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38 属性攻撃の威力

 翌日。

 日課のインゴット作りの合間に各16発。

 そして釘を配達に行って、その足で森の方へ銃弾の試し撃ちへ。



「随分と切り拓いたね」


 切り株だらけの森の端を眺めながらそんな感想。

 この一週間ぐらいで森が百メートル近く後退している。

 ほとんど開拓組の人達が木材にする為に伐採して行った。


「じゃ、初撃ちと行こうか」


 そう、ファントムに声をかけ森の中へと歩みを進める。



 歩き出すと直ぐにモンスターの姿。

 手足のついたキノコ。

 顔は、見える範囲では確認出来ない。


 モンスター【デビルマッシュルーム】植物/レベル22

 他の生き物を捕食する様になったキノコの怪物

 主な攻撃

 突進/胞子

 有利属性

 火/斬


 ちょうど火属性が弱点みたいだ。

 右手の銃に火の弾丸をセットし狙いをつける。


 飛び出したファントムがラップ音を放つタイミングに合わせて弱点を狙い撃つ。


 放たれた弾丸は、赤い軌跡を描き着弾と同時に小さな炎を上げキノコの内部から爆ぜる。


 その割に削ったダメージは三割に届かない程度。


 試しに左の銃で通常弾を撃ち込んでみる。

 弱点を外し。

 そのダメージは僅か。目測でおよそ5%程。

 次いで、水の弾丸。

 こちらは先程よりダメージが多い。7%程か。

 じゃ、火の弾丸は?

 ……水の倍程。


 つまり、有利属性ならダメージが倍。

 さらに弱点を突いて倍、か。


 属性だけなら弾丸二発分。

 これが手間に合うか。

 まあ、いいや。

 ひとまず検証はおしまい。


 こちらに向かってきたデビルマッシュルームを火の弾丸と通常弾の連撃で沈める。


<ポーン>

<レベルアップしました!>

<【付与魔法】スキルがレベルアップしました!>


 あれ。

 付与魔法がもう上がった。

 早いな。


 まあ良いや。


 ファントムが敵を見つけた様だ。

 上から僕に警戒促す。


 次は何だろう。


 モンスターに目を向ける僕の耳につんざく様な高音の悲鳴に似た絶叫が届く。


 直後、体の自由が効かなくなり僕の体が地面へ崩れ落ちる。


 何?


 僕の上を慌ただしく飛び回るファントム。

 視界に<状態異常:気絶>と言う文字。


 樹上から大きな豹が降り立ち僕の動かぬ僕の体へ牙を突き立てる。

 ファントムが飛び回りそれを阻害しようとするけれど……。


 ◆


「食べられちゃったね」


 エリアの入り口に戻され、何故か黒くなり不機嫌そうなファントムに語りかける。


「でも、銃弾の力はわかったね」


 ただ撃つより効果的だ。

 これは、もっと作ろう。


「工房へ戻ろうか」


 なおも、プルプルと動くファントムに手を差し出しながらそう声をかける。


 金の銃弾、そして属性の銃弾。

 僕は親方の仕事を手伝いながらそれを量産していく。


 属性の銃弾は、一日に40発が限度。


「親方、素材から魔法をかけるって出来ないのですか?」


 そうすればインゴット一つで100発できる。


「余程強い魔法じゃなければ加工の間に消し飛んでしまう。

 お前の力ではまだまだだろう」


 そういうものなのかと納得する。



 ◆◆◆◆◆



「こんにちはー」


 工房にひよりさんが現れる。


「いらっしゃい」


 親方が応接スペースへ通し、僕はお茶を運ぶ。


「ありがとう。ショータ君」


 笑顔でお茶を受け取るひよりさん。


「それで、御用は?」

「はい。武器を作って下さい」

「ふむ」


 腕を組む親方。


「私はガンスミス。

 専門は銃の鍛冶屋だ。

 それ以外は、大した物は作れないが。

 特に刃物は、違う職人に頼んだ方が良い。

 なんなら紹介するが」

「いえ、刃物と言うほどの物はいらないです。

 こういった形で……」


 そう言って紙を取り出すひよりさん。

 そこには先が二股に分かれた槍が描かれている。


「銛の様だが」

「はい。海で使おうと思って居ます」

「なら刃はいらない訳か。

 しかし、返しも要らないのか?」

「はい。抜けないと困る場面もありそうなので」

「ふむ。……言った様に大した性能にはならないだろうがそれでも良いか?」

「はい!」

「わかった。承ろう。

 明日には渡せる」

「ありがとうございます!」


 白玉が僕の頭の上でファントムと戯れている間に商談が成立した様だ。


 その日はひよりさんが置いて行った魚が食卓に上った。


「ショータ。

 付与魔法の調子はどうだ?」

「悪く無いです」


 食後に親方に問われ、僕は正直に答える。


「良し良し。

 なら一つ頼もう」


 僕は親方に言われ工房へと下りて行く。


「これだ」


 そう言って親方が僕に手渡したのは先程まで作って居たひよりさんの槍。



 武器【アイアンスピア】槍/ランク3

 鉄製の槍

 突きに特化した形状をしている



「海で使うらしいからな。

 雷の力を与えてくれ。

 それでまあ、それなりの物になるだろう」

「わかりました」


 僕は親方から渡された槍を手に取り、そして魔法を唱える。


「サンダー・アタッチ」


 槍が一種、黄色く輝き成功の表示。



 武器【サンダースピア】槍/ランク4

 雷の力をまとう鉄製の槍

 突きに特化した形状をしている



「良し。良い出来だな」


 槍を受け取り満足そうに親方が言う。

 そして僕に再び槍を戻す。


「明日、納品してきてくれ」

「わかりました」

「ついでに、感想も聞いてきたら良い」

「はい」


 僕は部屋に戻り、ひよりさんへメッセージを送る。

 その傍、魔力の銃弾を拵えながら。

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