本当に、私はきらなちゃんのことが大好きだ
「部活、楽しかった?」
「うん、楽しかった」
「そか、よかった」
「来年もまた泊まろうね」
そっか、また来年もあるんだ。
来年になったら新しい後輩も入ってくるのかな。
そういえば、星見先輩は卒業だけど、干柿さんは大丈夫かな。
って、人のこと心配してる場合じゃないか。私も学校どうにかしなきゃな。でも、今、あんまり怖くない。学校にいるのに、昨日もあんまり怖くなかった。もしかしたら、行けるのかもしれない。
「ねえきらなちゃん、私が学校に来たら、嬉しい?」
「そりゃ嬉しいよ! 嬉しいし、遅刻も絶対しないしたかしちゃんから離れないよ!」
「ふふふ、ありがとう。嬉しい。きらなちゃんは頼りになるね」
「そうでしょうとも、私を頼りなさい。いつでも、どこでもね」
学校、行ってみようかな。
「私、夏休み終わったら、学校、行ってみようかな」
「ほんと? 怖くない?」
「ちょっと怖い。けど、ちょっとだけだから。頑張ってみよっかなって」
「なんか、私の方が心配になってきたよ。本当に大丈夫?」
「昨日、きらなちゃん、私が学校に来やすくなるように、教室に連れてってくれたでしょ?」
「な、なんのことかなあ」
きらなちゃんは分かりやすくとぼけた。
「教室に入るの、ずっと怖かったけど、でも昨日入ってみて、そんなに怖くないなって思ったの。クラスメイトが誰もいなかったからかもしれないけど、でも、それでも怖くないって思えたのはとても嬉しかった。これなら学校に行けるかもって思えたの。私、学校生活送りたいんだ。お家で過ごすのも楽しいけど、学校に行って、勉強をして、お友達と遊んで、って、したいの。今までちゃんと学校生活をしたことないから。それがね、きらなちゃんがいれば出来るんだ。きらなちゃん頼りになっちゃうけど、私、学校生活がしたい」
きらなちゃんの私の手を握る力が強くなった。
「私、もうインフルエンザとか絶対かかんない! もう一生休まない。だから私はずっとたかしちゃんのそばにいるよ。もしどうしても離れないといけない時は、無理矢理でも忠連れてくるから。でも、絶対そんな時なんてないくらい、私がんばるよ!」
「きらなちゃん、ありがとう。でも、まだわかんない。夏休み終わったら急に行きたくなくなるかもしれない。そうなったらごめんね」
「そうなったら、またたかしちゃんの家に遊びに行くから問題ないよ」
「そっか、ありがと、きらなちゃん。私、きらなちゃんのこと大好き」
「私も、たかしちゃんのこと大好きだよ」
私たちはハグをした。とても幸せな気持ちになった。私は一人じゃない、それだけでとても勇気づけられる。
本当に、私はきらなちゃんのことが大好きだ。




