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たかしちゃん  作者: 溝端翔
たかしちゃんとお泊まり
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内緒って言わないってことは本当にしてないかあ

「わー、可愛い。かっこいい! でもきらなちゃんお腹出てるよ?」

「出てるんじゃなくて出してるのよ。これは部屋着というよりはおでかけ着ね。お出かけの時とか、たかしちゃん家行く時とか。おめかしした時に着るわね。今度たかしちゃん家に着て行こうか?」

「うん! でも、いつも思ってたけどお腹痛くならない? お腹冷えそう」

「全然大丈夫! ほら触ってみ。あったかいでしょ?」


 きらなちゃんはお腹を突き出して私に触らせた。


「本当だ、あったかい。じゃないよう、このままずっといたら冷えるかなあってお話だよ。それにしても、きらなちゃんってお腹ほっそいねえ。なんでこんなに細いの? 鍛えてないんだよね?」

「うん、鍛えてないよ?」


 きらなちゃんのお腹は細い。なんなら筋肉がうっすら見えるくらい細い。私もまだ細い方だと思う。でも腕と脚は私と同じくらいなのに、お腹だけはこんなに細くてとても羨ましい。


「夜中にはカップ麺食べたりしてるしねえ。なんで細いんだろうね」

「羨ましいなあ。私もお腹細くなりたい」

「何、細くなってお腹出したいの?」

「出したくはないけど、細くなったらなあって」

「どれ! 触らせてみー!」


 きらなちゃんが私の着ている服を捲ってお腹をフニフニした。きらなちゃんが私の上に覆いかぶさって、逃げれないようにされた。


「わー! あはは、ちょっときらなちゃん、くすぐったいよう! ちょっと、きらなちゃん!ストップストップー!」

「ふう、なるほど、確かにちょっとぷにぷにしてるわね。でもこんなもんじゃない? 別に太ってないし、可愛いくらいじゃん。女子は細い方が羨ましいって思うけど、男子は細いよりちょっと太ってるくらいの方が好きらしいよ?」

「そうなの?」

「って聞いたことがあるわ。忠もそうなんじゃない? 聞いてみ? それかお腹触らせてみ」

「触らせないよ! ばかばか!」

「まあそんなえっちなことはしないかあ。で、本当にえっちなことしてないの?」


 きらなちゃんが覆いかぶさったまま聞いてきた。


「し、してないよう」

「内緒って言わないってことは本当にしてないかあ。忠に迫られたりしない?」

「うん、しないよ。いつも楽しく遊んでる」

「でも、ちゅーはしてるんでしょ?」

「だからー、内緒だってばあ」

「なるほどねえ、健全ねえ。忠もやるわね。見直したわ」

「もう、そんなのいいから次着替えなさい!」

「はいはいはい。着替えまーす!」


 きらなちゃんは私の上から降りて服を脱いぎ、落ちていたTシャツをきた。


「うーん、これは普通ね。遊びが足りないわ」


 確かに、さっきの服に比べると普通だった。でもかわいい。きらなちゃんに似合っている。これならお腹が痛くなる心配もない。おとなしいと思う。足がこんなにも出ているのにおとなしいと思うのは私の感覚が麻痺しているんだろうか。私もこの短パンを履いて外に出れるかな。出れる様になったらニーハイが履ける様になるのにな。


「でも、かわいいよ? おとなしくっていいと思う」

「まあ、部屋着って感じね。次はー、履いてないやつだっけ。でもたかしちゃんきてるからー、別の履いてないにするわね」


 箪笥から大きめのTシャツを取り出した。


「ほら、見て! これも履いてない服なんだよ!」


 大きめのTシャツが、ミニスカよりも短いワンピースみたいになっていた。やっぱり私には着れないような気がするけど、きらなちゃんには似合っていてかわいい。


「本当だあ、きらなちゃんに似合うなあ。ねえ、本当にこの服私に似合ってる?」

「似合ってるよ! すっごい似合ってる! ちょっとたかしちゃん立って、私の横きて?」

「うん、よっしょっと。こう?」


 きらなちゃんの横に立った。鏡を見ると、履いてないみたいな二人が立っていた。きらなちゃんは可愛かった。すごく似合ってるし、かわいいし。私は……どうだろう。かわいい。服はかわいい。でも、似合ってるのか、よくわからない。


「ほらね、似合ってる。私と並んでも違和感ないもん。とっても似合ってるよ」

「そうかなあ。似合ってるかなあ」

「似合ってるよ! 私が言うんだから信じて! その服、あげよっか?」

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