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30 砂漠エリア

 冒険者の大陸カスス・コンティネンス


 そう名の付いた二つ目のエリア。

 因みに最初の島は始まりの島(イニティウム)なので、ラテン語でそれらしい名前をつけているのだろう。


 僕達が居るのは、その冒険者の大陸カスス・コンティネンスの南端。


 ここから北上すると深い森が続き、北東に逸れると砂漠が続く。


 南には海があり、その向こうに始まりの島(イニティウム)が浮かんで居る。


 今日は、四人と二体で少し冒険者の大陸カスス・コンティネンスを冒険する約束。

 と言っても、リゼさんとひよりさんの二人は森は何度か訪れて居るらしい。

 なので今日は砂漠。


 屋台が少し増えた広場を抜け、僕達は砂漠へと向かう。


「ちょっと待った!」


 後ろから大声で呼び止められる。


「行くぞ」


 リゼさんは、振り返りもせず。

 足も止めず。


 良いのかな。


「お、おい、ちょ、待てよー!」


 こちらに手を伸ばし走り来る。


「リゼ、待とうよ」


 ひよりさんが苦笑いを浮かべながらいうとリゼさんは大きなため息をつきながら立ち止まる。


 そして、アマリさんが走って追いついて来た。


「私も! 連れて行って!」

「どこで聞きつけたのか……」

「ショタ君は開拓組合員だから、目撃証言があれば保護者の私の耳に入るのだよ!」

「あー、わかったわかった。

 開拓組合を甘く見ていたな」

「という訳で!

 私も連れて行って下さいまし」


 そう言って目の横にチョキを作るアマリさん。

 リゼさんがひよりさんとヴィヴィアンヌさんを見る。

 特に異論は無いようだ。


「良いか? ショータ」

「ええ。もちろんです」

「いやったぜい!

 ショタ君と一緒に! イケる!」


 リゼさんとヴィヴィアンヌさんが凄く冷たい目をして居た。




 かつては石畳の街道があったと思わせる、そんな道の後を歩き北上する。

 やがて、木が無くなり、そして、草が無くなり……。


「見た目に暑い」


 リゼさんが僕を見ながら言い切った。


「実際、ちょっと暑いです」


 でも、ファントムがすぐ側に居るので少し冷気も感じる。


「ファッションは我慢よ?」


 そうヴィヴィアンヌさんに言われるが。


「我慢……必要ですか?」


 まあ、動けない程では無いので良いけれど。

 親方の工房の方が暑いし。


「で、何で砂漠?」

「宝石拾いよ!」


 この砂漠では砂の中から宝石が採取出来るらしい。


「ついでにこの先のスカーライを目指す」


 砂漠を超えた先にもスカーライがあるらしい。

 そこまで行ってしまえば、いつでもそこまで転移出来るようになる。


「じゃ、行こう!」


 ひよりさんが白玉を抱えながら右手を上げる。


「「おー」」


 と、僕とリゼさんがそれに続いて右手を上げる。

 ヴィヴィアンヌさんは既に周囲を鷹の様な目付きで見ていた。



 砂漠の中に現れたモンスターは、主にサンドサラマンダー。

 硬い表皮を持ち火の玉を吐き出す強敵。

 素材は鎧に最適だとヴィヴィアンヌさんが言う。



 ひよりさんとリゼさんが前に。

 僕が後ろからフォロー。


 そんな風に進んでいく。

 比較的動きが遅いので、弱点を突く事は難しくなく、怯んだ所へ二人が表皮の上から刃を食い込ませていく。


「浮かない顔ね」

「そうですね」


 明らかに僕より二人のほうが攻撃のダメージが大きい。

 それが顔の出たつもりは無いけれど、アマリさんは勘付いたようだ。


「強いですね。二人」

「まあ、遠距離攻撃はどちらかと言うとサポート役として攻撃威力低めに抑えられているみたいだからね」

「そういう事ですか」


 弱点を撃ち抜いた僕の攻撃と、上段から剣を叩きつけたリゼさんのダメージ量がほぼ等しい。


「ま、リスクとの兼ね合いかな」

「役割分担よ」


 そう、アマリさんとヴィヴィアンヌさんに諭される。

 役割分担、か。

 僕は側を飛ぶファントムを見上げる。

 僕の視線に気づいたのか、小さく縦に揺れるファントム。

 その仕草は、それで良いのだと僕に向け言っている様に思えた。




「いや、ちょっとは手伝ってほしいのだが」


 しかし、リゼさんからは異論が。


「でも、私、すぐガス欠になっちゃうし」


 どこ吹く風のヴィヴィアンヌさん。


「まあ、もうちょっとゲーム進行すればMP消費減のついた装備も出回るだろうけど、それまで魔法職は仕方ないよ。

 MPポーションもまだまだ高価だし」


 同じくほぼ戦闘に参加していないアマリさんがフォローする。


「その分、宝石拾い頑張ってね。

 ショータ君、この首輪すごいうれしいかも!」


 そう言って白玉を抱き上げ僕に見せるひよりさん。

 その首には渡した首輪が巻かれている。

 当の白玉は暑さでへばっているようにも見えるけれど。


 そうやって、戦い時折休憩をはさみながら進み、そして、足が止まる。


「あれは?」


 砂漠の彼方に、突如大きな柱が出現する。


「デスワームだと思うけれど、それにしては大きいね」


 手で光を遮りながらアマリさんが目を凝らす。


「特異体だとしたら、経験値の山かねぇ」

「よし!」

「行こう!」


 言うなり、リゼさんとひよりさんが走り出す。

 僕がそれに続き、そして、アマリさんとヴィヴィアンヌさんが追いかけてくる。


 近寄り、その正体が巨大なミミズと判明する。

 砂から出ているだけでも十メートルはゆうに有る。

 全長はどれくらい長いのだろう。

 その先端には、大人を一飲にできそうな口がついている。


 近づいてわかったのだが、それは、既に誰かと戦っており。


 リゼさんとひよりさんが、足を止め様子を遠巻きに様子を伺っていた。


「行かないんですか?」

「一応先客がいるからね。

 勝手に入るとトラブルになりかねないし」


 そう言うものなのか。


 でも、その先客は一人で戦っており、明らかに劣勢だ。


『HELP!!』


 こちらに気付いたのだろう。

 その人の上に涙を流した絵でスタンプが出現する。


「よし」


 リゼさんが仮想ウインドウを開く。


「何するんですか?」

「パーティ申請。

 受け取ったら参戦する」

「気持ち悪いなぁ。白玉、飲まれない様に気をつけてね」

「エアロ・エンチャント。

 私は遠巻きに見守るわ」

「アマリ、回復は任せる」

「んー。りょ」


 割とテンションが低いアマリさん。

 フードを被り一人ミミズと戦う人を、目を細め睨む様に観察して居る。


 その人が、仮想ウインドウを開く。


「よし、行くぞ!」


 リゼさんの掛け声に合わせ、ひよりさんと三人飛び出す。


「げー」


 背後からアマリさんの嫌そうな声が聞こえた。

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