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 ちょーうん! 3-3 


関羽かんうが外交やら配下寧撫やらで

盛大にトチった結果、

荊州けいしゅう孫権そんけんの手に落ちました。


……まぁこの辺も、

どこまで鵜呑みにしたもんだか、

的なとこはあるっすけどね。


ともあれ劉備りゅうび

荊州奪還か、関羽の敵討ちか。

どっちがメインなのかはわかんないっすが、

荊州に打って出ようとしたっす。


で、趙雲ちょううん。こいつを諌めました。


「王の敵は曹操そうそうでありましょう。

 孫権ではないはずです。


 よくご検討ください、

 さえ討ち果たしてしまえば、孫権なぞ

 たちまち降伏してまいりましょう。


 仮に曹操がこのタイミングで死んだとて、

 恐らく息子の曹丕そうひは、

 あっさりと簒奪に乗り出しましょう。


 そんなことにもなれば、

 ますます大義は、王のもとに集います。

 なんだかんだ言ってみたところで、

 曹丕の振る舞いは「皇帝に対する反逆」

 になるわけですから。


 この点を踏まえれば、

 最優先すべきは、早い段階で

 長安ちょうあんを抑えておくこと。


 曹丕が皇帝をないがしろとしたときに、

 黄河こうがに沿って劉備様が攻め下れれば、

 洛陽らくようより東の豪族たちも、我先にと

 劉備様に呼応して参るでしょう。  


 今はそういう局面なのです。

 だのに、このチャンスを無視し、

 と争ってごらんなさい。


 劉備様が持っていた大義は失われ、

 求心力も削減されましょう。


 ともなれば、兵士らも劉備様に

 付き従う理由を失い、

 離散するのでなはいでしょうか?」


かなりの直言だったっすが、

劉備、全く聞き入れずに出陣。

趙雲にはいざというときの予備戦力として

後方待機をするよう言いつけたっす。


で、ご存知のとおり、

劉備は陸遜りくそんにコテンパン。

嫌な予感がして、趙雲が

劉備のもとに駆けつけたときにゃ、

もう、呉軍は影も形もなかったそうっす。



……っつか、いやー。

趙雲別伝、笑っちゃうくらい

「結果からの逆算」で成り立ってるっすね。


本当にあった諫言なのかもっすが、

あんまりにも結果を先読みしすぎっす。


「劉備に忠誠を誓った義士」

趙子龍の面目躍如って感じっすね。


趙雲別伝、はじめの内こそ

「まぁ、妥当じゃね?」

的に認識してたっすが、

この辺になってくると、

さすがに盛りすぎじゃね?

感が半端ないっす。


まぁ、真実は全て

時の流れの彼方、っすけどね。




孫權襲荊州,先主大怒,欲討權。雲諫曰:「國賊是曹操,非孫權也,且先滅魏,則吳自服。操身雖斃,子丕篡盜,當因眾心,早圖關中,居河、渭上流以討凶逆,關東義士必裹糧策馬以迎王師。不應置魏,先與吳戰;兵勢一交,不得卒解。」先主不聽,遂東征,留雲督江州。先主失利於秭歸,雲進兵至永安,吳軍已退。


孫權の荊州を襲うるに、先主は大いに怒り,權を討たんと欲す。雲は諫めて曰く:「國賊は是れ曹操にして、孫權に非ざるなり、且つ先にて魏を滅さば、則ち吳は自ら服さん。操が身は斃れたりと雖も、子の丕が篡じて盜みたれば、當に眾心に因りて、早きに關中を圖り、河、渭が上流に居せるを以て凶逆を討たば、關東の義士は必ずや糧を裹み馬に策ち、以て王師を迎えん。應ぜず魏を置き、先に吳と戰わば、兵勢は一交にして、卒の解さるを得ず」と。先主は聽かず、遂にして東に征し、雲をして留め江州を督せしむ。先主の秭歸にて利を失いたるに、雲は兵を進め永安に至れど、吳軍は已にして退りぬ。

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