68 バランス調整
海を見ながら、ゆっくりとお弁当を食べる。
それから、街に戻った親方はアランさんの所へ出かけ、僕は無人の工房で銃弾作り。
鉄骨を作るための鉄鉱石に紛れ、結構な量の鉛鉱石が運ばれてきていて、それは自由に使って良いと親方に言われている。
更に、マリーさん特製のマジックマッシュルームのお茶も。
なので銃弾を作り、そして付与魔法を使って属性弾を量産していく。
途中、何度かお風呂へ浸かりながら。
<ポーン>
<レベルアップしました!>
あれ。
昨日のボス戦の後にもアップしたんだけれど。
早いな。
<【銃技】スキルがレベルアップしました!>
<【召喚】スキルがレベルアップしました!>
<【付与魔法】スキルがレベルアップしました!>
<【アイテム使い】スキルがレベルアップしました!>
<ファントムがレベルアップしました!>
ファントムもだ。
<【霊障】スキルがレベルアップしました!>
<【初級召喚士】の称号を入手しました>
◆
【ショータ】プレイヤー Lv21 SP:40
スキル
【銃技】Lv5
【召喚】Lv5
【識別】Lv5
【採集】Lv3
【付与魔法】Lv9
【アイテム使い】Lv2
アビリティ
【敏捷強化】
【感知】
【狙撃】
【連撃】
【二刀流】
【耐火】
【身軽】
【聡明】
【活性化】
【フォレストアドベンチャー】
【索敵】
装備
【ON-3】短銃/ランク3
【ON-L3】短銃/ランク3
【黒獅子革のコート(子供用)】体防具/ランク4
【黒獅子革のスーツ(子供用)】体防具/ランク2
【黒獅子革のブーツ(子供用)】靴/ランク2
【ガラスのゴーグル】眼鏡/ランク2
称号
【おねショタ】
【鍛冶屋の弟子】
【冥界の刻印】
【銃の使い手】
【付与魔法の使い手】
【初級召喚士】
【アイテム加工業者】
【森の加護】
【波の加護】
【森の四姉妹の寵愛】
◆
【???】ファントム/Lv5 親密度:86
スキル
【霊障】Lv5
アビリティ
【浮遊移動】
【障害物通過】
【物理攻撃無効】
【回復無効】
◆
いろいろとアナウンスがあったので作業の手を止め仮想ウインドウを開く。
まずは、称号。
称号【初級召喚士】
召喚獣と共に過ごした証
召喚獣取得経験値1.5倍。
召喚可能数+1。
「……やった」
僕は思わずそう呟いていた。
相棒はファントムだけで十分だし、その強さに不満は無い。
だから経験値が増えるとか、もう一体召喚できるとか、そういうことではなくて、ただファントムと一緒に居たことが認められた様なそんな気がしたから。
見上げたファントムが小さく揺れる。
そして、徐々にピンクに。
それからファントムの【霊障】に加わった新たな武技。
アーツ【イグニス・ファトゥス】消費MP(小)
微小な炎による攻撃
稀に即死効果を伴う
これは、試してみないと強さがわからないな。
そう言えば、ポルターガイストの空中移動が上手くいかなかったのは何でだろう?
「ファントム。
これを動かして」
床に二枚の金属板を置く。
ファントムがそれをポルターガイストで持ち上げる。
音もなく浮かび上がる一枚の金属板。
もう一枚は床の上に置かれたまま。
「こっちは?」
ピクリともしない金属板を指差すと、今度はそちらがスッと浮かび上がる。
代わりに浮かんでいた板が落下して、床に当たり甲高い音を立てる。
「ひとつしか動かせないの?」
僕の問いかけにファントムは縦に揺れる。
昨日まではそんな事無かったのに。
どうしてだろう。
それを聞こうにも、ファントムとは喋れない。
ならば。
仮想ウインドウから<お問い合わせ>を選ぶ。
「お呼びですか!?」
「えっと……」
お馴染みのガスマスクの人。
しかし、いきなり目の前に姿を現すとは思っていなかった。
「どんな御用ですか?
お風呂ですか?」
「違います」
僕はファントムを見上げる。
そのファントムは、少し赤くなって震えている。
「ファントムのポルターガイストについて聞きたいんですが」
「申し訳ありません!」
僕が言い終わる前にガスマスクの人が頭を下げて謝罪する。
「なんですか?」
「運営からアナウンスがあったと思いますが、そのスキルはバランス調整をさせていただきました」
「バランス調整?」
「はい。
あの様な使い方で空中移動をしてしまうとは、流石に想定外でした。
そのままですと今後のゲーム進行に影響が生じますので、具体的には一度にうごかせるオブジェクトは一つと言う制限を追加いたしました」
「そうなんですか」
「はい。
ショータさんだけ、空を移動して世界一周が出来てしまっては不公平ですので。
ただし、何かしらの補填はさせていただきますので。
……私の添い寝とかいかがですか?」
そう言ったガスマスクさんの顔の周りに突如、青い炎が出現する。
「きゃっ」
それを手で払うガスマスクさん。
一瞬小さくなるが再び激しく燃え上がる炎。
その周りを激しくファントムが飛び回る。
「ちょっと。
やめなさい」
なんだろう。
ファントムが怒ってる?
ガスマスクさんも困ってる。
「ファントム。
どうしたの?」
「ふふふ。
嫉妬してるんですよ。
きっと」
その一言の後、炎は一層激しく。
「今日は退散しましょう。
また困ったことがあれば何なりと」
そう言うと同時にガスマスクさんは消えて行った。
「……どうしたの?」
ファントムは、小さくなって揺れるだけだった。
まあ良いか。
「ちょっと使い道が限られちゃたけど、それがわかれば問題ないかな」
そう僕はファントムに声をかけ作業に戻る。




