Le lecon de danse
「フランソワーズ、よく頑張ったな。」
クリスチャンはフランソワーズの頭上から本を下ろし髪を撫でる。
(クリスチャン様が私を誉めて下さった。)
フランソワーズの顔に笑みが見える。
次はダンスレッスンを行う。
フランソワーズはダンスと聞いて胸をときめかせていた。
わっかのドレス、シャンデリア、大広間、そして素敵な王子様。全てフランソワーズが夢見ていた物だ。
「さあフランソワーズ2人を見て。」
ヨーゼフがイザベラの手を取り広間の中央へとやってくる。
「ロバート、頼んだよ。」
クリスチャンの合図でロバートはピアノの椅子に腰掛ける。すると簡単なワルツを弾き始める。
曲が始まるとヨーゼフとイザベラ手を取り合って踊り出す。ステップも軽やかでまるで本物の舞踏会のようだ。
「さあフランソワーズ、次は君の番だ。」
「Oui」
差し出された手をとるフランソワーズ。クリスチャンにエスコートをされ、広間の中央へと向かう。
「Voulez vous danse avec moi, Mademoiselle?」
クリスチャンは膝まずき手を差し出す。
「Si'l vous plait.」
フランソワーズはお辞儀をして手をとる。
フランソワーズはクリスチャンに手を握られ彼女の背中へと回される。クリスチャンもフランソワーズの腰に手をかける。
「ロバート頼んだ。」
ロバートは再びワルツを弾き始める。
「さあ僕に合わせて」
クリスチャンがフランソワーズの耳元で囁く。
なんとか着いていこうとするフランソワーズだがクリスチャンの足を踏んでしまう。
「あっごめんなさい。」
「僕は大丈夫だ、肩の力を抜いて。」
「Oui」
しかし動きはどこかぎこちなく背筋が丸まってしまう。
「きゃっ」
再びフランソワーズは転倒してしまう。
「大丈夫か?」
優しくクリスチャンが抱き起こす。
「ありがとうございます。クリスチャン様。ごめんなさい私何度も足を踏んでしまい。」
「君が謝ることじゃないよ。それから」
クリスチャンが耳元で囁く。
ロバートの伴奏が入ると再び2人は踊り出す。
「そう、その調子だ」
フランソワーズに笑顔が見える。
「僕だけを見て」
「Oui」
フランソワーズにその場の雰囲気を楽しむ余裕ができてきた。
自宅に戻るとクリスチャンが怪我の手当してくれる。
足を擦りむいたのと腰をぶつけたのだ。
「フランソワーズ、今日はよく頑張ったね。」
「はい、だってクリスチャン様が相手だから嬉しくって。ベルサイユ宮殿の舞踏会でも一緒に踊ってくれますか?」
「ああ、勿論だよ。」
その夜フランソワーズは今夜の出来事が忘れられずにいた。そしてあの囁きも。
「君はコッペリアだ、それだけは忘れるな。」
フランソワーズはクリスチャンに耳元でそう囁かれたのだ。
クリスチャンにそう言われたのが嬉しかった。
「私はコッペリア。クリスチャン様は私の王子様。」




