弘法の杖
弘法とは空海(弘法大師)などと呼ばれた高僧です。平安時代に真言宗を開きました。
弘法大師は字がとても上手かったとされており、「弘法にも筆の誤り」と言う言葉ができるほどです。
「どれほど優れていても失敗することはある」という意味です。
むかし、むかし、貧しいおかみさんが山里の家で一人針仕事をしていると、そこへ一人の年老いたお坊さんが訪ねてきて、水をいっぱいお願いしました。
「すみません。長旅でのどが渇きました。水をいっぱいいただけませんでしょうか。」
「いいですよ。でも今、水がきれていますので、すぐに川に取りに行って来ます。ちょっとここで休んでいてください。」
と言うと、おかみさんは、桶を持って山を下り、川に出かけて行きました。そして、しばらくしてから重い桶を持って戻ってきました。
お坊さんは、そのやさしさにいたく感動して、こう言いました。
「かたじけない。このような大変な仕事から解放してあげましょう。」
と言うと、お坊さんは、家の前に立ち、地面を杖でつくと、なんと、水が湧き出してきました。
おかみさんが驚いていると、お坊さんは、いつの間にか見えなくなっていました。
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