たかしちゃんってさ。ピーラー見たことある?
炒める。
水を入れ、煮込む。
ルウを入れる。
煮込む。
「シンプルね。じゃあとりあえず切って行こうか。その前に皮むきか。包丁でできるかな」
「ピーラーとかないの?」
「ピーラー? なにそれ」
「皮剥くための道具だよ。どっかに探せばあるかも。私お野菜洗ってるからきらなちゃん探してみて」
「おっけー、探してみる」
私は野菜を袋から出して、水できれいに洗っっていった。きらなちゃんはいろんな引き出しを開けてピーラーを探している。
「たかしちゃんってさ。ピーラー見たことある?」
「うん、あるよ」
「私ね、今気づいたんだけど。ピーラー見たことないからどれがピーラーかわかんないんだよね」
あ、そっか。
「だからね、交代しよっか」
「そうだね。でも勝手に開けちゃったりしていいのかなあ」
「いいよいいよ。私が許可するから」
「わかった。じゃあ探してみるね。こっちに置いてあるのは洗ったやつだから」
「はいはーい」
私はきらなちゃんと交代してピーラーを探した。ピーラーはすぐに見つかった。引き出しの中に一つだけ入っていた。
「きらなちゃん、ピーラー見つけたよ」
「お、やったじゃん。何個あった?」
「一つだけ……」
「じゃあ、じゃがいもの皮むいて。私にんじんの皮剥くから。たかしちゃんじゃがいも担当ね」
「はーい。ゴミ袋は?」
「えーっとねえ、確かこの辺に……。ないな、わかんないや、とりあえず流しで剥いちゃって、後でまとめて捨てよ」
「そうだね」
「たかしちゃんがじゃがいも剥いてる間私玉ねぎやるわ」
「うん、お願い」
「あ、ザルある?」
「あるよあるよ。流石にザルはここにっと、あったあった。はい、どうぞ」
「ありがとう」
私は流しでじゃがいもを剥き始めた。きらなちゃんは隣で玉ねぎの皮を剥いている。どんどん流しの中が野菜の皮で溢れてきた。ザルには剥いたじゃがいもを入れていった。
「これ水流れるかなあ」
「出さなきゃ平気でしょ。それよりじゃがいも剥けた? 玉ねぎは全部剥けたよ」
「今最後の一個、これで終わりー」
最後のじゃがいもを剥いてザルに入れた。
「よーし、じゃあ次、ジャガイモ切ってくれる? まな板はそこでー、包丁はここに入ってるから」
「わかったー」
まな板と包丁を取り出して、まな板の上にじゃがいもを置いた。右手には包丁を持っている。
「きらなちゃん、どれくらいの大きさに切ったらいいかなあ」
「んー、どうだろパッケージには書いてない?」
私はカレールウのパッケージを見返してみた。でもそこには野菜を切るときのサイズは書いていなかった。
「書いてないねえ。どうしよっか」
「大きいとスプーンで掬いづらいから小さくする? 食べる時も大変だし」
「確かに、大きいと一口で食べるの大変になるもんね。一口で食べられる大きさにしよっか」
「うん、そうしよ。他の野菜もそれくらいの大きさにしよっか」
「そうだね。じゃあ切るね」
「お願いしまーす」
私はじゃがいもを一センチ四方の大きさに切った。細かく切るのは結構時間がかかった。
「切ったじゃがいもどうすればいい?」
「んあー、あとは炒めるだけだからお鍋の中入れちゃえば?」
「なるほど。そうするー」
切ったじゃがいもは全部お鍋の中に入れていく。お鍋にはじゃがいもがたくさんになった。




