表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たかしちゃん  作者: 溝端翔
たかしちゃんと部活動
153/211

なんだろう?

 それから何度も忠くんはゴールを決めていた。相手のシュートを手で止めていた。すごくかっこよかった。ぬいぐるみを見てるただしくんはかっこいいけど、可愛いんだって思った。


 今何時だろう。もうずっとただしくんを目で追っかけている。休憩時間になってもただしくんはこっちにきてくれなかった。部員のお友達と話して笑っていた。そんな姿もかっこいいって思った。私って、本当に、気づけばただしくんのことが好きになってたんだなあって思った。


「ねえ、私サッカー見に行ってきていい?」


 れいかちゃんがこそっと聞いてきた。


「きらなちゃん怒んないかなあ?」

「もうそろそろ大丈夫じゃないかなあ、むしろ誰かいたほうが安心するかもと思って」

「そっか、じゃあ私も」

「ああ、いいよいいよ。たかちゃんはただしーみてな。たかちゃんただしー見るのすごい楽しそうだし。また戻ってくるから。じゃ、私行ってくるね」

「そ、それなら、待ってるね。ちゃんと戻ってきてね?」

「うん、ちゃんと戻ってくるから安心して。それにここにはただしーいるし安全でしょ」

「そっか、そうだね。じゃあまた後でね」

「うん、行ってくるね」


 れいかちゃんは体育館から出ていった。私は一人になってしまった。でも、ただしくんがいる。大丈夫、怖くない。


 ダン。ダン。ダン。


 キュッ。キュッ。キュッ。


 体育館にバスケ部員の声とボールと靴の音が鳴り響く。見ているうちにだんだんルールがわかる。ことはなかった。全然ルールがわからないまま試合が流れていく。ハイタッチしたり。悔しがったりする人もいる。とりあえず、ボールが入れば嬉しくて、ボールが入らなければ悔しいってことはわかった。


 多分、ていうか絶対?


 多くゴールにボールを入れた方の勝ちなんだよね。


 ピーっと顧問の先生が笛を吹いて全員が集まった。


 先生が何かなはしている。

 もう練習は終わりかな?


 結構長く見ていた気がする。

 わかんないけど多分二時間くらい?


 先生が話し終わって、部員同士でザワザワとし始めた。何だかこっちをチラチラ見ている気がする。今はパンツは見えてない……よね。うん、見えてない。一体何だろう。


 すると、ただしくんが部員の塊の中から押し出されるように出てきた。


 なんだろう?


 ただしくんがこっちに来る。その後ろにぞろぞろと部員の人たちもついてくる。


 な、ななななんだろう。みんな背が高い。怖い。


「よ、ようたかし。れ、練習見にきてくれてありがとう」

「う、ううん。ルールはわかんないけど、楽しかったよ。聞きたいんだけど、輪っかにボールが入ったら一点?」

「いや、そこの線の中からのゴールが二点で、その線の外からのゴールが三点」

「ほう、なるほどお。また今度詳しくルール教えて! 私バスケットボール覚えたい」

「い、いいぞ。教える教える」

「それと、頭どうしたの? 何つけてるの?」

「ああ、ヘアバンドか? 前髪が邪魔だからこれで抑えてるんだよ」

「ふうん、そうなんだ」

「こ、こんなもんでいっすか?」


 ただしくんは後ろを振り返って部員の人たちに話しかけた。


 なんだろう?


「いや、ダメっしょ、もっとちゃんと紹介してよ」

「そうそう、先輩差し置いて彼女いるとか許し難いし」

「えっと、俺の、彼女っす」


 私は部員の人たちに紹介された。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