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43 それぞれの決意

「あの、私も連れて行って下さい」

「ん? 私がか?」

「はい。あの歯車の機械……あれももっと知りたいです」

「それは、弟子にしろとそう言う事?」

「それでも構いません」

「んー……わかった。

 一晩たって、それでも結論が変わらなければまたいらっしゃい」

「どうしてですか?」

「私は今、酔ってるからね。約束は忘れちゃうかもしれない」

「わかりました」

「じゃ、明日この工房で」

「おい、どうしてウチで待ち合わせなんだ?」

「ノーラも行くなら機械を解体しないといけない。

 行かないならもう戻らないから機械の点検をしないといけない。

 どの道ここに来るのよ。私は」

「……そうか」

「では、明日改めてここに来ます」


 そうセレンさんは真剣な顔で言った。



 セレンさんとスパナさんが帰り、夕食の食器を全て洗い終わり、そして、テーブルで一人残ったワイン片付けて居る親方に声をかける。


「親方、片付け終わりました」

「ありがとう」

「では、僕も休みます」

「なあ、ショータ」


 立ち去ろうとした僕を親方が引き止める。

 それは珍しく暗い声で。


「お前は、何かから逃げながら生きて来たのか?」


 そう、僕を真剣な顔で見据える。


「そうですね。ずっと、逃げて暮らしてます」

「今もか?」

「今もです。だから……僕は突然姿を消すかも知れません」


 それは前触れも無く。

 今の住処を捨て逃げざるをえない様な状況になるか、命が無くなるか。

 今のところ、そんな予兆は欠片も無いけれど。

 でも、予兆があった時はもう手遅れな、そんな気がして居て、だから僕はもう逃げるのを止めようかとそう思い始めている。


「一度受け入れた弟子は絶対に破門しない。

 それがオヴェット工房の慣わしだ。

 逃げても、また、戻って来ればそれでいい」

「そうですね」


 僕はそう言って自分の部屋へ。



「何か色々あったね」


 ベッドに腰を下ろし、ファントムに話しかける。


 セレンさんと知り合って、ボスには勝てなくて。

 親方と工房は次のエリアへ移動するかも知れない。


「月の女神か。

 御伽噺みたいだね」


 そう言うと、ファントムは小さく黒くなる。


「どうしたの?」


 微かに横に震える。


 よくわからない。


「おいで」


 そう言って何時もの様に膝の上で撫でる真似をする。


「じゃ、おやすみ」


 そう声をかけ、ログアウトする。


 ◆


 翌日、ログインしてそして何時もの通りに工房の掃除。


 前の通りを掃き掃除しているとセレンさんが現れる。


「おはようございます」

「おはよう。そんな事してるの?」

「弟子の仕事なので」

「ふーん」

「まだ、スパナさんは来てませんよ」

「中で待たせて貰っても?」

「ええ、構いません。

 今、お茶をお持ちします」


 セレンさんを工房の応接スペースに案内する。

 そして、上へ。


「親方、昨日のセレンさんがいらっしゃいました」

「そうか。掃除は終わったか?」

「はい。今お茶を出そうと思います」

「なら上がって貰え。一緒に朝ご飯にしょう」

「わかりました」


 手ぶらで下へ。


「セレンさん。朝ご飯が出来ているので上へどうぞ」

「ご飯って、そんなにご馳走になる訳には行かないわよ」

「お客さんをもてなさない訳にも行かないんです」

「……わかったわ」

 

 立ち上がるセレンさんを先導して上の階へ。


「おはよう」

「おはようございます」


 親方がテーブルにスープを並べながら言う。


「さあ、食べよう。

 それと、スパナは昼過ぎまで来ないと思うぞ」

「え?」

「まあ、ここで時間を潰しても良いしまた来ても良い」

「はい。

 いただきます」


 三人が食卓に座る。


「親方、結論は出ましたか?」

「ん、ああ。

 折角の誘いだ。行ってみようと思う。

 なので引っ越しの準備で忙しくなるぞ」

「はい」

「スパナが来たらあのお嬢さんを呼ぼうと思う。

 アマリと言う」

「はい。伝えておきます」

「君も結論は変わらずかな?」


 親方はセレンさんに問いかける。


「はい」

「そうか。スパナに弟子、か。

 まあ私も人の事は言えないが……」


 親方は笑顔で満足そうに頷く。


 ◆


 食後にインゴットを作る様子を工房の隅からセレンさんが眺めている。


 日課の分は終わった。

 スパナさんはまだ顔を出さない。


「じゃ、親方、釘納品して来ます」

「ん、もう行くのか?」


 親方は隅に座るセレンさんの方に目を向ける。


「行きますよ」


 その後は今日こそマグマゴーレムを倒しに行くのだから。


「じゃ行って来ます」

「ん……ああ。失礼の無い様にな」

「はい」


 工房を出たところでこちらへ歩いて来るスパナさんが見えた。

 セレンさんが待っている旨、伝えそして釘を納品に行く。



 そう言えば今日は火曜日だった。

 それを思い出したのはフレアゴーレムと対峙してから。


 それでもなんとか、勝ったけれど。

 ソロって言っても楽じゃ無いね。

 またポーション中毒だし。


 親方とアマリさん達との話し合いの結果、移動は土曜日になった。

 それまでに向こうで親方達が使う工房が急ピッチで作られて行く。


 そして、僕のレベルは15に上がった。




【ショータ】プレイヤー Lv15 SP:40


スキル

【銃技】Lv4

【召喚】Lv3

【識別】Lv4

【採集】Lv3

【付与魔法】Lv4


アビリティ

【敏捷強化】

【感知】

【狙撃】

【連撃】

【二刀流】

【耐火】

【身軽】

【聡明】

【活性化】


装備

【ON-3】短銃/ランク3

【ON-L3】短銃/ランク3

【黒獅子革のコート(子供用)】体防具/ランク4

【黒獅子革のスーツ(子供用)】体防具/ランク2

【黒獅子革のブーツ(子供用)】靴/ランク2

【ガラスのゴーグル】眼鏡/ランク2


称号

【おねショタ】

【鍛冶屋の弟子】

【冥界の刻印】

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