第1話 わたしは遊びたいのです。
一人の女の子との出会い。それは不思議な感覚でした。
雨の日、学校に下駄箱。小学5年生の男の子が傘を差して帰ろうとすると廊下から男の子を見る視線がありました。
男の子が振り返ると全身ずぶ濡れの小学4年生位の女の子が男の子を見てました。男の子はずぶ濡れの女の子に話しかけました。
「傘要るか?」
ずぶ濡れの女の子はこくりとうなずき男の子から傘を受け取り大雨の中を校門から抜けて出て行きました。
男の子は傘を女の子に渡したのでその日はずぶ濡れで帰りました。次の日晴れて学校に行くと下駄箱のいつも傘を置いてある所に男の子の傘が置いてありました。
男の子は女の子が傘を返してくれたのかな?と思いチャイムの前にクラスに着きました。しかしクラスの女の子達に聞いてもずぶ濡れの女の子は知らないそうでした。
次の雨の日男の子が傘を差して帰ろうとすると、また廊下から視線がありました。
男の子はずぶ濡れの女の子にまた会いました。
男の子はずぶ濡れの女の子に話しかけました。
「お前どこのクラスの子?」
「わたし4-3のクラスです。」
女の子はこくりとうなずくと男の子は性がないなあと思いながら傘を貸しました。
女の子はまた男の子の青い傘を差すと雨の中校門から出て行きました。男の子はまたずぶ濡れで帰りました。
その次の日晴れましたが男の子は風邪をひきました。男の子が風邪をひいた夜家のポストにチョコレートと傘立てに傘が置いてありました。男の子の傘でした。
風邪が治ってから男の子はお礼を言いに4-3のクラスに行って女の子を探しましたがいませんでした。その日から雨になっても女の子は現れませんでした。男の子は気味が悪く不思議な気持ちでした。
ある日雨の日に傘を忘れて男の子は困ってました。またずぶ濡れで帰って風邪をひくと次の日のサッカーの試合に出れません。下駄箱で困っていると校門から赤い傘を差した女の子がやって来ました。
傘を差していてもずぶ濡れで歩く度にぴちょりぴちょりと音がしました。男の子は恐くて動けなくてじっと見つめていると女の子の方から声をかけてきました。
「私の傘いる?」
男の子は恐くて返事出来ないでいると女の子の方から男の子の手をとり赤い傘を握らせました。
男の子はしゃべれずにいると女の子はさっと帰ろうとします。男の子は勇気を持って叫びます。
「お前何者だ。ここの学校の子じゃ無いな。」
「私、ぴちょり姫。雨の日が好きなの。」
そう言うと女の子は走って校門から出て行きました。男の子のもらった赤い傘はチョコレートのにおいがしました。男の子がその傘で家に帰りどう赤い傘を返そうかと眠れぬ夜を過ごすと赤い傘は玄関から無くなってました。玄関にはチョコレートのにおいだけが残りました。
これでぴちょり姫の話はおしまい。
それではまたね。
再編集します!! よろしくお願いします!!