出会い[2]
ふぁみ
スカルとはネオン街の裏通り、魔が巣くうアンダーグラウンドで出会った。
そんな日本の法も通用しない混沌とした場所で、彼はひたすらドングリの殻を向いていた。ただひたすらに…
俺は知っていた。奴がスカルという男だと。
スカルは裏賭博の凄腕用心棒。
名は風の噂で聞いていた。
俺はスカルの背後にまわると、背中に凶器を突き付けた。
「いてぇじゃねぇか」
流暢な日本語だ。日本人には見えないが…
「どうだい?凄腕用心棒でも身の危険を感じるかい?」
さらに鋭利な尖端をスカルの背中に食い込ませた。
「ふん。馬鹿馬鹿しい」
スカルは素早くこちらに振り向いた。それと同時に俺の手から得物を奪った。
「ほぉ、いいドングリだ。こんなもん人の背中に突き付けるとは危険な奴だ」
彼はドングリをしげしげ見ながらニヤリとこちらに微笑んだ。
「褒めてくれてるのか?」
俺はスカルの手からドングリを奪うとガリガリと食べた。
「本当にクレイジーな奴だな。褒めてるに決まってるだろ?ブラザー!!」
スカルから差し出された手を握り、熱い握手を交わした。
スカルが俺を認めた瞬間だった。
祝いにお互いのお気に入りのまつぼっくりを交換し義兄弟の契りを結んだ。
ここから、スカルとふぁみの快進撃が始まる。
以上が出会いの全容だ。
しかし一つだけ気になることがある。
スカルが乗る原付きバイクが一年前パクられた俺のそれに似ているのだ…