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たかしちゃん  作者: 溝端翔
たかしちゃんと根波優子
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あとは服だったらチアの服も好き

「やればできるじゃない。じゃあ次なんの話する? 好きな色とか?」

「私は赤だなあ。リボンの色が一番好き。だけど服とかは黒とか白とか大人しめが多いかなあ。そういえば赤い服って持ってないかも」

「私は紫とか黒が好きだなー」

「きらなちゃんは黒とかのかっこいい服多いもんね。大人しいのも持ってるし似合うけど、やっぱかっこいい系がきらなちゃんには似合うなあ」


 かっこいい服を着ているきらなちゃんは本当にモデルさんみたいに見える。すっごくかわいいし、かっこいい。


「でしょ? 私可愛い系似合わないのよね。たかしちゃん知ってるでしょ。ことごとくたかしちゃんの服が似合わない私を」

「うん。似合わないってことはないけどなんか違うって感じがしちゃうんだよね」


 私の家できらなちゃんに私の服を着てもらった時、なんか違うってなった。どれを着ても、何を着てもなんか違うなあって。でもそれはそれで楽しかった。確かに私がきらなちゃんのかっこいい服を着たらちょっと違和感がある。大人しめのやつなら似合うんだけど。私はかっこいい服なんて持ってなかったから、きらなちゃんは最後まで不思議な感じになっていた。


「たかしちゃん。それを人は似合わないっていうのよ。で、優子はどんな服が好きなの?」

「違うよきらなちゃん。服じゃなくて色だよ。でも服も気になる」


 ゆうこちゃんはどんな服を着るんだろう。私の服とか、とっても似合う気がする。


「えっと。私、水色が好き」

「水色かー! いいねえ、可愛い系だね」

「それで、服はセーラー服みたいな大きい襟がついてる服と、短めのスカートが好き」

「ってことは制服好きなんだ!」

「うん。好き。」

「セーラ服可愛いもんねえ。きらなちゃんみたいなセーラー服は?」


 きらなちゃんのセーラー服は胸当てがなくて胸の谷間が見えている。いつも先生に怒られてるのにきらなちゃんは頑なに直そうとしない。私だったら絶対無理だなあって思う。怒られるのも嫌だし、胸を見られるのも恥ずかしい。


「流石に胸は出せないし恥ずかしいかな……」

「でもあんた以外と胸大きいじゃん。見せたらいいのに。たかしちゃんは控えめだから隠しておこうねー」

「むっ」


 いいもん。控えめでちょうどいいんだもん。


「私、胸大きいのちょっとコンプレックス……。男子に見られるし、恥ずかしい」

「いいじゃん! 見せなさいよ。誇りを持ちなさい。麗夏みたいなぺったんこもいるんだから」

「あ! れいかちゃんに言ったろー。またバカにしてるー!」

「今のは違うわよ! 今のは違う! ね? たかしちゃん」

「んー、審議だね」

「たかしちゃあん」


 きらなちゃんが机を乗り越えて私の顔にすりすりしてきた。ふふふ、もう、仕方ないなあ。


「ゆうこちゃんは他にどんなものが好きなの?」


 きらなちゃんにすりすりされながら私はゆうこちゃんに質問した。


「えっと、あとは服だったらチアの服も好き。お腹は出るけど可愛いの」

「あんたチア部だもんね」

「チア部? チアってあのチアガールの?」

「うん。二年になってからはほとんど行ってないけど」

「ってことは運動神経いいんだー。いいなあ。私運動音痴なの」

「びっくりするくらい運動音痴よ」


 かちーん。むむむ。


「もー! きらなちゃん! そんなに言わなくてもいいじゃんかー!」

「あははー、失敬失敬」

「なんで部活行かなくなったの?」

「芽有ちゃんたちが行かなくなったから。楽しいから本当は私は行きたいんだけど……」

「確かあのグループ全員チア部なんだっけ」


 そうなんだ、みんなチア部なんだ。


「人のこと応援するのかいじめるのかどっちかにしろっての。ねえ? ……あ。ごめん」

「ううん。いいの。本当にそう思うから。でも。もう芽有ちゃんたちには嫌われちゃったし、今度から一人でも部活行こっかなって思ってるの。チア、楽しいから」

「行きなさい行きなさい。今度見に行ってあげるわ。ね、たかしちゃん」

「うん! 天文部のない日なら見に行きたい!」


 チア部ってどんなことするんだろう。なんか踊ったり飛んだりするんだよね。私はできないけど、見るのは楽しそう。


「うん、恥ずかしいけど。頑張るね」

「だんだん慣れてきた? 言っとくけどあんたが返事するまで私たちは話しかけるし、もう友達だと思ってるんだからね」

「そうだよー。もうお友達だよ!」

「うん、ありがと」


 ニコッとゆうこちゃんが笑ってくれた。私は胸がきゅんとした。


「ねえ、他は? 他に好きなことはないの?」

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