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関羽7 孫権とかクソ笑

しょくでの覇権を確立した劉備りゅうびに対し、

曹操そうそう、ケンカを仕掛けた。


劉備も黙って迎えるわけじゃない。

洛陽らくようと蜀の間に位置する地、

漢中かんちゅうまで迎撃に出る。


ここで劉備、曹操の腹心の一人である

夏侯淵かこうえんを討ち果たし、漢中を支配。


ところで漢中、漢にゆかりのある地だ。

項羽こううにコテンパンにのされた劉邦りゅうほうが、

再起にあたって、この地で

漢中王と名乗っている。


つまり漢中を支配したものが

勝ち上がり、天下を統一したわけだ。

そしたら「漢の皇族」を標榜する劉備が、

この前例に則らないわけがない。


劉備、漢中王を自称。

こうして世論の支持をぐぐっと集め、

また、関羽かんうを前将軍とし、

ほぼ君主レベルの統率権を一任した。


こうして思うがままの軍略を

展開できるようになった関羽。

どうやって曹操軍をかき乱してやろうか。

とりあえず荊州けいしゅうの要地、樊城はんじょうを攻めよう。


樊城には、やはり曹操の腹心の一人である

曹仁そうじんが待ち構えている。

関羽が樊城に攻めて来たと聞いた曹操、

配下の于禁うきんを救援に向かわせた。


時の頃は秋。しとしと、どころじゃない、

えらい勢いの大雨が、漢水を氾濫させる。


樊城周りはすっかり濁流に飲まれた。

そうすると、于禁軍も思いっきり

こいつの巻き添えを食う。


関羽、多分この水害に対して

万全の対策をしてた。


だから于禁、関羽に投降した。

またこの事態を受け入れきれなかったか、

龐德ほうとくって将軍が、

それでも関羽に抵抗して、殺されている。



りょうきょう陸渾りくこんといった群盗のうち

いくらかの者たちは、関羽に認めてもらい、

その手下となって暴れ回った。


関羽の名前は、そいつを後ろ盾にしたやつの

心すら奮い立たせてしまう。

改めて関羽ヤベェ、曹操ビビる。

きょから別のところに都を移そうぜ、

とか言い出す。


そしたら部下の司馬懿しばいとか蔣濟しょうせいが反論。


「関羽が勢力を伸ばすのを、

 孫権そんけんが見過ごすはずもありません。

 なので孫権に使者を送り、

 関羽の背後を衝かせましょう。


 孫権の長江ちょうこう南岸の支配権を

 正式に認めさえすれば、

 関羽も、樊城どころではなくなります」


この提案を曹操は採用した。


ちなみに孫権、以前自分の息子に

関羽の娘を嫁に迎え入れたい、

と打診したことがあった。


そうしたら関羽、孫権からの使者を

散々に侮辱し、罵り、追い返した。

誰がお前なんぞと親戚になるか、

と言うことだ。


関羽のこの対応に、

孫権、当然激怒している。




先主為漢中王,拜羽為前將軍,假節鉞。是歲,羽率眾攻曹仁於樊。曹公遣于禁助仁。秋,大霖雨,漢水汎溢,禁所督七軍皆沒。禁降羽,羽又斬將軍龐德。

梁、郟、陸渾群盜或遙受羽印號,為之支黨,羽威震華夏。曹公議徙許都以避其銳,司馬宣王、蔣濟以為關羽得志,孫權必不原也。可遣人勸權躡其後,許割江南以封權,則樊圍自解。曹公從之。先是,權遣使為子索羽女,羽罵辱其使,不許婚,權大怒。



先主の漢中王と為れるに、羽は拜して前將軍、假節鉞と為る。是の歲、羽は眾を率い曹仁を樊に攻む。曹公は于禁を遣りて仁を助せしむ。秋、大いに霖雨し、漢水が汎溢すらば、禁の督せる所の七軍は皆な沒す。禁は羽に降り、羽は又た將軍龐德を斬る。

梁、郟、陸渾ら群盜の或いは遙かに羽が印號を受け、之が支黨と為り、羽が威は華夏を震わす。曹公は許より都を徙し、以て其の銳を避けんと議せど、司馬宣王、蔣濟は以て「關羽の志の得たるれば、孫權は必ずや原さざるなり。人を遣りて權に其の後を躡せんと勸ましめ、江南を割し以て權を封ずるを許すべし。則ち樊が圍みは自ら解かるる」と為す。曹公は之に從う。是の先、權は使を遣りて子に羽が女を索むるを為せど、羽は其の使を罵り辱め、婚せるを許さざれば、權は大いに怒る。

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