エリザベート side
アヴニール様とお別れしてから三日が経った、私とお母様はあの森の家に二日ほど居たのだけどももうその日の内にはお父様が私とお母様のメイドたちを呼んで下さっていたのでゆっくりと療養出来た。
お母様からの指示でまだアヴニール様から頂いたお薬は飲んでいなかったので火傷の跡はまだある。
これを鏡で見ただけでロナルド様にされたあの時の痛みが蘇るようだったけども今日は国王様に謁見があるので綺麗なドレスを着ている。
こんな火傷のある体に綺麗なドレスは似合わないのに……。
「エリー、準備は出来た?」
「はい、お母様」
国王様へのご報告は全てお父様がして下さったようだけども……やはりこの姿で外に出るのは怖いわ……。
こんな醜い姿を他の方に見られるなんて、お母様が何を考えているのかはわからないけどもお母様が間違ったことをするわけないもの。
私は火傷跡が見えないようにヴェールを被ると私はお母様と一緒にお城に登城する。
ここにいるのは国王様、トール様、お父様、お母様、そして私の五人だけ、人払いをしているのか王妃様も何時も居る兵士様方もいらっしゃらない。
「おお、エリザベート嬢。 無事でよかった」
「国王様にご心配をおかけして申し訳ございません。 私はこの通り元気でございます」
「いや、今回のことは全てロナルドの責任だ。 アイツは今は他の者たちと一緒に塔の中で反省させておる……」
王太子として醜聞があったら大変でなのに私も婚約者としてしっかりしなければいけなかったのだから……ロナルド様を庇うわけではないのだけどもそのせいで国が乱れてしまうのは……。
ちらりと隣に居るお母様を見るもお母様はにっこりと美しい微笑みを浮かべてるだけ、お父様は怒っていらっしゃるようだけども。
「あの、国王様……ロナルド様はどうなるのでしょうか?」
「王太子としてやってはいけないことをしたのだからその身分を剥奪する。 代わりに第一王子であるトールを……」
「父上」
私の疑問に国王様が答えて下さろうとしているのをトール様のお言葉で止まる、私が居ない時に何かあったのでしょうか?
国王様は不満そうにトール様を見てるけどもトール様は首を振るだけ、どうかしたのだろうかとトール様を見るとトール様はにっこりと微笑んで下さった。
「トールしか居らんじゃろう」
「僕はエリザベートと結婚しますので王太子にはなりませんよ。 エリザベート以外の妻を娶ることもしません」
トール様ははっきりと言って下さるけども国王様の言い分もわかります。
国王様の子供はトール様とロナルド様、そして他国に嫁がれたクレシア様、幼い双子のリリィ様とアリィ様しかいない。
ロナルド様が王太子でなくなるのであればまだ幼いアリィ様よりトール様が王太子になるのは当然、しかしこんな醜い女が婚約者だなんて他国にも紹介出来ないでしょう。
それに、国王になれば妻を複数人娶るのは義務でもあるんですから……。
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