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(1)・5 皆々様による大運動会?




きゃ~~!


……そんな可愛らしいものじゃ済まされないよ、この状況。もう呆れと疲れと恐怖が合わさって何も言えない。

 私、走ってます。もう疲れた。

 師匠、走ってます。見た目疲れてないのが怖い。

 侯爵様、走ってます。目をぎらつかせて疲れ果てているように見えるのは歳のせい?

 メイドさん、走ってます。大きな足音を立てずに、顔は静かに。というか他の人はともかく、よく私について来れますね。

…私以外は誰かしらを何かしら考えて追いかけてます。つまり私が先頭。

いくら師匠でも本気を出した私の獣の足には勝てませんよね!そうであれ!


「待たんかーーっ!」


「………」


「お待ちください侯爵様」


皆が敵。味方は皆無。しかも私は誰に捕まっても終わりというかなり過酷になってる。

ちなみに、私>侯爵様>師匠>メイドさん、になって走ってます。

侯爵様は多分わかってるんだろう、師匠相手に勝てるわけがないことを。だから私に狙いを定めてさっきからあえて後ろを見ないのはそのためかも。

メイドさんはメイドらしく『蛇で歩き回るな』と言いたいんだろうな。

師匠が誰をターゲットにしてるかなんて言うまでもない。

だって、後ろの一人はともかく前方の一匹を、視界に入れてないことが、ありありとわかるから…。


すみません!すみません!

勝手に調合品使ってごめんなさい!こっそり製法を盗み見てごめんなさい!


「師匠の魔法具にこっそり触れてごめんなさい!」




チュドーーーンッッ!!




雷がー!!すぐ後ろで落雷が発生した!自慢の長い髪の先が焦げた!

止まったら、確実に殺される……!

とととりあえず師匠の見えないとこまで加速っ!どこかに隠れないと…。


「…お待ちくださいと申し上げておりますのに」


あれ?なんか、一人だけ声質が、変わってません…?

見るのすら恐ろしい師匠の後ろをゆっくりと振り返ってみると………なんか毒々しいピンクの巨大蛇がいた。


きもっ!


何あれ、とか、増えてる、とか、あれメイドさんだよね、とか、思うよりも色がまず気持ち悪い。

想像してみてください。蛇の頭から尻尾の先までにいくつもの薄いピンクの筋やところどころに赤の鱗、目は濃いピンクなどなど。

彩り気持ち悪すぎるてセンスも何もない。

しかも侯爵様よりではないけど、そこそこでかい。


「う……」


思わずよたついてしまったとき。



チュドーーーンッッ!!



…このまま走っていたら私がいたであろうところに、降ってきた。…何が、とは聞かないで。



「…楽に、逝かせてやる」



逝かす!?師匠手加減してますよね!!そうですよねっ!?

気づけば屋敷にいるであろう後者熊の召使達がおのおの独特な、個性的な、ぶっちゃけ気持ち悪い爬虫類姿で師匠の後ろにいた…。

何この追いかけっこは。





リィブの髪はふくらはぎまでの長さです。

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