英語で、スーパータマオブラザーズと表示された
「美味しかったね。私たちで作ったカレー!」
「うん! じゃがいもなくなっちゃったけど美味しいね」
「じゃがいもって溶けるんだねえ」
「ねえ、知らなかったな」
「ねえ、この後何する? まだ二時半だよ」
まだっていうか、もう二時半かあ。後四時間くらいできらなちゃんとお別れだ。お家に帰らなきゃいけない。
「何しよっかあ」
「ゲームでもする? 私の部屋でもできるし、ここの部屋でも出来る」
「ゲームかあ、私ゲームってほとんどやったことないんだよね。天はよくゲームやってるけど」
「じゃあタマオしよ! 面白いよ、待ってて、ゲーム機持ってくる。」
きらなちゃんはリビングを出て自分の部屋にゲーム機を取りに行った。
しばらくして戻ってきたきらなちゃんは線とかゲーム機とかいっぱい抱えて降りてきた。
「わあ、なんか持つ?」
「大丈夫大丈夫。ちょっと待ってね、接続するから」
きらなちゃんはテレビの前にゲーム機を置いて、テレビの裏に線を持って顔を突っ込んだ。
すごいなあ。私には全然何やってるのかわかんないや。
「よしささった。後はコンセントに挿してー。完了っと。はい、コントローラー持って」
きらなちゃんにコントローラーというものを渡された。左側に矢印が四つと、右側にAとかBとか書かれたボタンが四つくらい、あとコントローラーの上にも右と左に一つずつボタンがある、スタートとセレクトと書かれたボタンもあった。とにかくいっぱいボタンがあった。
「じゃあタマオやろ。まず私がやってみせるね。コントローラー貸して」
「うん」
テレビをつけて、ゲームのスイッチを入れると、画面が浮かび上がった。英語で、スーパータマオブラザーズと表示された。
「よーし、じゃあまずは私から」
突然ゲームが始まった。左下にいるのがタマオだろうか。右に左に動いている。
「この左下のがタマオね。今動いてるやつ」
「うん」
「右か左に動かして、ゴールを目指すのよ」
きらなちゃんはどんどんタマオを右に進めていった。すると、キノコみたいな何かが現れた。
「きらなちゃん、このキノコみたいのは……」
「ふむのよ」
ぽこっと音がして、タマオに踏まれたキノコはペシャンコになった。びっくりした。友達か何かかと思ったら、いきなり踏んづけた。
「こうやって、敵が出てきたら踏んづけるのよ。わかった?」
「わかった」
キノコは敵なのか……。友達とかは出てこないのかな。
「で、このブロックは下から叩くとアイテムが出てきたりするからね、こうやって」
きらなちゃんはタマオの頭で下からブロックを叩いた。すると、中からキノコが出てきた。
「そのキノコも踏んづけるの?」
「ううん、これはパワーアップキノコだから取るのよ。そしたらほら。タマオがおっきくなります」
「本当だ! ちょっとおっきくなった!」
なるほどなあ、歩いてくるキノコは踏んづけて、出てきたキノコは取るのかあ。
きらなちゃんはどんどん右へと進んでいった。ブロックを壊したり、キノコを踏んづけたり。あ、亀さんだ。と思ったら亀さんは踏まれて甲羅だけになった。甲羅だけになった亀さんをタマオは蹴飛ばした。するーっと右に甲羅が滑っていって見えなくなった。
「亀さんも踏んづけるの?」
「そうだよ。亀も敵だからね」
「敵なのかあ。可愛いのになあ」
「可愛くないよ。あいつは厄介なのよ」
「厄介なの?」
「跳ねて帰ってくるからね。ほら」
右に滑っていった甲羅が右から戻ってきた、きらなちゃんは上手にジャンプしてその甲羅をまた踏んづけた。甲羅はその場で止まった。
「壁にあたったら跳ね返ってくるのよ。危ないったらないわ」
「じゃあ蹴飛ばさなかったらいいんじゃない?」
「確かに。でもそこにいたら倒したいじゃん」
「そういうものなのかあ」
「でー、ほら、右の方に見えるでしょ? 旗が」
「旗、三角の? 長―い棒のやつ?」
「そうそう、この旗を取ったらゴールなの。そいっと」
軽快な音楽と共にタマオがゴールした。
「おー、ぱちぱちー」
「はい、次たかしちゃんの番」
きらなちゃんがゲーム機のボタンを押した。テレビ画面が一瞬真っ暗になってまたタマオの画面がついた。
「えええ、私もやるの?」




