必要なくねー。と思った。


とりあえず、面接した日にフロアマネージャー2人と副店長に挨拶した。最初に挨拶したフロアマネージャー、鼻毛出てたな。もう1人のフロアマネージャーは常に困った顔してる気弱な人だった印象。副店長はハキハキきてたが、ズボン上げすぎじゃねーって印象だった。



何か楽そうかもと思った。

しかし、実際はパチンコやらない俺にはつまらない上に結構な激務だった。

だってね、パチンコの箱交換大変。ランプ光ったら空の箱持ってダッシュ!

何か知らないけど、パチンコって大当たりしてるといっぱい玉っころ出るんでしょ。よくわかんないけど、あれお金に換わるから、ノロノロ持ってくと、打ってるおっさん、おばさんに早くしてよ!ってめっちゃキレられる。


もぉーわけわかんね!そんなキレるなら最初っから空の箱持っとけボケ!箱ないなら箱持ってくるまで、手で持っとけボケ!と思うがそうもいかないよね。


最初はそう思ったけど慣れてきたらそう思わなくなったかな。でも積んでる箱足で蹴飛ばしてしまって、散らばった時ほど、うわーめんどくさいと思う事はない。しかも場合によって客もキレる。

わざとじゃねーよ。つーか積みすぎ。とっとと、何玉ってレシートでる変な機械に入れろっての!って思うけど、あれも一種の優越感なんだろうね。


俺いっぱい玉積んでまっせって。

俺にはわからん。とりあえず、通路が狭い。邪魔としか感じない。

最後玉っころを機械に入れて何玉でしたってレシート渡すんだけど、とりあえず、パチンコの満タンに入った箱ちょー重てー。腰いくね。腰やられる。しかも玉に運んでる時何玉か転がり落ちる。

打ってた人は必死に拾う。

まぁ金だからね。そこは本当にすいませんって思う。

色々あるんだなーって思った。でもしょうがないね。お客様第一だから。


あとね、テンパるのが台のトラブル。わかんねアレ。エラーのランプ、ピカってるけど、何がって感じ。とりあえず、玉つまりとかだから適当に中チラチラ見て無線で

「台のトラブルわかりません」って言って鼻毛マネージャーか弱気マネージャーに引き継ぐ。これが一番。

俺の担当の島はパチンコだった。

台の名前なんて覚えられなかったけど、最近はアニメとかもあるんだねー。びつくりだよ。


たまに人でいないとスロットも呼ばれる。目押ししてくれって。最初目押しって何だよって思った。

素でお客様の目を押すの?って思ってお客顔をじっと見つめてテンパった。目を押す…?痛そう。でもお客の目は押さないよな…。多分

その後は目押しボタンを探していたら、お客から「君もういいわ」と言われた。目押しって何?て思い、パチンコに戻った。

その時、新卒で入って二年目の割とかわいい女性社員から目押しを教えてもらった。名前は萩原さんだった。

俺からは一切聞くつもりなかったけど、なぜか率先して教えてくれた。


休憩の時、他の社員から「山下くん、何か萩原が山下くんの事かっこいいって言ってたよ」

と言われた。俺はいやいやー俺はクソですよーあっはっはっーと流していたが、

内心、いやそういうの無理なので 勘弁してくれと思った。

それは、彼女もいたってのもあったが、最近、彼女から次頑張んないと頑張んないとと、しつこく言われていて、少し萎えていた。だから今は女性関係は少し距離置きたいと考えていた。


1ヶ月ぐらい経って、初めて台交換があるから、できれば手伝って欲しいとの事だった。俺はそんなにめんどくさくないならいいかなって思ったら、意外にめんどくさかったわ。結局、深夜にトラックで来た、パチンコ台やスロット台をめちゃくちゃ中に運んだ。あとは取り付け業者が付けてた。もう、何あの作業。パチンコ屋の従業員すげーなって思った。


そりゃ時給いいよね。後の設定は社員がやってた。アルバイトは立ち入り禁止だって。よくわかんねーけど、全く興味なかったから早く帰りてーとしか思わなかった。

萩原さんが「山下さん、今日は終わったらそのまま帰りますか?」と聞かれた。

俺は「はい。明日早番だし、帰ろうかと思いますけど、何かありますか?」

すると萩原さんが「あ、いいえ、何でもないです」と言った。

明らか残念な雰囲気作ってるよな俺。ええっどうしろっての?

好意も何もない人に期待持たせるだけ、失礼だよな。俺からエサを巻くような事したらまずいと思い、

「そうですか。ではお疲れ様です。頑張って下さい」と言ってささっと逃げるように上がった。


その帰り、いつも一緒になるバイトリーダーが俺に「俺さ、ハッギーが好きなんだよね。もしその気なかったら手を出さないで欲しい」と言ってきた。


ハッギー?誰?はっ?と思った。詳しく聞くと萩原さんだった。いやー助かった良かった。どうぞどうぞって気分だった。

俺も「すいません、何か勘違いの様なのでちゃんと誤解を解いておきます。自分には彼女もいます。それに今は一人がいいと感じてるので。萩原さんに対して全く好意の目で見てないので安心してください。むしろ応援しますよ!早く実るといいですね!」と念を押した。


心の中では早く告白しろ!と願った。俺としてはある意味救われた。

もし、ちょっと面倒な空気があったらとりあえずバイト辞めようと思っていたからだ。


一言言えば、台交換は疲れた。でも、パチンコ屋のバイトも楽しくなり始めていたんだ。


家着いて靴脱いだら、今までにないほど足が臭かった。嫌だわ。この臭い。

こんな臭いもする様になったかとしみじみ感じた。


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