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幕間 魔王直下構成員【魔王軍】

※ 以下に語られるのは、この作品世界の根幹に関わる設定ではあるが、あくまでも世界をより詳しく理解するためのソースデータなので、あえて読まなくても構いません。

※ こういった要素が好きな方のみお楽しみください。


●魔王軍とは:

 【魔界】とは、一般に考えられている【異世界】ではない。

 後の時代になると【テラ・ラレース】と呼ばれる超大大陸の、中央部付近――、レムルス大内海に在るレムルス群島、その本島と小群島を示す名前である。

 この付近は、極めて魔力域が活性化しており、その影響を受けて人間が魔法的な進化、いわゆる【魔族化】を起こしておりそういった種のことを【魔族】と呼ぶのである。

 そこそこ広い海によって隔てられ、それ故に一部文明的な断絶の起こっている両者は、昔からその外見的・能力的な違いから、相容れない存在と勝手に解釈されてそのための争いが起こっているのである。そういった不幸なすれ違いを正そうとしたのが【慈悲王】であった。

 さらに、その時代に魔族達の政治的なまとまりも完全なものとして成立し、それが先の戦争における政治組織としての【魔王軍】の基盤となっているわけである。

 魔族とは基本的に戦闘的な民族であり、それ故に政府も軍事的な組織としての側面が強く出ている。いわゆる純粋な【文官】は存在せず、【文官将軍】でも前線で戦える能力と役割を持っているのである。

 これ以降は、魔界の政府組織であるかつての【魔王軍】についての解説を行う。


●魔王軍幹部=魔将軍について:

 【魔将軍】とは、先代魔王の頃よりある魔界の政務や守護を司る、有力氏族の長によって構成された魔王軍内の役職である。

 戦士と魔術師の区別が比較的曖昧である魔族や魔物においては、武官、文官共に戦場へと出る可能性を秘めている。このため、いわゆる人類圏で言う純粋な政治家【大臣】も、魔王軍では【魔将軍】と呼んで半ば統合されて扱われる。

 【魔将軍】とは、本来は魔界の各所の土地に封ぜられる守護代官である【武官将軍】、特に魔王城などにあって政務を司る【文官将軍】、それらを統括する最上級幹部【三元帥】、更に下にある雑事ごとに任命される【雑号将軍】、それらを補助する【准将軍】すべてを指す言葉である。

 単純に【三元帥九公二十七卿八十一士】と定員が定められているが、戦争当時は戦死などによって一部に空席が存在していた。


★三元帥【司軍元帥】【司政元帥】【司建元帥】:

 名を呼ぶ時は【~公】と呼ばれる。正式には【元帥魔将軍】と呼ばれる魔王軍最高幹部。

 あくまでより下位の魔将軍の指揮を司り、そのために純粋な実力的にはそれらに劣るものも多い。

 当時、先代【司政元帥】【司建元帥】が魔王への反逆を理由に粛清されて以降空席となり、軍事を司る【司軍元帥】がそれらの役割も兼任していた。これこそが、当時の魔王政治が軍事偏重になっていた最大の要因である。

 【司軍元帥】は魔界後方にあって、魔王の命令に従い各戦略を決定する役割を持つ元帥魔将軍である。直接戦闘はほぼ行わずある程度の武官であることは求められるが、魔王軍最強の存在ではない(実際、武官としての実力はガルンテルに明確に劣る)。あくまで戦略・戦術家であり、要は魔王軍最高司令官である魔王の、軍事方面の軍師とも呼べる存在なのである。

 【司政元帥】と【司建元帥】は、それぞれ魔界全土の政治関連、土地に関する各種政務関連を司る元帥魔将軍であった。当時は空席であり、軍事関連の最高幹部である【司軍元帥】がその役割を兼任していた。

 当時の【司軍元帥】は竜頭神族(ドラコニアン)である竜樹連剣ヴァレオン公。


★武官将軍【魔旗将軍】【剣征将軍】【楯鎮将軍】【撫軍将軍】:

 名を呼ぶ時は【~公】と呼ばれる。専門的に軍事に関わり直接的な運用もなされる魔将軍。

 いわば魔王軍における最上位戦力に与えられる称号であり【戦略兵器】と同義に扱われる。

 【魔旗将軍】は前線における全軍司令官、【剣征将軍】は遠征における軍司令、【楯鎮将軍】は防衛における軍司令、【撫軍将軍】は後方支援における軍司令である。

 直接的戦力としての各魔将軍は、【魔旗将軍】は魔王軍における最強の切り札、【剣征将軍】は常に侵略戦争の最前線にあって敵を屠る役割の戦術的戦力、【楯鎮将軍】は魔王城の最終防衛線の守護者、【撫軍将軍】は戦況全体を見て魔王軍の隙を塞ぐように動く遊撃的戦力となっている。

