それがお泊まり会のルールだよ?
「ばかあ! んもう、きらなちゃあん。どうしよう、隠してたのに」
「大丈夫よ、どうせバレてたから」
「えええ?」
「だってたかしちゃん、忠と会った次の日とかデレデレなんだもん。バレバレよ。気付いてないのは天くんくらいのもんよ」
「ううう、だって、幸せだったから」
でもそんなにデレデレしてるかなあ。そんなつもりないけどなあ。いつも通り!って感じなのになあ。
「多分ね、たかしちゃんのお母さんにはちゅーしてる事もバレてるわ」
「ええええ、う、嘘だあ」
「本当よ」
「なんでー? 隠してたのにい!」
なんでなんで?
なんでバレてるの?
もしかしてこっそり見られてたとか?
うわああん。やだあ、恥ずかしいよう。
「ふふ、やっぱり隠してちゅーしてたのね」
「あう。ばかあ。きらなちゃんが引っ掛けたー!」
「ふっふっふ、私にかかればこんなもんよ」
「ばかあ」
でもよかったあ。お母さんにバレてないんじゃん。ふう。
安心したところでドタドタ階段を上がって天が戻ってきた。
「あ、お風呂上がったよー」
そしてまたドタドタと自分の部屋に消えていった。
「だから! 戸を閉めなさいって言ってるでしょー!」
「あはは。天くんは元気ねえ。……よっし、じゃあお風呂入ろっか」
きらなちゃんがベッドから立ち上がって振り返った。きらなちゃんの癖っ毛の金色ツインテールがフワッとなる。
「……え?」
「え? じゃないわよ。お風呂入ろっかって言ってるの」
「い、一緒に入るの?」
「そりゃそうでしょ、それがお泊まり会のルールだよ?」
「お泊まり会のルール? そ、そうなんだ……」
お泊まり会なんてしたことなかったから知らなかった。そんなルールがあったんだ。
まあ、でも、きらなちゃんは女の子だし。恥ずかしいけど、楽しそうだからいっか。
わ、でも、忠くんがお泊まり会に来たら?
そしたら一緒に入らないといけないの?
お泊まり会のルールだって言ってた。うう、それは流石に恥ずかしすぎるよう。
「なに忠のこと考えてもじもじしてるのたかしちゃん。そんな事してないで着替えを出すのよ」
「は、はあい」
きらなちゃんはカバンから、私は箪笥からパジャマを取り出して下の脱衣所に向かった。今日のパジャマはイチゴ柄にした。パジャマは五着持っている。いつも違うパジャマを着ると気分が上がる。
「よっしょっと」
きらなちゃんは平気で服を脱ぎ始めた。お胸が大きい。と思ったら、下着を外すと少し小さくなった。
「なに? どうしたの? 私の胸そんな気になる? ちょっと待ってね。ほら、たかしちゃんも脱いで脱いで」
きらなちゃんにどんどん服を脱がされていく。いつの間にか二人は脱衣所で裸ん坊だった。でも、脱衣所だからそれが当たり前か。何だかよくわからない。とにかく恥ずかしい。
私は胸と股間を手で隠すように立っていた。




