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15 続、鉱石採掘

「おはよう」


 ログインしてファントムに声をかける。

 相変わらずふわふわと浮いている。


「君は、眠らないのかな?」


 そう問いかけるけれど、やっぱりふわふわ。


「まあ良いや。

 あんまり考えすぎても良くないよね」


 そう言って仮想ウインドウを開く。

 目的はスキル。



 アビリティ【感知】

 採集ポイント、エネミーの弱点などを感じ取る能力



 生産スキル【採集】

 採掘、採取、発掘など様々な物を見つけ、集める技術。



 戦闘スキル【銃技】

 短銃、長銃を使用したアーツを扱う技術。



 この三つを取得。



【ショータ】プレイヤー Lv4 SP:20

スキル

【銃技】Lv1

【召喚】Lv2

【識別】Lv1

【採集】Lv1

アビリティ

【敏捷強化】

【感知】




 もし、選択を間違えていたとしても<忘れる>と言うコマンドでスキルはSPへと変換が可能らしいので慎重にならずに行こう。


「じゃ、行こうか」


 そう、ファントムに声をかけ職人街へ。





「おはようございます」


 相変わらずの喧騒を見せる職人街で、そこだけ静かな女鍛冶さんの工房。


「諦めずに来たのか」

「ええ。

 ツルハシ、お借りします」


 仕事が無いのか、それとも出来ないのか。

 工房の中で座っているだけの女鍛冶さん。


「勝手に持っていけ」

「ありがとうございます。

 行ってきます」

「待て」


 ツルハシを借り受け工房から去ろうとした僕を呼び止める。


「なんですか?」

「これ、持っていけ」

「なんですか? これ」

「……弁当だ。朝飯を作りすぎた。余り物だ」

「ありがとうございます。いただきます」


 食事は一時的にステータスを向上させる効果があるらしい。

 ちょっと得したね。


 女鍛冶さんに頭を下げ、いざフィールドへ。


 ◆


「今日は昨日と違う所へ行こうか」


 ファントムに語りかけながらフィールドを歩く。

 せめて依頼品の鉛か銅、どちらかを手に入れたい。


 そんな僕達の前に、ファットラビットが現れる。

 昨日まで何度も見たそれと、少し様子が違っていて。


「なんだろう。あれは」


 その体の一部分が時折チカチカと光を放つ。

 それは、一定でなく消えてはまた違う場所に現れを繰り返す。


「ファントム。ちょっと、動きを止めてくれないか?」


 そう言うと、ファントムは静かにファットラットに近づきラップ音を放つ。

 一瞬硬直したそのファットラビットの光る点を目掛け引き金を引く。


『Weakness!』


 と小さく表示され、ファットラビットのHPが大きく減る。

 その量、およそ五割強。


 ……あの点を撃てば、ダメージが増えるって事かな。


 試しに他の場所を撃つ。

 が、その一撃でファットラビットは消滅した。


 僕は、思いついたその仮説を検証する様にその後何度か戦闘を重ねる。


 結論として、ダメージ量が1.5倍になる。そういう事らしい。

 よく調べたらヘルプにあった。



 <弱点攻撃>

 モンスターの弱点をピンポイントで攻撃することが出来れば大ダメージを与えることが出来ます。

 弱点への攻撃が蓄積すると、モンスターは気絶状態になります。

 しかし、弱点は通常目に見えず、またモンスターの種類によっては移動することもあるため弱点攻撃を行うことは容易なことではないでしょう。



 弱点と言いつつ一定ではなく移動するため、正確に撃ち抜くのは結構難しい。

 それが見えるよになったのは【感知】のお陰だろう。

 肉眼で捉えて、銃を向け、迷いなく放ち間に合うかどうか。


 多分、普通に剣とか振っていたら間に合わないと思う。


 なんにせよ、ダメージのばらつきについて理由が分かってよかった。


 が、今度はそれが足を引っ張る様になる。

 敵も動く、弱点も動く。

 それを狙おうと思うと至難の技。


「無理して狙わなければ良いのだけれど」


 見えていると、なんとなく気になってしまう。

 当たると『Weakness!』と出るのも少し心地よいタイミングで。


 そうして、戦闘を重ねながら歩いて、昨日の荒野を突っ切り、岩山の様な所へ出る。


「こんにちは」


 既に、僕と同じようにツルハシを振るうプレイヤーが居たので挨拶。

 他にも何人か等間隔に並んでおり、僕は彼らの邪魔にならないように少し離れた場所でツルハシを振り始める。


 ……違和感があった。


 崖の一点に、敵の弱点と同じように光る箇所。

 ツルハシを振り下ろす。


「やっぱり」



 素材アイテム【鉄鉱石】

 素材アイテム【鉄鉱石】



 ちゃんと掘り起こせた上に、一気に二つも。

 素材がある場所がわかるのか。


 再び崖を掘り進めながら、光る点を観察する。

 それは、モンスターに現れる弱点と違い、移動することは無いけれど、長い間隔で点滅を繰り返すようだ。


 それを観察し、消えてしまった光の辺りを掘っていく。


 素材アイテム【鉄鉱石】


 出てきた。


 これは、調子が良いのかな。


 僕は夢中になってツルハシを振り始めた。



 ◆



「鉄鉱石ばっかりじゃんね」


 女鍛冶さんからいただいたお弁当を食べながらファントムに話し掛ける。


 手に入ったのは【鉄鉱石】が28個。【石炭】が49個。

 数は芳しいのだれけど目当ての鉛も銅も出てこない。


「場所が悪いんだろうね」


 半日くらい粘って、駄目なら明日は他の場所。

 ひよりさんからの狩りのお誘いにごめんさないを返し、再びツルハシを手に立ち上がる。



 ◆


「お! あー……」


 明らかに鉄鉱石と輝きが違う鉱石が出た。

 でも、識別して落胆。



 素材アイテム【金鉱石】



 金じゃない。

 欲しいのは。

 銅で良いのだけれど。


「なかなかうまくいかないね」


 独り言の様に呟くけれど、ちゃんとファントムは揺れて答えてくれる。


 もうちょっとだけ、ここで掘り続けようか。

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