 当時の【魔旗将軍】は呪霊族(メイガニス)の死呪魔剣ギルベルタ公、【剣征将軍】は戦鬼族(オゥグル)の長柄魔斧ガルンテル公、【楯鎮将軍】は魔巨神族(ディヴァタイタル)の重神鉄槌ルゥゼブエル公、【撫軍将軍】は牛鬼人族(カウレィス)の双児魔斧ウロマリット公が、それぞれ務めていた。


★文官将軍【司祀将軍】【司衛将軍】【司法将軍】【司外将軍】【司匠将軍】:

 名を呼ぶ時は【~公】と呼ばれる。専門的に政務に関わり、場合によって戦場でも補助的運用がなされる魔将軍。

 直接戦闘を行わない魔術師系の幹部による構成であり、魔法戦闘において最強クラスの術師も多い。

 当時、先代【司祀将軍】【司外将軍】が魔王への反逆を理由に粛清されて以降空席となり、魔王自身その存在を軽視しているために新しい候補も決まっていなかった。

 【司祀将軍】は魔界全土の魔力域鎮守組織【鎮守祀庁】の長官、【司衛将軍】は魔王直属の近衛武官【特務衛士】の指揮官、【司法将軍】は魔界全土の犯罪摘発組織【鎮安法軍】の総司令官、【司外将軍】は人類圏との外交を司る【外務政庁】の長官、【司匠将軍】は魔界技術の研究開発やそれらの製作、さらには販売まで統括する【中央研究室(ラボラトリ)】の室長である。当時、【司祀将軍】と【司外将軍】は空席であり、その直轄組織自体も半ば解体された状態にあった。

 直接的戦力としての各魔将軍は、【司衛将軍】は魔王直属の武力執行官、【司法将軍】は魔界内部の反乱分子を粛清する対内戦力、【司匠将軍】は軍へ提供される各種魔術具や新型武具等の開発者(本当の意味で直接戦闘はほぼしないわけである)となっている。

 当時の【司衛将軍】は種族不明である影の騎士、【司法将軍】は牙獣人族(ルゥガル)の魔牙短剣アドラバール公、【司匠将軍】は智龍神人族(オゾ・ドラゴニュート)の双頭魔龍杖マギルヴァナル公が、それぞれ務めていた。


★雑号将軍:

 名を呼ぶ時は【~卿】と呼ばれる。魔王や三元帥の政策によって、その都度【准将軍】から選ばれ成立する魔将軍(最大二十七名)。

 なお、呪霊将軍ドゥフトボルケは【術技将軍】としてこの階位に位置していた。特に決められた固定役職は存在せず、結構適当に成立する魔王軍幹部である。

 当時、ヴァンドレイク王国を攻めていた総司令官は【剣征将軍】ガルンテルではなく、正確にはこの地位にある牙獣人族(ルゥガル)の【征西将軍】ベルナリード卿である。

 この地位にいる者は複数存在するが、現状はドゥフトボルケ、ベルナリード以外登場する予定はない。


★准将軍:

 名を呼ぶ時は【~卿】と呼ばれる。定員八十一名の最下級幹部。必ずしも定員いっぱいまで存在するわけではない。

 要は上位の魔将軍の補佐をするとともに、【雑号将軍】に任命するための要員でもある魔王軍幹部なのである。

 この地位にいる者は複数存在するが、現状はネームドキャラクターは登場する予定がない。



●構成種族:

 魔王軍を構成するのは、人間と祖を同じくする【魔族】と、それ以外の【魔物】である。そのうち、いわゆる【魔物】は相当数の種類があるために説明し切ることは不可能である。以上の理由で今回は【魔族】に限定して構成種族を説明する。

 なお【魔物】は種族ごとにレベルが決まっている存在であるため、前提としてそのレベルに見合ったそれ相応の【魔将軍】に従う【補助的戦力】と定義されている、ということだけ説明しておく。

