カップラーメンとかすごい美味しいのよ
「私はたかしちゃんの隣がいい」
「えー、じゃあ、反対側の隣私―。たかちゃんの隣―」
「うん、いいよ! 一緒に寝よ!」
やった、二人が隣で寝てくれる。あ、でもあーるちゃんはどうするんだろう。女の子人だけだから、絶対隣が男の子になっちゃう。
「あんたたちはどうすんの?」
「私たかしちゃん先輩の上がいい!」
あーるちゃん!
「でもあんたそれだと男子二人に挟まれちゃうことになるわよ?」
「いいですよー別に。ひびとくんもスカッチも友達だし。ね?」
なんか、あーるちゃんから感じる圧力がすごく強かった。
「うんうん、アールがいいなら全然いいよ」
「僕も」
「じゃ、いっか。てか、布団ちょうどでよかったね」
「足りなかったら私きらなちゃんと同じ布団で寝てたから大丈夫だったよ」
「あ、そっか、一緒に寝ればいいのか。ま、足りたし問題ないけど。そういや先生は? てか先生の分ないじゃん」
本当だ、先生の分がない。どうするんだろう。いつもみたいに椅子で寝るのかな。
ってあれ?
いつの間にか先生がいない。
「どうせ椅子の上で寝るんでしょ」
ふふ、綺羅名ちゃんもおんなじこと考えてた。
「先生戻ってきたら電気消してもらおっか。それまで寝転んでお話してよー」
「そういえばもうこんな時間なんだね。時間見たら私眠たくなってきちゃった」
時計は十時四十七分を指していた。私は目を擦りながら布団の中に入った。みんなも一人一人と布団の中に入って上を向いたりうつ伏せになったりした。私は上を向いて寝転がった。
「たかしちゃん、早寝はいいけどせっかくだから夜更かしを楽しむわよ?」
「う、うん、多分……」
「これはもう少しも持たなそうね」
「大丈夫だよう、今眠くなってきたところだもん」
「たかちゃんいつも何時に寝てるの?」
「十時くらい」
「早っ!」
れいかちゃん以外が声を上げた。
「まあそれくらいだよねえ。私もそれくらい。夜更かしはあんまりしないわ」
「いやいや、十時は早すぎっすよ」
「そうですよ、十時は早すぎますよ」
「だって、眠くならない? 私、九時すぎたら眠くなってきちゃうよ」
「いや、ならないっす。全然ですね。その時間はまだゲームとかしてるっす」
「私も、テレビ見たりしてる。深夜の番組って面白いの多いんですよ?」
「私あんまりテレビ番組見ないの。いっつもお部屋で縫い物とかしてる。それかお勉強」
「今度見てください。火曜の深夜二時からやってる『UMAを追え!』って番組です」
「に、二時かあ。絶対寝てるなあ。あーるちゃん二時まで起きてるの?」
「二時から始まるので実質三時くらいまでは起きてます」
「わあ、すごいなあ、ね、れいかちゃん」
「うん、私も十時には寝るからなあ。部活で疲れちゃうし、勉強して寝るって感じかなあ」
「だよね、私は部活で疲れてないけど……」
「なんであんたたちそんな早く寝るのよ、夜は一番楽しい時間なのよ?」
「夜更かしなんかするからきらなちゃんは遅刻するんだよ?」
「た、たかしちゃんどストレートにくるわね……。で、でもね、テレビも楽しいし、ご飯も美味しいし、最高なのよ?」
「えええ? きらなちゃん夜中にご飯食べてるの?」
夜中にご飯なんか食べたら絶対太っちゃう。
「嘘? 本当に食べてるの?」
「食べてるわよ? カップラーメンとかすごい美味しいのよ」
「なんでそんな細いの?」
私なんて最近ずっとおうちにいるからかお腹がぷにぷにしてきたのに。
「きらちゃん、水泳やめたんでしょ? その頃から全然体型変わってないけど……」
「私、太らないんだよねえ……なんでかしんないけど。全部胸に行ってるのかもしれないわ」




