表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/52

 ハイチュー関羽7

関羽かんう孫権そんけんに殺されるに至る

伏線的な話っすね。

典略てんりゃく」が補足説明をしてるっすよ。


関羽が樊城はんじょう包囲をしてたとき、

孫権、そいつをサポートしようか、

って打診してきたそうっす。


ただ、打診は非公式なもの。

正式な援助申請の書状を持った使者には、

可能な限りゆっくり進むように命じ、

なかなか関羽のもとに

到着しないようにさせたっす。


この遅延工作に関羽、やきもきイライラ。

しかもこの頃には于禁うきんを捕まえたりとか、

かなりしょく軍押せ押せだったっす。

なので関羽もだいぶイキってました。

孫権からの使者を罵ったっす。


「あのイカ野郎、きっとわざとにそうろう

 樊城を落としたるあかつきには、

 真っ先に奴のゲソを引き抜きたく候!」


あっそういうこと言う奴なんだね、へー。


孫権、関羽からのこのリアクションを

引き出したもんだから、確信したっす。

こっちを軽んじてるにもほどがある。


なのでとりあえず、

誠意ゼロの謝罪の手紙を送ったっす。


「俺が直接助力に向かうし、

 それで許してよ☆」


うーんこの。


いや、自分思うんっすけど、

荊州けいしゅう揚州ようしゅう、つーか関羽と呉って、

表向き仲良くしてたけど、

めっちゃ仲悪いし、疑い合ってたっすよね。


そんな関係だから、孫権、

関羽を襲撃する兵を

こっそり出立させたっす。


このへん、三國志さんごくし呂蒙りょもう伝でも、

裏付けが取れるっすよ。


「精鋭を船の奥に押し込んで、

 船頭を庶民にやらせた。

 またその庶民に、

 商人の服を着させた」


もうなんつーか、油断を誘って

殺す気マックスじゃないっすか。


関羽も助けは求めてなかった感じだし、

なら、孫権が救援送るよーって言う意味も

なかったはずっす。


大体、本当に助けたいんなら、

なんで手助けのための兵を隠したわけ?

って話っす。




『典略』曰:羽圍樊,權遣使求助之,敕使莫速進,又遣主簿先致命於羽。羽忿其淹遲,又自已得於禁等,乃罵曰:「鰂子敢爾,如使樊城拔,吾不能滅汝邪!」權聞之,知其輕己,偽手書以謝羽,許以自往。臣松之以為荊、吳雖外睦,而內相猜防,故權之襲羽,潛師密發。

按呂蒙傳雲:「伏精兵於冓鹿之中,使白衣搖櫓,作商賈服。」以此言之,羽不求助於權,權必不語羽當往也。若許相援助,何故匿其形跡乎?


『典略』に曰く:羽の樊を圍むるに、權は使いを遣りて之を助けんと求むれど、敕使は速やかに進むる莫く、又た主簿を先に遣りて羽に命を致す。羽は其の淹遲せるに忿り、又た自ら已でに禁らを得たるれば、乃ち罵りて曰く:「鰂子の敢えて爾れるに、如使し樊城を拔きたるれば、吾れ能く汝を滅さざらんや!」と。權は之を聞き、其の己を輕んぜるを知り、偽の手書にて以て羽に謝し、以て自ら往きたるを許す。臣松之、おもえらく、荊、吳の外に睦みたるを為したると雖も、而して內にては相い猜防し、故に權の羽を襲いたるに、師は潛り密かに發せらる。

呂蒙傳の雲いたるに按ずるに:「精兵を冓鹿の中に伏し、白衣をして櫓を搖らがしめ、商賈の服を作したるなり」と。此を以て之を言わば、羽は權に助けを求めざらば、權は必ずや羽に當に往かんとせるを語らざりたるなり。若し相い援助せるを許さば、何の故にか其の形跡を匿さんか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