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102 オリハルコンナイフ

「戻りました」

「おかえり。丁度良かった。夕食にしよう」

「はい」


 食卓には珍しく魚が沢山並んでいた。

 誰か、海の方へ行ったのかな。


「二人の反応はどうだった?」

「軽さに驚いてました」

「そうだろうな。

 付与魔法はどうなった?」

「火の剣と雷の槍に」

「まあ、想像通りだな」


 そう言って親方がワイングラスを傾ける。


「これは、ショータにだ」

「僕に、ですか?」

「ああ」


 それは、鈍い銀色のナイフ。

 刃渡りは五センチ強。


「ありがとうございます」


 手に握り込んでその感触を確かめる。


「オリハルコン製だ。

 今日届けて貰った大剣を振り下ろしても折れない。それくらい強固だ。

 最も、切れ味はイマイチだが」


 そう言って親方は笑みを浮かべる。


 武器【オリハルコンナイフ】ナイフ/ランク6

 オリハルコン製の非常に強固なナイフ

 やや小ぶりのため、女性でも扱いやすい

 製作者:オヴェット工房



「では、商品になるか暫く使ってみます」

「ああ」


 後で何か付与魔法をかけよう。

 どれくらい硬いのか、そもそも、硬さという概念がこのゲーム内でどれほどの意味があるのかわからないけど、もっと固くして見るのも面白そうたなと思った。



 ◆


【イベント、ハロゥイン・秋の大収穫祭 開催のお知らせ!】


 Vinculum Onlineをご利用いただきましてありがとうございます。

 明日、10月24日をもちまして、Vinculum Onlineはサービス開始から100日を迎えます。


 これを記念しまして、ゴールド、経験値、スキル経験値が手に入る一大イベントを開催します。


 期間中はメニューからイベントフィールドへ転移可能となります。


 そこでだけで入手可能なイベントアイテムは「アイテム交換所」でゴールド、イクスストーン、スキルストーンなど豪華賞品と交換可能です。


●イベント概要

 特別エリア、魔女の城に出現するモンスターを倒してイベントアイテム「いたずらキャンディ」を手に入れよう。

 時折現れる強力なレアモンスター「ジャック・オー・ランタン」は、「トリック オア トリート?」と尋ねてくるので「いたずらキャンディ」を渡して追い払おう。

 間違って、トリックと答えてしまうと大変なことに!


●イベント期間

・10月24日(土)12:00〜10月31日(日)11:59


●交換アイテム

 「アイテム交換所」で交換可能なアイテムは以下の通りです。


・10,000G

 いたずらキャンディ:500個


・イクスストーン(中)

 いたずらキャンディ:500個


・スキルストーン(中)

 いたずらキャンディ:500個


・武器ガチャチケット

 いたずらキャンディ:30,000個


・いたずらキャンディ×5,000

 パンプキンヘッド:1個


 ※武器ガチャは後日実装予定です。

 ※イベントの内容、期間におきましては予告なく変更となる場合がございます。


 皆様のご参加、心よりお待ちしています。


 運営チーム


 ◆


 僕はフェンリルのクランホームで椅子に座り明日から行われるイベントの告知を眺めていた。

 前回と違い、今回は一つの所へと全員行くみたい。


「ショータちゃん、たまには一緒にイベント行ったりしない?」


 向かいに座っていたベルヒさんがニヤニヤしながら言う。


「良いですよ」


 特に約束も無いし。


「お、マジで?」

「ええ」


 聞き返され頷くと、何故かベルヒさんの横に居た寡黙な全身鎧のマヤさんがガタンと音を立て立ち上がり、僕を見下ろす。

 顔がすっぽりと兜で覆われていて、目線の先がどこかわからないけれど、多分。

 そんなマヤさんをベルヒさんが驚いた様に見上げる。


「えっと、一緒に行きますか?」


 そう問いかけた僕にマヤさんは本当に小さく頷いて、それからゆっくりと座り直す。


「……三人、か」

「うんにゃ。四人だね」

「ぅっわぁ!?」


 ベルヒさんの背後からひょっこりと顔を出す螢さん。

 ベルヒさんが椅子から飛び上がって驚く。


「お前らだけで何面白そうな話にしちゃってるの?」

「止めてくださいよ。

 寿命が縮まるじゃないすか

 ……四人って、蛍さんも一緒に行くんすか?」

「当たり前じゃん」

「良いすけど、俺の獲物、取らないでくださいよ!?」

「そんなの、その時になんないとわかんないね」


 楽しそうな蛍さんと裏腹に口元を歪めるベルヒさん。


「楽しそうだな。俺も混ぜてもらおうかな」


 何時から聞いていたのか、ヴォルクさんが腕組みをしながら僕らの方を見ていた。


「団長も一緒に行こうよ!」


 蛍さんが嬉しそうにヴォルクさんを誘う。


「そうだなぁ。そうするか。

 この前のイベントはショータに美味しいところ全部持っていかれたからな」


 そう言ってニヤリと笑うヴォルクさん。

 ベルヒさんが訝しむ様な表情を僕に向ける。


「へー」


 蛍さんがまるで獲物を見つけた肉食獣の様な鋭い視線で僕を見る。

 マヤさんは……動いてないのかな。


「じゃ「ショタ君!」


 何かを言いかけたベルヒさんを遮る様に出現するアマリさん。


「明日、イベント行くよね!?」

「はい」

「よし! 今度こそ! 今度こそ一緒にイク……いっしょに、いく……一緒に行く、よ? 二人、で」

「残念! 先約があるんだよー!」


 嬉しそうに言った蛍さんにアマリさんが口をへの字にする。


「まあ、アマリ入れて六人なら丁度バランス良いんじゃないか?」


 そうまとめてヴォルクさんにアマリさんは渋々と言った感じで頷く。


「オメーら、イベントの前に新エリアだからな?

 忘れんなよ?」


 ふらりとハヤトさんが顔を出して、それだけ言って去って行った。

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