もうだめ、きらなちゃん、やめて……死んじゃう……
きらなちゃんはながあい縞々の靴下を持ってきてくれた。私は、今履いている靴下を脱いで、きらなちゃんの靴下を履いた。靴下は膝の上まであって、ニーハイソックスだった。
「ニーハイだあ。私、タイツとかは履くけどニーハイは履かないんだよねえ。見える丈のスカート履かないから、タイツと変わんないし」
「めっちゃ可愛い。さいっこう。たかしちゃんと私の服の趣味真逆でよかったわ。だってこんなに楽しんだもん。普段見られないレアなたかしちゃんがみれてめっちゃいい。本当に服貸してあげるからさ、今度忠とデートする時きてごらんよ。びっくりすると思うよ?」
「で、デートって……。おうちでお話しして遊ぶだけだよう」
「お家デートでしょ? デートじゃん」
「そっか。デートになるのか……。わあんばかばか、そう考えたら次会うのが緊張しちゃうよう」
「もう遅いわ。でもなるほどね、ニーハイの可能性考えてなかったわ。さっきの履いてない服にも絶対似合うわよね……。ちょっと、さっきの履いてない服に着替えてちょうだい」
「履いてない服ってあのスウェットの長いやつだよね。短パン見えなくなるやつ」
「そうそう、履いてない服っていうのよ。まあ実際は履いてるんだけどね」
私はさっき着ていたその履いてない服にもう一度着替えた。
「あはは、かっわいい。たかしちゃんめっちゃ可愛い。ええー、めっちゃ楽しい」
「私もきらなちゃんが楽しそうだし、お洋服も色々着れるしとっても楽しいよ」
鏡には普段絶対に着ない履いてないみたいな服を着て、ニーハイを履いている。恥ずかしいけれど、いつもと違う可愛さがある。私自身は可愛くないけれど、この服はとっても可愛い。ニーハイ、いいなあ。かわいいなあ。でも、ニーハイ履くなら足出さないといけないんだよなあ。でも膝は隠れてるし大丈夫かな……。
ミニスカート、挑戦してみよっかなあ。ニーハイ履いたら恥ずかしくないかも。
「他にも色々あるけどどうする?」
「今度はきらなちゃんが着てるとこ見たいなあ」
「私が?」
「うん、きらなちゃんのファッションショーして」
「よーし、ならそうしよっか、とりあえずたかしちゃんに着せたやつからきていくかあ」
「あ、きらなちゃん、ちょっとこの服このまま着ててもいい?」
短い服を着る訓練がしたかった。自分でもニーハイが履ける様になりたい。
「いいよ! 気に入った?」
「うん、ちょっと気に入ったかも……恥ずかしいけど」
「いいじゃんいいじゃん」
きらなちゃんはお腹が出ているオーバーオールに着替えて見せてくれた。
やっぱり、私よりもきらなちゃんが似合う。
「きらなちゃんとってもかわいい。似合ってる!」
「でしょー!」
きらなちゃんは決めポーズをとった。
ちょっとおかしかった。れいかちゃんに初めて会った時のことを思い出した。私は決めポーズがツボなのかもしれない。
「ふふふ、変なかっこ」
「変な格好じゃないわよ! 決めポーズよ! セクシーなの行く? ほれ、どう?」
「あははは。それセクシーなの? おかしいよう」
「じゃあこれは?」
「ふふふ、あはは。もうだめ、きらなちゃん、やめて……死んじゃう……」
やっぱり、決めポーズ取られるとおかしくって笑っちゃう。
「ちょっと、笑いすぎでしょ? もう、なんでわかんないかなあ……」
「はぁ、はぁ、面白かった。ふう、じゃあ次! 次のお洋服!」
「はいはい」
きらなちゃんはオーバーオールを脱いで、短パンを履こうとした。
「あ、短パンたかしちゃんが履いてるんだった」
「あ、そうだった。脱ぐ?」
「ううん、いいよ。まだあるから」
きらなちゃんは箪笥の中からもう一着短パンを出した。短パン、何着持ってるんだろう、でもきらなちゃんはよく短パンかミニスカート履いてるからなあ、やっぱり五着くらい持ってるんだろうか。でも私はワンピースたくさん持ってるからいっぱい持ってて当たり前か。私が短パン履かないから変に思うだけだ。
「じゃーん!」




