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たかしちゃん  作者: 溝端翔
たかしちゃんと部活動
162/211

たまに満点取るくらいっす

「じゃ、消しまーす!」


 ぱちっ。という音とともに、天井に星空が現れた。綺麗な星空だ。夏の大三角形はどこだろう。


「麗夏、ちょっと上向いて、うんうん、よし。目、開けていいよ」


 ぱっちりとれいかちゃんの目が開く。


「うわー! すご! 何これ! 星空じゃん!」

「凄いでしょ! これが昼でも見られる星空よ。もう夜だけど」

「凄い凄い! 天文部ってこんなのあったんだ。知らなかったー!」

「昔の人が作ったらしいの。何年前かは知らないけど。凄いわよねえ」

「ねえきらなちゃん、ここにも星座とかあるのかな?」

「いや、ないでしょ。だって絶対適当だし。どれが一番星かもわかんないし」

「そっかあ、残念だなあ」


 ここにも星座があったら楽しかったのにな。


「じゃあ、自分たちで星座作るってのはどうっすか?」

「お、日々人にしてはナイスアイデアね。じゃあねえ、あの星から、あの星まで繋いでって、横に二本伸びてーはと座!」

「ど、どれどれ?」

「だからー、この星からー!」

「ふふふ、きらなちゃん、この星がわかんないよう」

「だああ! 全然ダメじゃん。無理無理! 星座を作るなんて無理よ!」

「あははは」


 着信音のような音楽が突然鳴った。


「ふにゃっ」

「わっ、びっくりしたー」


 私もすごくびっくりした。心臓が止まるかと思った。


「なんだ。電気消えてるじゃないか。また吉良か。好きだなあ。じゃあ先生は弁当取りに行ってくるから。教室で待っててくれ」


 着信音のような音楽は先生のアラームの音だった。先生は起きて、お弁当を取りに行った。


「先生、まだ麗夏のこと気付いてないね」

「うん、やっぱり怒られるかなあ」

「そりゃそうでしょ、参加の紙も出してないし。ていうかそもそも他所の学校だし。ねえ」

「大丈夫、私怒られる覚悟出来てるから」

「れいかちゃん不良だー」

「あははー、まあこんな髪型の子と友達だからねえ。不良にもなっちゃうわ」


 れいかちゃんはきらなちゃんの髪を撫でながら言った。


「おい! 私は不良じゃないわよ! ちゃんとテストの点数だっていいんだから!」

「きらなちゃん頭いいもんねえ」

「まあね! 漢字は苦手だけど……。あんたたちはどうなの?」

「私は普通かなあ。良くも悪くもないってかんじ。勉強より水泳のこと考えちゃうし」

「水泳ばかね。日々人は?」

「あ、俺はたまに満点取るくらいっす」

「はあ? 満点?」


 凄い、満点なんてとったことない。


「いやあ、天文部って活動ほぼないんで家で勉強してるだけなんっすけどね。なんか頭いいみたいっす」

「頭いいみたいっすじゃないわよ。あんたかしこだったのね。意外すぎるわ」

「あ、でもテスト終わったらほとんど忘れてるっす」

「よし、それでいいのよ」

「そらは?」

「僕は普通くらいっす」

「あるちゃんは?」

「私は勉強苦手ですー。本当に教えて欲しいくらいです。この前のテスト数学二十三点でした……」

「なるほどねえ。いいわ、今度教えてあげる。後輩が困ってるんだもん、助けなきゃね。ね、たかしちゃん」

「え、ええ?」


 私?


「何言ってんのー、たかしちゃんも教えてあげるのよ。できるでしょ? す! う! が! く!」

「で、できるけど、教えたことないから出来るかわかんないよ?」

「大丈夫、たかしちゃんなら出来るわ」

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