日々人くんは知ってますよ。見せましたもん
「にゃっ!」
「どう? 成長した?」
「し、してないよう。もうばかばか、えっち」
「してないかー、私に追いつくまでにはまだまだね」
「私のうち、お母さんもおばあちゃんも小さいから、多分そんなに大きくならないと思う……」
「遺伝ね、なるほどね。じゃあこっちはどうだー!」
今度は下着姿のれいかちゃんに後ろから抱きついた。
「わっ、きらちゃん何すんの!」
「成長具合の確認―。全然成長してないわね。一年の時から変わんない気がするわ。つるぺたねえ」
れいかちゃんの顔がむっとした。
「どうせ私は貧乳ですよーだ」
「まあまあ、貧乳もいいじゃん、貧乳好きもいるよきっと」
「いないよそんなの。おっきい方がいいに決まってんじゃん。きらちゃんみたいに!」
れいかちゃんはきらなちゃんの胸を鷲掴みにした。そのままもみもみしている。
「いやん。もう、そんなことしても分けてあげらんないよ?」
「もう、ばかにして。引っ張ったら取れないかしらこれ」
「こらこらこら、そんな引っ張ったらダメでしょ」
ふふ、本当に取れそう。もしかしたら取れちゃうかも。
「じゃあ最後は……アルちゃん!」
「ふにゃっ」
あーるちゃんが服を脱ぐのを待って、後ろからきらなちゃんが抱きついた。
「わっ、何これ」
「ど、どうしたの、きらなちゃん」
「みて、これ」
「わあ、おっきいねえ」
あーるちゃんの胸は、きらなちゃんと同じくらい大きかった。
「あんたこんなにおっきかったのね」
「制服着てたら意外とバレないんですよ」
「いや、本当気づかなかったわ。大きそうだなあとは思ってたけどここまでとはね。あんた、モテるでしょ」
「全然モテないですよー、胸がおっきくてもモテないです。あはは。かわいくないからですかねー」
「麗夏、ちょっと分けて貰えば?」
れいかちゃんはきらなちゃんをチョップした。
「意外ね、日々人とか知ったら飛びつきそうね」
「日々人くんは知ってますよ。見せましたもん」
「えええ?」
私たち三人はびっくりして大きな声が出た。漫画みたいに目が飛び出るかと思った。
「もしかして……」
「あ、はい、スカッチもみてますよ」
淡々と言いながらあーるちゃんはパジャマに着替え始めた。わ、私だってただしくんに見せてないのに。あーるちゃん、なんで見せたんだろう。どう言う関係なんだろう。
「あんたたち、どう言う関係?」
「ふふふ、嘘ですよ」
え?
「ええ?」
「だから、嘘ですってば。そんなことしませんよ。そんなに簡単に見せたりしません。健全なお友達です」
う、嘘かあああ。びっくりしたああ。ドキドキしたあ。
「な、ななななんでそんな嘘つくのよ! びっくりするじゃない」
「ふふふ、ちょっとした悪戯ですよー。急に抱きつかれたから仕返しです」
「こっわい嘘つくわねえ。あんたそんなキャラだったのね」
「ただの火星人好きと思われたら困ります!」
「いや、変な嘘はやめなさい、なんかこっちが変な気持ちになるから」
「はーい。あ、本当に見せてないですからね? 触らせてもないですからね?」
「念を押されると逆に怪しくなってくるわ……」
「あはは、じゃあもう何も言いません。そんなことより早く着替えないと男子入ってきちゃいますよ」
私たち三人は下着姿のまま立ち尽くしていた。
「おーい、吉良ー、着替え終わったかー?」
外から細谷先生の声が聞こえてきた。
「ほらほら、早く着替えないと。私はもうバッチリです」
もうすでに火星人柄のパジャマをあーるちゃんは着ていた。




