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59 空を染める敵

 橋の途中でセレンさんが自分で作った弓の試し打ちをする。

 その横に腰を下ろし、海中を見つめる。


 幾多の黒い影が互いに追いかけ合い、時折発光する。


 その様子を眺めながら、とったばかりの【索敵】のスキルを自分に馴染ませる。


 視界の中に敵までの凡その距離。

 そして、敵がこちらへ向かってきて居るのかどうかが色でわかる。


 これは、楽で良いな。

 でもちゃんと目で確認しないと弱点を突けないから、直ぐに攻撃に入れる訳では無いけれど。


「どう?」


 見上げるとセレンさんが頬を紅潮させこちらを見ていた。


「えっと、すいません。

 見ていませんでした」

「何なのよ!」


 敵の居ない所へ撃ってもしょうがないと思うのだけれど。

 でも、森は障害物が多いので慣れないうちは難しい。


 でも。


「その弓は、素敵ですね」

「……当たり前じゃない」

「服にも良く似合ってます」

「……当然よ」


 ヴィヴィアンヌさんが新調した服。

 本人曰く、ここ数年稀に見る出来、らしい。

 彼女は僕に背を向け再び弓の練習を始めるセレンさん。


 ……暇だな。

 僕はスキルリストを眺めながら何を取ろうか考える。

 連日のインゴット作りと付与魔法のお陰で三つほどレベルが上がっている。


 これ、便利そう。


 スキル【アイテム使い】必要SP:30

 回復アイテム効果向上

 自動使用設定可能


 前からあったかな?

 あ、ひょっとして工房で作業中に貰った称号の所為かな。


 称号【アイテム加工業者】


 僕としてはそんな業者になるつもりは無いのだけれど。


 試しに取ってみよう。



 アーツ【オートポーション】消費MP-

 瀕死時に自動でポーションを使用 し回復する


 アーツ【アイテムトス】消費MP-

 距離の離れた対象に向けアイテムを使用可能



 そして、改めて自分のステータスを見返してみる。


 ◆


【ショータ】プレイヤー Lv19 SP:20


 スキル

【銃技】Lv5

【召喚】Lv4

【識別】Lv5

【採集】Lv3

【付与魔法】Lv7

【アイテム使い】Lv1


 アビリティ

【敏捷強化】

【感知】

【狙撃】

【連撃】

【二刀流】

【耐火】

【身軽】

【聡明】

【活性化】

【フォレストアドベンチャー】

【索敵】


 装備

【ON-3】短銃/ランク3

【ON-L3】短銃/ランク3

【黒獅子革のコート(子供用)】体防具/ランク4

【黒獅子革のスーツ(子供用)】体防具/ランク2

【黒獅子革のブーツ(子供用)】靴/ランク2

【ガラスのゴーグル】眼鏡/ランク2


 称号

【おねショタ】

【鍛冶屋の弟子】

【冥界の刻印】

【銃の使い手】

【付与魔法の使い手】

【森の加護】

【森の四姉妹の寵愛】

【アイテム加工業者】


 ◆


「ねえ……」


 セレンさんが橋の先、工事をして居る方向を見ながら僕に声をかける。


「あれ、雲かしら?」


 青い空の中に、綿の様な巨大な固まりが浮いて居て、それが徐々に大きくなって居る。

 異変に気付いたセレンの頭の上の耳は忙しなく動いて居た。


「全部、敵みたいです」


 索敵のスキルは、まるで夕立を運んで来る入道雲の様なその固まりが無数のモンスターの群れであると伝えて居る。


「工事が心配です。

 僕は行きます。

 セレンさんは?」

「行くわよ! 当然でしょ」

「危なくなったら離脱して下さい」


 駆け出しながらそう言う。

 銃弾が果たして足りるだろうか。


 僕の気がかりはそれだけだった。





 橋を作る人達も当然迫る異変に気付いて居ただろう。

 だが、その手を止める人はおらず。


「源さん、一旦避難を」


 モンスターの群れが空から迫っているのだ。


「今、工事止める余裕はない。

 留まって戦う」

「わかりました。

 迎撃、手伝います」


 僕とセレンさんは遠距離から攻撃出来るのだから足手まといにはならないだろう。


「魔法が使える奴は戦闘要員に回すつもりだ。

 助っ人もどれだけ来るかわからんが手配はかけた。

 まずは出来る範囲でいいから退けてくれ」

「わかりました」


 横のセレンさんも真剣な面持ちで頷く。


 そして、橋の上に並ぶ半裸のプレイヤー達の方を向き直り、露骨に嫌そうな顔をする。

 鼓舞する様に自分の顔や胸を叩いて準備を整えている男の人達。


「自慢の魔法使い達だ」

「……魔法使い?」


 小麦色に日焼けした筋肉隆々の男達を魔法使いと言われ、眉を顰めるセレンさん。

 耳がぺたんと伏せる。


「行きましょう。

 射程は、こっちの方が有利です」


 僕は両手に銃を取り、彼らの元へ。


 入道雲の様なモンスターの群れは更に近く。

 金属音の様な物が耳に届き出す。

 それは、不快な音。

 取ったばかりの索敵スキルは意味を成さないくらいに空を敵のうごめいて居た。


 やがて、空が真っ暗に。

 日の光をさえぎる程の敵の群れは僕達の上空で旋回をはじめる。


「街灯、要ったな」

「いやいや、糞害が酷そうだから早々に対策しないと」


 モンスターの正体がわかる。


 モンスター【ステュムパリデス】鳥類/レベル18

 銅の翼を持つ鳥。

 群れで行動し人を襲う。

 主な攻撃

 突進

 有利属性

 殴/毒



 五十センチ程の鳥。


「弱点毒かよ」

「誰かマリー呼べ」


 皆口々に叫ぶ。


「落ち着いて狙って下さい」

「わかってるわよ」


 隣で少し硬い表情を浮かべるセレンさんに声をかけ、銃を天に向ける。


「ファントム。

 後で、あれやってみようか」


 僕の提案にファントムが驚いた様に小さくなる。


「来たぞ!」


 誰かの叫び。

 僕は急降下を始めた鳥へ狙いもそこそこに引き金を引く。


 あれだけいればどれかには当たるだろうから。


 同時に放たれた二発の銃弾。

 それに、セレンさんの矢が続く。

 戦いの幕が上がった。

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