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105 異変

「おせぇよ」

「すいません」


 光の庭に居たのは黒さんとハヤトさん。


「大丈夫ですか?

 何かありましたか?」

「平気です。

 他の人達は?」

「先に行ってます」


 そう言って、黒さんは上に指差す。


「今度は今までのフィールドとは、随分と様相が違うみたいです。

 下のと通信も出来ないみたいですので」


 そう言って、黒さんが魔法陣へと歩みを進める。


「開拓組がショートカット、バンバン作るから対策したんだろ」


 それにハヤトさんが続く。


 今また、バロメッツを倒さないで草原へと抜けるルートを作っているらしいから。


 僕は二人の後からついて行こうと出し掛けた足を止める。


 通信が入った。


「どうした?」

「すいません。通信です」

「早くしろよ。

 イベントの開催時間に食い込んでイラついてる奴もいるんだからよ」


 舌打ちをしながら言ったハヤトさんに小さく頷いてから仮想ウインドウで通信をオンに。

 相手は、ろくろさん。


『先輩! 工房に変な奴ら……あ! ちょ……』


 そこで一方的に通信は切れた。

 用件も何もわからなかった。


「行くぞ」


 僕が通信を終えたのを確認したハヤトさんがそう言って背を向ける。


「……森の町で何か起きてるみたいです」


 僕の言葉に二人が足を止め振り返る。


「そうですか。

 でも、もう時間ですから。

 行きますよ」


 黒さんが、笑みを崩さずに言う。


「上で団長が待ってる。

 団長が絶対。それが、フェンリルだ」


 ハヤトさんが僕を睨む。


「僕は、戻ります」


 二人に僕の意思を伝える。


「そうか」


 ハヤトさんが素っ気なく答え、そして続ける。


「なら、お前は除名だ」


 そして、僕がそれに答える間も無く仮想ウインドウを操作する。


 〈ポーン〉

 〈クラン・フェンリルから除名されました〉


「……お世話になりました」


 僕は背を向けた二人頭を下げる。

 再び、顔を上げた時には既に二人の姿は無かった。


「戻るよ」


 僕の横に残った、パートナー、ファントムにそう声をかけながら仮想ウインドウを開く。

 ろくろさんの通信の最後。

 微かに聞こえた音は爆発音。

 何かが起きてるのは間違いない。


 転移で、森の町へ。

 しかし、仮想ウインドウにその転機先は表示されて居なかった。


 ……町から一番近いのは、冒険者の大陸入口。

 ひとまずそこへと転移する。


 ◆


 転移した先で真っ先に目に飛び込んで来たのは立ち上る黒煙。

 それはまさに町の方向。


 走りながら仮想ウインドウを開く。


 今必要なのは情報。

 ろくろさんから続報が無いのは連絡が取れないと考えるべきだ。

 他に、この状況で繋ぐべき相手は……。


『何だぁ!?』

「ショータです」

『わかってるよ! 何の用だ!?』


 燕三さんへと連絡を入れたのだけれど、忙しそうか。


「森の町で何か起きてます」

『何かって、何だよ!』

「今から確かめに行きますが、転移が出来ず黒煙が上がってます」

『……本命はそっちか……?』

「何がです?」

『元々町には防衛力ってステータスが設定されてる。

 詳しく説明してる暇はねぇが、それのお陰でモンスターを寄せ付けないセーフティーエリアになってる。

 で、町が破壊されたりするとその防衛力が落ちてその効果も消え失せる』

「つまり、森の町へモンスターが入り込むと言うことですか?」


 だから、転移が効かなかったのか?


『今なあ、砂漠の先の谷の前に居る。

 谷底からモンスターが溢れ出してんだ』


 砂漠は森の町の先。

 燕三さんが居るのは砂漠を超えた更に先、か。


『すげぇ数だ。

 これがそのまま森の町に行くどうなる?』

「どうなりますか?」

『建物一つ残らず廃墟だろうな』


 それが、誰かの目的?

 それとも、偶然?


『クソ、こっちはこっちで手が離せねぇ。

 誰か繋ぐ。取り敢えず情報を集めてくれ』

「わかりました」

『手遅れかも知れないが、NPCは死なせるな。一人も』

「はい」


 町の入口が見えて来た。

 そして、爆発音が耳に届く。

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