④
病人ではないが絶食後の人に食べさせるのならしっかり作らなければならない、味見が出来ないので塩の入れすぎには気を付けないといけないな。
コトコトと煮るのに時間が掛かってしまうが美味しいお粥を作るには時間が掛かるのは仕方ないことだろう。
エリザベートの様子を確認するとやはり疲れていたのかソファに座りながらもすやすやと小さな寝息を立て眠っている、どんな辛い思いをしたのかわからないから寝かせておいてあげよう。
地蔵念力を使い、毛布をエリザベートの上に掛けてやれば私は鍋に向かい合う。
しばらく弱火で煮込んでいればザルでこして重湯の準備をする、お粥と重湯をわければエリザベートは寝てしまっているので地蔵収納に入れた。
地蔵収納は時間が経たないから温かいまま食べれるのがいいな。
「ふむ、これからどうするか」
エリザベートは寝てしまったので何もすることがない、私は食べる必要がないし、寝る必要もない。
……よし、それならばエリザベートにこんなことをした男たちと女を見に行ってみるか、この家に誰かが入って来るといけないので家の外に出てから家に地蔵の守護をかけておく。
これで私の許可のない者は家に入ることも攻撃して壊すことも出来ない、ついでにエリザベートが起きた時に分かるようにもしておこう。
起きた時に誰も居なければ不安にもなるだろうし、間違えて外に出て魔物に出会ってしまったら武器のないエリザベートが怪我をしてしまうかもしれないからな。
「よし、これでいい」
エリザベートが起きたらセンサーでわかるようにセットしたのでこのまま王都に転移することにした、エリザベートを鑑定したついでに記憶も見てしまったので第二王子……基、馬鹿王子と馬鹿女、馬鹿男たちの顔も確認出来てるので簡単だ。
すぐに王都に転移をすれば私の姿が見えないように透明になる、私の姿が見られたら騒ぎになるだろうし、ここで騒ぎになられたら面倒なことになるからな。
まだお昼の時間なので学生であろう馬鹿たちは学園に居るだろうから場所はすぐにわかる。
ふよふよと浮いて学園の方に向かうと学園の校庭の方が何か騒がしいと言うか……爆発音のような音が聞こえてくる。
学園の高い木の上に立つとよく見えるが、豪華な軍服のような服を着ている男が周りに居る軍人のような若い男たちに羽交い絞めにされているのが見えた。
「貴様ら!! 私の可愛い可愛いエリーをどこへやった!! 許さんっ、貴様ら全員消し炭にしてやる!!」
「宰相っ! お止め下さい!!」
「うるさいっ、放せ!! こいつらが私の可愛いエリーに何かしたのは調べがついたんだ! さっさとこいつらを消し炭にさせろ!!」
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