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何か感じ取っているのかクリスは疑問形で聞いているように聞こえるが、どこか確信を持っているようで真剣な瞳で私を見つめている。




「神本人ではないが神に頼まれ事をされているので使者、って言ってもいいかもしれないな」


「やはりそうでございましたか。 私は今ではこの村で普通の生活をしておりますが、昔は神殿で神様に仕えておりました。 アヴニール様からは神々しさを感じますわ」




神々しいかどうかは私自身ではわからんが神の使者ではあるので似たようなものなのだろう、聖職者ならばそれがわかるのだろうか?

神から頂いた知識によれば聖職者と名乗っていても神の名を使い私利私欲を満たそうとする悪い者も居るみたいだからな。


それを考えればクリスはまともな聖職者の一人だったのだろう。




「それで、私に話とは何だ?」


「私の話はケイドとミシェルのことでございます。 戦争で夫を亡くしてからもう五年が経ちました、私は夫の忘れ形見である子供たちを立派に育てあげることが私の使命だと思い今まで過ごして参りました。 しかし、私の命はもうすぐ尽きます……アヴニール様、初対面の貴方様にお頼みすることではございませんが、どうか……どうか私が死んだ後は子供たちのことを見守っていて下さいませ……」




……地蔵鑑定をしたがクリスの命はこのままでは余命三ヵ月って所だろうな、体も衰弱しており話すのも辛かろうにクリスが願うのは子供たちのことだけ。

名誉も名声も財産すら何も必要としない、ただただ子供たちの幸せを子供たちが不幸にならないように願うのが親の愛か。


そんな願いを叶える為に私はここに……フェアリードに来たのだ。




「クリス」


「は、い……」




頭を下げていたクリスは私の言葉に頭を上げて私を見た、その瞬間クリスは意識を無くしの体はゆっくりとベッドに倒れ込む。

地蔵催眠でクリスを眠らせ、地蔵念力でクリスの体をベッドに寝かせたのだ。


クリスに願われなくてもミシェルもケイドもいい子なので私は気に入っているのだ、子供たちが困ることがあったら私は助けようとは思って居る。

そして……。




「地蔵消去、地蔵治癒」




クリスの願いは子供たちが健やかに暮らせること、子供たちの願いはクリスの病気が治ることだ、私が元々ここに転移したのは子供たちの願いを叶えるためにクリスに会うことだったのだからな。

魔減病はフェアリードの人間であれば不治の病になるが、神の力を貰った私ならば治すことも出来ないことではない。


病の原因は体内に入ったヘルと言う寄生虫が宿主から魔力を奪っていることだ、フェアリードの人間では寄生虫であるヘルを取り除くことも倒すことも出来ない為に不治の病とされている、私には関係ないが。

まずはクリスの体の中にいるヘルを取り除き消し去る、そしてクリスの弱った体に治癒の魔法をかける。



クリス、お前はまだ死ぬには早すぎる、子供たちと健やかに過ごし、成長を見守り、いつか孫に囲まれながら寿命を全うするといい。


私はクリスに地蔵念力で布団をかけるとそのまままたどこかへ転移した。

また別の人間を救わなければならない、それが私の使命であるから。


 


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