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たかしちゃん  作者: 溝端翔
たかしちゃんとお泊まり
221/274

英語で、スーパータマオブラザーズと表示された

「美味しかったね。私たちで作ったカレー!」

「うん! じゃがいもなくなっちゃったけど美味しいね」

「じゃがいもって溶けるんだねえ」

「ねえ、知らなかったな」

「ねえ、この後何する? まだ二時半だよ」


 まだっていうか、もう二時半かあ。後四時間くらいできらなちゃんとお別れだ。お家に帰らなきゃいけない。


「何しよっかあ」

「ゲームでもする? 私の部屋でもできるし、ここの部屋でも出来る」

「ゲームかあ、私ゲームってほとんどやったことないんだよね。天はよくゲームやってるけど」

「じゃあタマオしよ! 面白いよ、待ってて、ゲーム機持ってくる。」


 きらなちゃんはリビングを出て自分の部屋にゲーム機を取りに行った。


 しばらくして戻ってきたきらなちゃんは線とかゲーム機とかいっぱい抱えて降りてきた。


「わあ、なんか持つ?」

「大丈夫大丈夫。ちょっと待ってね、接続するから」


 きらなちゃんはテレビの前にゲーム機を置いて、テレビの裏に線を持って顔を突っ込んだ。

 すごいなあ。私には全然何やってるのかわかんないや。


「よしささった。後はコンセントに挿してー。完了っと。はい、コントローラー持って」


 きらなちゃんにコントローラーというものを渡された。左側に矢印が四つと、右側にAとかBとか書かれたボタンが四つくらい、あとコントローラーの上にも右と左に一つずつボタンがある、スタートとセレクトと書かれたボタンもあった。とにかくいっぱいボタンがあった。


「じゃあタマオやろ。まず私がやってみせるね。コントローラー貸して」

「うん」


 テレビをつけて、ゲームのスイッチを入れると、画面が浮かび上がった。英語で、スーパータマオブラザーズと表示された。


「よーし、じゃあまずは私から」


 突然ゲームが始まった。左下にいるのがタマオだろうか。右に左に動いている。


「この左下のがタマオね。今動いてるやつ」

「うん」

「右か左に動かして、ゴールを目指すのよ」


 きらなちゃんはどんどんタマオを右に進めていった。すると、キノコみたいな何かが現れた。


「きらなちゃん、このキノコみたいのは……」

「ふむのよ」


 ぽこっと音がして、タマオに踏まれたキノコはペシャンコになった。びっくりした。友達か何かかと思ったら、いきなり踏んづけた。


「こうやって、敵が出てきたら踏んづけるのよ。わかった?」

「わかった」


 キノコは敵なのか……。友達とかは出てこないのかな。


「で、このブロックは下から叩くとアイテムが出てきたりするからね、こうやって」


 きらなちゃんはタマオの頭で下からブロックを叩いた。すると、中からキノコが出てきた。


「そのキノコも踏んづけるの?」

「ううん、これはパワーアップキノコだから取るのよ。そしたらほら。タマオがおっきくなります」

「本当だ! ちょっとおっきくなった!」


 なるほどなあ、歩いてくるキノコは踏んづけて、出てきたキノコは取るのかあ。

 きらなちゃんはどんどん右へと進んでいった。ブロックを壊したり、キノコを踏んづけたり。あ、亀さんだ。と思ったら亀さんは踏まれて甲羅だけになった。甲羅だけになった亀さんをタマオは蹴飛ばした。するーっと右に甲羅が滑っていって見えなくなった。


「亀さんも踏んづけるの?」

「そうだよ。亀も敵だからね」

「敵なのかあ。可愛いのになあ」

「可愛くないよ。あいつは厄介なのよ」

「厄介なの?」

「跳ねて帰ってくるからね。ほら」


 右に滑っていった甲羅が右から戻ってきた、きらなちゃんは上手にジャンプしてその甲羅をまた踏んづけた。甲羅はその場で止まった。


「壁にあたったら跳ね返ってくるのよ。危ないったらないわ」

「じゃあ蹴飛ばさなかったらいいんじゃない?」

「確かに。でもそこにいたら倒したいじゃん」

「そういうものなのかあ」

「でー、ほら、右の方に見えるでしょ? 旗が」

「旗、三角の? 長―い棒のやつ?」

「そうそう、この旗を取ったらゴールなの。そいっと」


 軽快な音楽と共にタマオがゴールした。


「おー、ぱちぱちー」

「はい、次たかしちゃんの番」


 きらなちゃんがゲーム機のボタンを押した。テレビ画面が一瞬真っ暗になってまたタマオの画面がついた。


「えええ、私もやるの?」

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