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たかしちゃん  作者: 溝端翔
たかしちゃんと部活動
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私は今、とても幸せだ

「綺羅名先輩は彼氏作らないんですか? 欲しいならすぐにでも作れそうですけど」

「私別にそんなにモテないわよ。告白とかされたことないし。それに、今は学校が楽しいからね、彼氏は欲しいけどまた今度でいいのよ」

「奥手だねえ」

「何? 麗夏、なんか言った?」

「何にもー。あ、サッカー部とか見にいく?」


 れいかちゃんが悪い顔をしている。


「見に行かないわよ! 用もないのに! さ! 帰るわよ!」


 その号令にならって、みんなが校門に向かって歩き始めた。あっという間に校門について、ひびとくんたちとはお別れの時間になった。


「合宿お疲れ様っす。じゃあ、俺たちはこっちなんで、また次の部活で会いましょう!」

「うん、ひびとくん、そらくん、あーるちゃん、お疲れ様。またね」

「まったねー。私は多分冬かな。それまで忘れないでね」

「忘れません!」

「ふふ、嬉しいなあ」

「じゃあっす!」

「ばいばーい!」


 私たちは校門の前で別れて帰路に着いた。


「楽しかったねえ。もう終わっちゃったね」


 れいかちゃんが少し寂しそうにしている。


「うん、楽しかったー! 今度は星座盤の見方ちゃんと予習しておかないとね」


 私はそんなれいかちゃんの寂しさを吹き飛ばすように元気に返事をした。


「そうだね。冬は何座があるかなあ」

「冬の大三角形があったはずよ!」

「冬にも三角形あるんだ!」

「それは絶対見つけたいね。秋と春にもあるのかなあ?」

「どうだっけね、忘れたわ。それよりこの後みんなどうするの?」

「このあと? 何にも考えてなかったなあ。帰るのかと思ってた」

「でもまだ九時半くらいよ?」

「そうなんだよねえ。どっかで遊ぶ?」


 合宿が終わってそのあと遊ぶなんてそんなのいいの?

 楽しすぎるよう。


「それもいいねえ。どうせなら次のプールの水着買いに行ってもいいかなって思ってるけど」

「あ、いいねえそれ。あ、だけど私お金持ってきてないや。今気づいた! 忘れ物!」

「ふふふ。お金使わなくってよかったねえ」

「でもそっかあ、いい案だと思ったんだけど、買い物はまた今度ね」

「そだね」

「じゃあ金子さん行って、たかしちゃんの家で女子会でもしますか」

「ふふふ、うちでいいの? 公園とかじゃなくて?」

「うーん、どっちでもいいけどな」

「私たかちゃんの家がいいな。昨日はあんまり遊べなかったし」

「じゃあたかしちゃん家行こう! その前に一回私返っていい? 着替えたいし」

「じゃあきらなちゃん家寄ってから私の家帰ろー。公園で待ってるよ」

「わー、ありがとう」


 こうして、私の初めての部活動の合宿が終わった。でも楽しことはまだまだ続く。今日はこの後金子さんに行って、私の部屋で女子会をすることになった。楽しい時間がずっと続く。多分、夏休みが終わるまで、楽しいイベントがいっぱい続くんだと思う。それは夏休みが終わっても、きっと続く。私は学校に行きたいと思った。行くかどうかはまだわからないけれど、学校に行きたいと思っている。登校日になるまでは、私にもわからない。学校に行けるのか、行けないのか。

 でもそれはどっちに転んだっていい。私にはきらなちゃんがついてるから。ただしくんもついている。それに遠いけれどれいかちゃんもいる。私は一人じゃない。どこにいても、私は一人じゃない。

 楽しい日々が、これからも続くのは、とても楽しみで、とても幸せなことだと思う。


 私は今、とても幸せだ。


「二人とも、いつもありがとう!」

「何、急に」

「ううん、ちょっと思っただけ!」


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