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たかしちゃん  作者: 溝端翔
たかしちゃんと部活動
138/210

それ五倍盛りなの

「はいはい、そんな手はいりません。どけましょう。ふーん、たかしちゃんいい体してるじゃん。胸はちょっと小さいけど」

「うっ」


 私はより隠すように腕で胸を覆った。


「うんうん、しっかり生えてるようね。大人の証だわ。私だけだったらどうしようってちょっと不安だったけど、よかった」

「うう」


 股間も手で隠す。見られたくない。見られてもいいけど、でもやっぱり見られるのは恥ずかしい。


「でね、たかしちゃんさ。いつもスポブラでしょ。私の、カップ数が違うからうまくいくかわかんないけど、ほら、つけてみ?」


 きらなちゃんの、花柄の大人がつけるようなブラを手渡されて私はつけてみた。


「わあ!」


 いつもより胸が大きく見えた。


「いいでしょ、それ五倍盛りなの、谷間が強調されるでしょ。たかしちゃんもこういうのつけたらおっきく見せれるわよ」

「そっか、だからきらなちゃんのお胸ちっちゃくなったように見えたんだ」

「そうそう。ってかやっぱりそんなこと考えながら私の胸みてたのね」

「う、うん」

「まあ流石に私でも自前だけじゃそんなに谷間できないしねー。セーラー服の隙間から見せたいからこれ使ってんの。今度たかしちゃんのサイズにあったやつ買いにいく?」

「う、羨ましいし、いいなって思うけど、おっきくなるのもそれはそれで恥ずかしい」

「まあいいならいいんだけど。忠は? デカいのかちいさいのどっちが好きなの?」

「そ、そんなこと知らないよう」

「流石にまだちゅー止まりか。まあたかしちゃんだしね。もし買いたくなったら言って、おすすめの店連れてってあげるから」

「うん、ありがとう」


 私はきらなちゃんの少し大きなブラジャーを外して洗濯カゴに入れた。


「さ、背中の流しあいでもしますかー。ほらほら、入るよー」

「う、うん」

「いつまで隠してんのさ! 女同士でしょ!」

「で、でもお」

「つめたっ」


 きらなちゃんがシャワーを出したら水が出た。最初の方がいつも水が出る。最初から暖かいのが出ればいいのにっていつも思う。冷たいシャワーがかからないようにきらなちゃんが離して持っていると、シャワーはどんどん温かくなってきて、湯気がお風呂場に立ち込めてきた。ちょっと体を隠さなくても恥ずかしくないかなって思ってきた。


「うわああばば」


 きらなちゃんが私の顔にお湯をかけてきた。

 シャワーを独占された。これはしまった。


「あはは、ずぶ濡れー」


 きらなちゃんは私の顔目掛けてずっとシャワーをかけてくる、もう胸や股間を隠すことになんて構ってられない。私はきらなちゃんに捕まってシャワーを奪い取ろうとした。


「ふふふ、そう簡単に渡すと思ったか」


 きなちゃんはするりとくぐり抜けて、私にシャワーを浴びせ続けた。私はもうしっかりとぐっしょり濡れていた。


「はいつぎ、たかしちゃんかけてー」

「むうー! おりゃー!」


 私はきらなちゃんの顔めがけてシャワーをかけた


「あははは、あったかーい」


 きらなちゃんは楽しそうに笑っている。何でだ、私はむっとしたのに。きらなちゃんは楽しんでる。


「ふわー、おっけーおっけー。もう十分濡れたから、髪洗おう」

「おりゃー!」


 私は無視をしてきらなちゃんにかけ続けた。


「こらー! たかしちゃんこらー!」

「ひゃ」


 私の胸をきらなちゃんが鷲掴みにした。


「髪洗うって言ってるでしょーがー!」


 胸を揉まれてしまった。もうお嫁に行けない。きらなちゃんが貰ってくれるだろうか。あ、でもただしくんとちゅーしてるし。どうしよう。どっちと結婚しよう。


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