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21 金の銃弾

「戻りました」

「おう、おかえり。

 ちょうど良かった」


 工房に戻った僕を笑顔の親方が迎え入れる。


「どうしたんですか?」

「これを着てみろ」


 そう言って手渡されたのは黒に白の縦縞の入ったつなぎの作業着。


「どうしたんですか? これ」

「いつまでも私のお古って訳にもいかないだろうからアランに作って貰った。

 耐火耐熱のしっかりした奴だ。

 少し派手だが、それはアランの好みだな」


 言うほど派手ではないと思うけれど。



 防具【断熱服】体防具/ランク5

 耐火性、耐熱性に優れる事はもちろん

 作業に支障が出ない様に動きやすく作られて居る。

 製作者:アラン・フォックス



「ありがとうございます。いくらですか?」

「それは支給品だ」

「いや、でも」

「文句があるならその分働いて返せ」

「……わかりました」

「よし。晩御飯にしよう。

 今日のメニューはなんだと思う?」

「何でしょう?」

「オムライスだ!」


 親方、楽しそうだな。


 ◆


 オムライスとプリン。

 親方が作ったそんな晩御飯を食べ、そして、相談事。


「親方。

 金鉱石って、まだ手元にありますか?」

「あるが、何にするんだ?」

「銃弾に」

「はぁ?」

「鉛より強いですよね?」

「それは、そうだが」

「それで、弾芯の先端を少し露出させる」


 銃弾の威力は銃芯の素材に因る。

 鉛より金の方が重さがあり軟性がある。

 更に先端を露出させれば着弾後に金が広がりながら進んでいくため破壊力が向上する。


 と、思われる。


 現実の理屈がどの程度通じるかわからないし、現実でも、そんな弾丸はまず存在しない机上の空論。


「……人に向けるなよ」


 親方のその言葉は、僕の想像を裏付けて居た。


「7,000Gでしたよね?」

「弟子から金を取る訳にはいかない」

「いえ、払います。

 これは、自分の命を預ける道具なので」

「……わかった。

 作り方を教えよう」


 そう言って親方は、僕が弾丸を作る間、一緒に工房で見守って居た。


 そうして、ひとまず100発試作品として新たな弾丸が完成した。



 武器アイテム【ソフトポイント】弾丸/ランク:5

 金を銅のジャケットで覆った物

 先端が露出して居る

 非常に高価



「なあ、ショータ。

 お前は、何者なのだ?」


 出来上がった弾丸をチェックする僕に、親方がそう問いかける。


「人殺しの息子」


 僕は、そう返す。

 弾丸は良い出来に思えた。


 試し撃ち、してこようかな。


 ◆


 一人フィールドに出てぶらぶらとして居ると、都合良くアートルムライオンを発見する。


「ちょうど良い敵だね」


 そう、ファントムに声をかける。

 最初の日に苦戦した敵だ。


 木陰で眠るそのライオンに銃口を向ける。


 弱点は見えない。


 両手の銃を向け、同時に引き金を引く。

 弾は、黄金。


 着弾と同時にHPが二割以上減る。


 そして、こちらに気付き跳ねる様に向かって来るライオン。


「相変わらず早いね」


 続けて狙うが、左右に飛び跳ね狙いがつけられない。


 ピシッとファントムのラップ音。


 しかし、ライオンの意に返さず。


「これで、どうかな」


 顔を狙った一発。

 しかし、それは迫るライオンに避けられる。


「僅かに弾速が落ちてるね」


 感覚に違和感を感じる程度には。

 鉛に比べ弾が重いのだから仕方ない。


 ライオンは僕に取り付き肩に爪を立てる。

 避けようと後ろに飛ぶが、ライオンの前足はそのまま僕を捉え、地に背中から落ち、上から肩を抑える。


 噛み付こうと口を開け開けたライオン。

 その腹に向け、引き金を引く。

 二発、三発。

 続けざまに、ファントムが間近でラップ音を放ち、気を取られた所へ四発、五発。


 それで、ライオンは消えて行った。


 ◆


<ポーン>

<レベルアップしました!>

<【召喚】スキルがレベルアップしました!>

<【識別】スキルがレベルアップしました!>

<【採集】スキルがレベルアップしました!>

<ファントムがレベルアップしました!>

<ファントムの【霊障】スキルがレベルアップしました!>


 その後何戦かして、金の弾丸の感覚を掴む。

 三十発程使って。


「これは、切り札かな」


 売値だと100発で30,000Gになる計算の高級品。

 ただ、その値段に合うだけの差が通常弾とあるかと言われると疑問はある。

 とはいえ、一発のダメージが大きいのは重宝する。


 まあ、良いか。


「キリが良いから戻ろうか」


 そうファントムに呼びかける。

 僕の頭上で縦に揺れるファントム。


 仮想ウインドウを開き、帰還を選択する。


 ◆


 工房に戻り、そして部屋でステータスを確認。



 ◆


【ショータ】プレイヤー Lv7 SP:20


スキル

【銃技】Lv1

【召喚】Lv3

【識別】Lv2

【採集】Lv2


アビリティ

【敏捷強化】

【感知】

【狙撃】

【二刀流】

【耐火】


装備

【ON-3】短銃/ランク3

【ON-L3】短銃/ランク3

【耐熱服】体防具/ランク5

【黒獅子革のブーツ(子供用)】靴/ランク2


称号

【おねショタ】

【鍛冶屋の弟子】






【???】ファントム/Lv3 親密度:42

スキル

【霊障】Lv3


アビリティ

【浮遊移動】

【障害物通過】

【物理攻撃無効】

【回復無効】



 ファントムの武技アーツが増えたみたい。



 アーツ【金縛り】消費MP(中)

 相手を拘束する。成功率はステータス依存。



「良いね。

 試しに僕にかけてみたり出来るのかな?」


 ベッドの上でそう言うと、ファントムは縦に揺れる。


 直後、僕の体がベッドの上で硬直する。


 あ、声も出せないや。

 そのままベッドの上で横になった僕の胸の上に、ファントムがちょこんと乗る。


 術が解かれ、体が自由を取り戻す。


「すごいね」


 首だけ持ち上げ、胸の上にの触れぬファントムを撫でるように手を差し出す。

 僅かに、冷やりとした感触があった。

 ファントムは、僕の上でピンクに変わりぐにゃりとなってしまう。


「明日も、よろしくね」


 そう声をかけログアウトした。

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