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詩のようなものたち

作者: 暮 勇

 私は見た


 茹だるような暑さの中

 生物を焼き尽くさんとする日差しを

 全身で熱線を、ぎらぎらと乱反射させる

 シルバーのワンボックスカー

 目を覆いたくなる程に外は明るいのに

 薄暗い車中

 氷の冷気よりも冷ややかで

 明かりのない空間よりも暗い

 骸

 両手は無様に投げ出され

 口は喘ぐように、わずかに開き

 瞼は縫いつけられたかのように固い

 汗一筋どころか

 血の一滴も通わぬ

 土気色の肌

 死を漂わせる色

 無念にも尽きた命

 空っぽのボディ


 空き地の隅の地面に生えた

 青々とした生命の群れが踵を摩り

 ぬるい風が頬を掠め

 拭われない汗が喉を伝い

 襟に大きなしみを作り続ける


 夏の暑く

 天高く日が昇る

 あの日

 私はひとり

 骸を見た

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