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94 第一の封印

『皆、ちょっと集まってくれ』


 西廃墟群、そう名付けた遺跡の跡を捜索していた僕らに朝景さんが呼びかける。

 ハヤトさん、黒さんとここを調べに来てから、二日間ほど休みを挟み、今日で三日目のチームでの捜索。

 でも、特に発見も進展もなくひたすら現れるストーン・パペットを倒すだけだった。


「どうかしましたか?」


 バラバラになって遺跡を捜索していた全員、六人と四体の召喚獣が朝景さんの元に集う。


「こんなの、あったか?」


 朝景さんの目の前には、白い玉が浮かんでおり、ゆっくりと回転をしていた。


「いえ、先程までは無かったですね」

「だよな」

「……鍵は石像の撃破数、でしょうか。

 丁度千を超えたところなので」


 その玉に顔を近づけながら、黒さんが呟く。


「触るぞ?」

「はい。皆さん、離脱の準備をしておいてください」


 黒さんが僕らを見渡しながらそう指示する。

 言われた通り、仮想ウインドウを開く。


 朝景さんが、ゆっくりとその白い玉へと手を伸ばし、そして触れる。


『封印を解かんとする愚か者は誰か……』


 どこからともなく、低い声が声が聞こえてくる。

 そして、朝景さんの先で白い玉がより高く浮かび上がり、膨張を始める。

 やがて、それは人の形へと変わって行く。


『我を……』

「全員、離脱!」


 尚も何かを言いかけた魔物を遮る黒さんの声。

 僕は仮想ウインドウのメニューへ触れる。

 全員が、一瞬にしてクランホームへと転移。


「もう一度、状況を確認してきます。

 少し、休憩していてください」


 それだけ、言い残し黒さんの姿が再び消える。


「お茶でも淹れようかしらね」


 のんびりとした声でパールさんがお茶の準備を始めた。


「えっと、あれは、あのままで良いんですか?」


 そう言ったノルンさんの疑問は僕の疑問でもある。


「直に黒が戻るだろうからそれまで待っててくれ」


 朝景さんがそう言いながらソファに腰を下ろす。




 パールさんの淹れたお茶を飲む間に黒さんが戻る。


「遺跡には白い玉があのまま浮かんでいました」

「そうか。

 で、どうするんだ?」

「明日、団長と皆で行きましょう」

「了解」

「じゃ、今日は解散ね」

「はい。皆さん、ありがとうございました。

 明日の集合時間は決まり次第メッセ入れますので」


 念には念を入れて全員で。

 そういう事なのかな。

 イベントの続きは翌日へと持ち越しとなった。


 ◆



 翌日。

 西廃墟群にフェンリルの一団、十八人が一堂に会する。

 先頭はヴォルクさん。

 その目の前に浮かぶ、白い玉。


「じゃー、行くぞ」


 振り返り、僕らを見渡し笑顔で言う。

 そして、ゆっくりと白い玉へと手を伸ばす。


 全員が武器を構える。



『封印を解かんとする愚か者は誰か……』


 昨日と同じ声。

 浮かび上り大きく成る白い玉。


『我は神の封印を守りし』


 黒さんは、そっと右手を上げる。


 玉はその姿を変え、人型に。

 いや、首から上が馬の造形。

 白い馬人間。


『守護者な……』


 言い終わる前に、黒さんが手を振り下ろす。


「「「エアロ・バースト」」」


 アマリさん、灰さん、ミキさんによるユニゾン魔法の先制攻撃。

 それを続く、アタッカー陣の武技アーツ


「うりぁ!」


 皆の攻撃が煌めくエフェクトとなる中、ヴォルクさんが叫び声を上げながら剣を振り下ろす。


 ◆


<ポーン>

<第一の封印を解除しました>


「ふむ。

 次は、もっと楽しんで戦おうや」


 そう、ヴォルクさんが満足そうな顔で言った。


 フェンリル団員の全力の攻撃を受け、呆気なく白い馬人間は消し飛んだ。

 僕は、一度だけ引き金を引いただけだけれども。

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