幕間 星神世界の必殺技
※ 以下に語られるのは、この作品世界の根幹に関わる設定ではあるが、あくまでも世界をより詳しく理解するためのソースデータなので、あえて読まなくても構いません。
※ こういった要素が好きな方のみお楽しみください。
●通常型リミットブレイク:
【極限武技(=リミットブレイク)】とは、人間種のクラスである【(武器)使い】クラスによって得られる、星神世界における必殺技スキルになります。
リミットブレイクとは、そのスキル保持者が使用する武器使用の型――、技を使用するその身体の動きを記憶して、その一連の動作中のみ加護を強化増幅する機能となっています。要するに、槍使いなら槍の技を――、斧使いなら斧の技を――、それぞれ記憶させることによって、その技にまとめて強力なバフをかけて、普通では有りえない威力や速度で技を発揮するスキルというわけです。このために、リミットブレイクは記憶させる技そのものの習得に若干時間はかかるものの、かなり簡単に使用できる必殺技スキルとなっています。記憶した技の実際の効果は、使用者のパーソナルスキル――、クラスレベル外の鍛錬によってある程度上昇し、もちろんクラスLvの能力補正の影響も受けます。
ただ、その効果値上昇は比較的穏やかで、個人武技を記憶させる都合上、大抵の場合単体攻撃しか記憶されていないのがほとんどです。
ヒューマノイド系の敵、すなわち人間や魔族などの個人に対する必殺技にはなりますが、ある程度巨大で強大なモンスターや、軍団規模の敵に対する必殺技にはなり得ないのが現実です。
こういったリミットブレイクは、他人が記憶しているものを【継承】することも出来ます。それによって、ある程度熟練者の動きをトレースすることも可能であり、リミットブレイクが一般において【習得が簡単な必殺技】として広まっている要因となっています。無論、素人が熟練者の動きをトレースすれば、色々身体に無理がかかるというリミットブレイク独自の【反動効果】はありますが。
●複合型リミットブレイク:
【戦術魔法】習得者が、それによる武技強化魔法との組み合わせで使用し、記憶させるのが【複合型リミットブレイク】です。
これを他人に【継承】させる場合、継承先の者は【戦術魔法】を習得しておく必要はありません。前提となる魔法はクラススキルによって自動発動されます。ただ、能力値の【魔力】【知恵】【精神】等による効果・威力への影響をモロに受けるために、そういった魔術師系クラス保持者のほうが有利であることは確かです。
こういったリミットブレイクは、通常型に比べて威力や効果範囲が段違いである場合がほとんどです。いわゆる対巨大モンスターや対軍団への必殺技は、人間種においてはこちらの事を示しています。記憶・使用しやすさも、ある程度効果上昇が緩やかであることも通常型リミットブレイクと同じではあります。
なお、本編ヒロインの一人である魔族レイが使用するのはこちらの必殺技スキルです。彼女が魔族独自の【魔装練身】ではなく、【リミットブレイク】を使用する理由は、彼女が生まれたばかりで【魔装練身】が使用できるほどの鍛錬をしていないからで、各種必殺技を鍛錬によってではなくパソコンにソフトを組み込むように、後付で至極簡単に組み込まれた事を示しています。
●魔装練身:
比較的魔法力に親和性の高い魔族――、その【魔族という呼称】の要因の一つともなっている、魔族独自の必殺技スキルが【魔装練身】です。
これはいわゆるクラスによって得られる【クラススキル】ではなく、各個人が鍛錬によって習得する【パーソナルスキル】であり、習得のためには長い鍛錬と肉体の強化、そして熟練の技を得る必要がある必殺技スキルです。このために【リミットブレイク】ほど多くの人に広まっているわけではなく、特に熟練、高クラスLvの魔族によって扱われる熟練の技という立ち位置になります。
その使用のためには、まず前提となる【錬武詠唱】を行って、必殺技の使用準備状態に入る必要になります。この詠唱は普通に声に出すこともあるし、声ではなく心のなかで――いわゆる無詠唱によって行われることもあります。要はそういった準備段階を一度踏むのが【魔装練身】の使用前提です。この際、ある程度魔力の高まりを得るので、魔法に詳しい個人なら準備状態であることを知ることが出来ます。そのうえでそれぞれの技に入るための動きを示すと、実際の【魔装練身】が発動されることになります。
【魔装練身】は【複合型リミットブレイク】に若干似ています。しかし、その行使される威力・効果はそれらとは桁違いであり、この必殺技こそが魔族を強大な戦闘種族だと周囲に示す要因になっています。【魔装練身】は個人の鍛錬によって、恐ろしいほど各種効果が跳ね上がっていきます。ある程度の熟練者が使用する必殺技は、一瞬で超巨大モンスターや数千規模の軍団を消滅させることすら可能になります。無論、そこまで至るのはかなり少数であり、かの【戦鬼将軍ガルンテル】が扱えるという噂が広まって、彼を人類が特に恐れた要因になった――という程度となっています。
●番外:神域剣技:
勇者が使う【神域剣技】も必殺技スキル的な扱いを受けています。これは、【神域剣技】を使用する際に勇者の肉体に膨大な負担がかかり、それ故に短時間しか使用できないことが原因となっています。しかしながら、本来【神域剣技】は神の領域の剣術を扱える――、という単純な効果のクラススキルであり、明確な【型】があるわけでは有りません。このために、そもそもが型をもって一定の動きで行使されるものではなく、他の必殺技に比べてかなり防御・回避しづらい強力な必殺技スキルであると言えます。