 いわゆる【魔族】とは、十二種の【源流氏族】に与えられた名称である。彼らは先に示した通り人間と同じ祖先を有して、クラスシステムによる【星神加護】を持つ存在である。

 すべからく人間並に知能が高く一定の文明を有している魔界生命の最上位種族である。人間とほぼ同じである魔法に関する文明を持ち、それ以外の文明的な技術も似ているために、過去のある地点で枝分かれした同一種であると考えられている。特に、魔界と呼ばれる地方――、俗に言うレムルス本島とその小群島、は魔力域が異常に活性化しており、その影響を長く受けることで外観から魔力的な進化を遂げた種であると考えられている。これは、ただの人間であっても、この地方で代を重ねることで【魔族化】する可能性を示しており、星神世界全土が同じ状況になったら、人間もまた魔族へと変化するであろう事を示唆している。

 以下は源流十二氏族の各種説明である。


魔身原種(ディアボル)

 勇者が討伐した魔王、およびその先代【慈悲王】の氏族。

 極めて人間に似た外見を持つが、明確に人間とは違う魔力の親和性を持つ魔族。

 その人間との区別法は、感情が高ぶった時に全身に魔力紋が出現するかどうかである。

 各種才能値が高く、それ故に基本能力値も【星神加護】による上昇値も異常なほど高い氏族で、言ってしまえば種としては勇者ローとほぼ同一の能力を持つ。

 ただ、種族としての特別な能力を持たず、少数氏族でもあるためめったに魔界以外で見ることはない。

 魔族における【魔王】として立つことの多い魔界最強氏族。


竜頭神族(ドラコニアン)

 頭部が竜である全身に竜鱗を持つ魔界上位氏族。

 専門戦士でなくとも戦士としての高いポテンシャルをもち、頭脳も全氏族の中で最上位に位置するほど聡明である。

 時に【魔王】になることも在る氏族であり、それ故に【魔身原種】とも肩を並べる存在である。


智龍神人族(オゾ・ドラコニュート)

 頭部が竜であるところは【竜頭神族】と同じであるが、胴体部もより竜に近い外見を持つ氏族。

 【竜頭神族】に若干劣る程度のそこそこ高い身体能力をもつが、その最大武器はどの氏族をも越える高い知性である。

 特に彼らは頭脳を使って戦うことに誇りを持ち、運動能力をあえて育てないという氏族としての考え方があり、戦士系のクラスに覚醒しても魔術師として生涯を生きるというある意味無駄なことを行う。それ故に、総じて彼らは魔術師のみの氏族であると考えられている。


魔巨神族(ディヴァタイタル)

 全長が5mを超える巨人氏族。一見頭が悪い戦士系氏族であるように見えるが、総じて高い頭脳をもつ万能氏族である。

 戦場での重要戦力に数えられ、戦術兵器的な運用がなされる氏族。その圧倒的な力は、それに対抗する戦闘魔像の開発技術が人類圏で異常発達した理由にもなっている。

 戦士だけでなく普通に魔術師も存在するため、巨人故に頭が悪いという思い込みは危険である。


戦鬼族(オゥグル)

 魔界の戦闘種族の代表格。総じて優秀な戦士であるが、魔術師も一応存在する(ただ戦士としての修練も積んでいる)。

 頭部に角を持って、いわゆる【鬼】といえば彼らのことを指す。魔族戦士としての代表的能力を持ち、もっとも【魔装練身】の扱いを得意とする氏族でもある。

 いわゆるガルンテルはこの種族のリーダーであり、それ故に【戦鬼将軍】の異名を持つ。


呪霊族(メイガニス)

 長い耳を持つエルフや魔女的外見を持つ氏族。無論、男性も存在している。

 【智龍神人族】には劣るが、かなり優秀な魔力への適性と発達した魔法文明を持ち、ある意味魔法といえば彼らという感覚で考えられている。

 なにより【智龍神人族】は明確な少数氏族であるゆえに、【呪霊族】こそが魔界魔法技術の祖であると言える。

 ドゥフトボルケと【魔旗将軍】ギルベルタの所属する氏族。なぜ上司であるギルベルタより、ドゥフトボルケのほうが【呪霊将軍】の異名を持つかは、人類圏との戦争においてそれほど頻繁に使いっ走り扱いされ、本人は不服であろう活躍をしているのが原因であると思われる。


牙獣人族(ルゥガル)

