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たかしちゃん  作者: 溝端翔
たかしちゃんとお泊まり
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わあ、お人形さんみたいなお肌になってる!

 きらなちゃんの真似をして、ぺちぺちと手のひらで化粧水を塗り込むように塗った。


「うんうん、そんな感じそんな感じ。手でね、十秒くらいこうやってじーっと抑えるといいわよ」


 ほっぺたをじーっと抑えた。いち、に、さん、し、数を数える。なんだかお肌が綺麗になっていく気がする。


「はい、次は乳液っていうやつを塗ってきます。これも化粧水と同じように塗ってくれていいからね」


 乳液も化粧水と同じようにぺちぺちしたりじーっとしたりして塗り広げた。


「はい、これでスキンケアは終わりです。次はベースメイクね、たかしちゃんは私がやってあげるからね。綺羅名も言われた通りにやること」

「お、お願いします」

「はーい」

「じゃあまずは、日焼け止め。これはお肌が太陽で焼けないようにするために大事なものです。けど、今日はもうお外にも出ないし、夜なのでつけません。お外に出るときは必ず日焼け止めを塗ること、いいですか?」

「はーい」

「はーいってあなた塗ってないの知ってるんですからね?」

「バレてる。たかしちゃんは日焼け止め塗ってる?」

「ううん、塗ってない」

「もう、二人とも、そんなことだと大人になった時にお肌が大変なことになっちゃうよ?」

「それはやだなあ。塗るようにしまーす」

「し、しまーす」


 日焼け止め、買いにいかないと。いくらくらいするんだろう。


「じゃあ次、日焼け止めの次は化粧下地です。これです。綺羅名のはそれね」

「これです」

「ほお、これかあ」

「これを顔に塗っていきますねー。はい、たかしちゃんこっち向いてー」

「はい」


 きらなちゃんのお母さんが、手際よく、化粧下地を私の顔に塗っていく。なんだかマッサージされているみたいで気持ちがいい。


「化粧下地終わりです。うんうん、いい感じ。次はファンデーションを塗っていきます。日焼け止め、化粧下地、ファンデーションの順番ね」

「ファンデーションは厚塗りしすぎないように気をつけてね、特に目元とか口元はより薄くを心がけて」

「はーい」


 はあい。と心の中で返事をする。ちょうど口元を塗ってもらっていたから返事ができなかった。


「次は、コンシーラーでシミとかニキビとかを消していきます。でも二人とも綺麗だからほとんど必要ないかもね」


 きらなちゃんのお母さんはちょんちょんとニキビにコンシーラーを塗ってくれた。


「そして最後にフェイスパウダーです。今回はこのルースパウダーを使うわね。これでキュッと決めるのよ」


 大きな太い筆見たいな柔らかいものにパウダーをつけて、顔を撫でていく。ちょっとくすぐったい。えっと、日焼け止め、化粧下地、ファンデーションは薄め、コンシーラーで隠して、最後にフェイスパウダーを塗る。よし、覚えた。


「ほら、どう?」


 きらなちゃんのお母さんは私に鏡を向けてくれた。


「わあ、お人形さんみたいなお肌になってる!」


 全然いつもと違う。白くって綺麗でするんとしてる。


「これがメイクです。すごいでしょう?」

「すごいです! わあ、きらなちゃん上手! いいなあ」

「へへ、毎日やってるからねー。たかしちゃんも毎日やれば上手になるよ!」

「毎日かあ、大変そうだなあ」


 まずはメイク道具をあつめないと。今度きらなちゃんに買うのついて来てもらおうかな。


「次はアイメイクです。もっと変わりますよ。びっくりするくらい」

「た、楽しみです!」

「まずはアイブロウ。眉毛。なんだけど……たかしちゃんの眉毛はちょっと太めでかわいいからそのままにしようと思います」

「へ、変じゃないですか? 私眉毛太いのちょっとコンプレックスです。でも剃ったら先生に怒られるから剃れなくて」

「いいじゃない。かわいいわ。私は好きよ? ねえ綺羅名」

「うん! 私も好きー。かわいい」

「そっか、よかったあ」


 私はお父さんに似て眉毛が太いんだよね。かわいいって言ってもらえると自分の眉毛が好きになれる。うれしい。


「じゃあ次はアイシャドウになります。これはいろんな色があって服に合わせたりもできるからいろんなものを試すのがいいと思います」

「綺羅名ちゃんはいつも赤いのつけてるよね」

「うん、かわいいからお気に入りなんだー」

「私も赤いのがいいです。きらなちゃんとお揃いがいい」

「じゃあ赤いの塗りましょっか。あんまり濃く塗りすぎるとケバケバしちゃうから、塗りすぎないように様子を見ながら塗ってくださいね」

「はあい」

「よしよし、それで、アイシャドウが終わったら、ここで登場、アイライナー。このアイライナーで本当に目が変わるからとても大事です」

「はい」

「たかしちゃんはどんな目がいい? かわいい目とか、かっこいい目とか」


 うーんっと。


「私、綺麗な目になってみたいです」

「綺麗な目かあ、イメージはどんな感じ?」

「えと、お姉さんみたいな……あ、きらなちゃんのお母さんみたいな目がいいです」

「なるほどねえ、つり目ね。わかったわ。じゃあちょっとだけつり目にしてみましょうか。目開けてじっとしててね、瞼に書くから、瞬きしないように」

「は、はい」


 私は頑張ってじっとした。目にグッと力を入れた。


「ふふふ、そんなに力入れなくて大丈夫よ。リラックスして。はい、終わり。じゃあ次はこれ。ビューラーって言うのよ。まつ毛をカールさせる道具なの。また今度使い方教えてあげるから、今日は私がやるわね」

「お願いします」


 まつ毛を挟むようにできた、ハサミみたいな道具で、私の目から生えているまつ毛を挟んでは離し、挟んでは離しを繰り返した。


「うん、いい感じ、じゃあアイメイクの最後はマスカラね。これをまつ毛に塗っていきます」

「はい」


 まつ毛にマスカラが塗られていく。こそばゆい。動かないようにじっとしていた。


「さ、最後はリップとチークね。リップは直接塗るより指につけてぽんぽんってつけてグラデーションをつけると自然になるわ。こうやって。ぽんぽんぽんて。うん、いい感じ。チークはこんな感じでほっぺたに自然になるようにやんわり塗って。完成よ。どう? 顔、みてみたい?」

「はい! みてみたいです」

「はい、どうぞ」

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