 獣の頭部と一部特徴を身体に持ついわゆる獣人。獣としての外見は多種多様。

 比較的、職能において多種多様な種であり、同種の外見を持つ【魔物】と区別されにくい不遇な氏族でもある。

 速度方面に発達した身体能力を持ち、速度を重視した戦士になることが多い。

 逆に頭は人間と同じか若干劣るレベルであり、魔術師として大成するものは少ない。

 そして氏族としての精神特性として、好戦的であり無用な殺戮衝動を持つというものがあり、何かと他者を傷つけることに喜びを見出す者が多い。


牛鬼人族(カウレィス)

 腕力方面に発達した身体能力を持つ戦士系氏族。

 牛の頭部と発達した肉体をもつ、いわゆるファンタジー世界のミノタウロスに見える氏族。

 頭脳に関しては【牙獣人族】よりも遥かに高く、氏族的に優しい穏やかな性格の者が多い為か、治療士的な職能になる者が多いのも特徴である。


樹麗人族(スニトアールヴ)

 森を生息域にするエルフ的外見の氏族。褐色肌に銀の髪、金色の瞳を持ち、それ故に【月光の魔族】とも呼ばれる(肌を夜の闇、瞳を月として表現したもの)。

 優れた弓兵であり、同時に【呪霊族】にも匹敵する魔術師でもある。特に、そのあらゆる分野に関する器用さは特筆すべきであり、手練士、いわゆる【盗賊】になる者も多い。

 自らの身を影に変えて回避する【影歩】も彼らが起源であり、闇に溶ける事によって姿を消す戦法を得意とする。そして、何より【魔術具】を開発製作する高い技術を持つことも知られ、あの勇者パーティの一員である【エリシス】を育てた村の者も【樹麗人族】である。

 他氏族よりも【誇り】と【美しい戦い】を重視する者が多く、それ故に魔王から離反した者や、反抗の果てに粛清された者が多く出た氏族である。


翼獣人族(フォル・ルゥガル)

 【牙獣人族】から特異進化を遂げて翼を得た氏族。

 翼を持つ以外は【牙獣人族】と同じ外見であり、動物的な特徴が複数混じっている氏族。

 種としての性能は【牙獣人族】とそれほど変わらないが、空を飛べるアドバンテージが有る代わりに、各種能力がほんの僅かに劣っている。

 ただ、彼らは破壊的衝動が薄く、とても付き合いやすい氏族であり、そうでない【牙獣人族】と一括りにされると普通に怒る。

 比較的少数氏族であり、人類圏の戦場でも見かけることは少ない(主に伝令的な仕事をしているものが多い)。


水魔族(ギニアス)

 水中で呼吸するためのエラと魚鱗を肌に持つ氏族。

 水域に適応した種であり、それ以外は【翼獣人族】に近い精神性と種的性能を持つ。

 明確に少数氏族であり、戦争でもレムルス群島の海域を守護する兵力しか存在していない。


小鬼族(ドゥラク)

 全魔族中もっとも数の多い多繁殖氏族。

 子どもに近い体躯に、角と牙を持ち、他氏族に劣る知能と精神性を持つ明確な下位氏族である。

 文明自体原始的か、あるいは他氏族のものを借りている状況であり、粗暴で卑屈な事も手伝って、その考えなしの行動がかなり魔族全体の名誉を傷つけている。

 人類圏における戦争でも、悪質な行為を行うのは大抵の場合彼らか【牙獣人族】であり、それ故に魔王軍内でも彼らを下に見る者は多い。

 しかしながら、その繁殖能力の高さは特筆すべきであり、ここまで粗暴ではなく考えなしの行動をとるようなことがなければ、星神世界は【小鬼族】が最多数種になっていたであろうとも言われている。まあ、考え無しですぐ死ぬので、現状では無理な話ではあるが。



●各将軍の異名について:

 本来【~将軍】などという呼称は役職を示すものである。しかし、魔王軍の戦略的にそれを広く人類圏にまで風潮することは避けようと考えた。そのために生まれたのが異名である。

 前提として将軍職である強者を示すべく【~将軍】という呼称はそのままに、氏族の名称を組み合わせて用いられることが異名に関して多くみられる傾向である。さらに言えば、対外的に人類圏で多く知られている将軍にそういった基本的異名は使用される。ドゥフトボルケと【魔旗将軍】ギルベルタのうち、広く人類圏に知られていたドゥフトボルケのほうが【呪霊将軍】を名乗るのはそういった通例からなされたものである。

 以上の基本的異名以外の異名も無論使用されている。そういったものは、特にそれぞれの特徴を示す名が使用され、対外的に力を示すために利用される。

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