16.祝福
広場に心地よい風が吹いている。
空は青く澄み切っており、時折白い雲が流れていく。
近くの森からは鳥のさえずりが聞こえ、川では魚が悠然と泳いでいる。
広場からは肉の焼けるいい匂いが漂ってきており、匂いにつられた動物が森から顔を出していた。
ここはレジャー施設内のキャンプ場だ、アイリスに手伝ってもらって森や草原の調整を行っていたのだが
一区切りついたので折角だしとバーべキューをすることになったのだ。
突然のことだったので道具と材料は和人が日本のものを用意した。
ジュウジュウとお肉の焼けるいい匂いが当たり一面に充満する。
鉄串を両手に持ち丸太を削った椅子に行儀よく座ったレイファールがあむあむとお肉を齧っている。
お肉を食べるたびに肉汁がじゅわっと口の中に溢れてくる。
口の中一杯に広がる肉の旨味にレイファールは夢中になっているようだ。
一本食べ終わるとすかさずブルベルが次の鉄串を差し出す。
すでに五本も食べているため優奈はお腹壊さないかしらと少し心配だ。
「優奈さんどうぞ」
「ありがとう和人さん」
レイファールを観察していた優奈に和人がお肉の乗った紙皿を手渡してきた。
紙皿を受け取ると鉄串を手に優奈も食べ始める、胡椒を振っただけのシンプルな味付けだがとても美味しかった。
優奈が食べ始めると和人はすぐにバーベキューグリルに戻り次の肉を焼き始める。
今回和人は肉焼き係として頑張っているようだ。
一時間も立つと皆お腹が一杯になったのかお肉を食べる手が止まってしまった。
海で散々遊んだあとにバーベキューでお腹一杯食べたため、優奈、ミイナ、雪菜、奏は草原に移動し眠ってしまった。
和人もバーベキューセットを片付けると優奈達の側へ行きゴロンと横になった。
しばらくすると和人も疲れていたため寝息をたてて寝てしまった。
すやすやと眠る優奈達をレイファールが慈愛に満ちた顔で見つめる。
「こんなに楽しい遊び場所を作って貰ったお礼をしないといけませんね」
「ふふ、本当に。まさかこんなに素敵なものを作って貰えるとは思いませんでした」
アイリスはそう答えると辺りを見渡す。
風が吹き抜ける草原に小鳥のさえずりが聞こえる森。
そして魔物がおらず人が笑いながら自由気ままに歩き回れる、
それはアイリスが求めてやまないものだった。
いずれここにはたくさんの人が訪れるだろ、そしてアイリスの作った森を草原を子供たちがはしゃぎ回って遊ぶ姿が目に浮かぶようだった。
「こんなことでお礼になるとは思いませんが、受け取って下さいね。私の感謝の気持ちです」
キラキラと緑色の光が寝ている優奈達の上に降り注ぐ。
次にブルベルとノルンも優奈達に光を降り注ぐ。
「さすがに私の祝福はユウナだけに」
レイファールがさっと手を振ると優奈の上に白色の光が降り注ぐ。
こうして寝てるうちに最高神と創造神の祝福を受けた優奈達、そのことに気付くのは数日後のことであった。
橘 優奈 レベル256
創造神の祝福:すべての力に適性(∞)・すべての行動に補正(∞)・幸運(∞)・世界からの祝福(∞)
※他の祝福はすべて削除・創造神の祝福により一級神から最高神へ昇格・すべてのスキルを取得
相馬 和人 レベル210
最高神の祝福:健康(永久)・幸運(SSS)・ステータスアップ(SSS)・ユウナの愛(∞)
黒竜と白竜の加護 攻撃魔法(S)・回復魔法(S)・防御(S)
状態異常耐性III
アイテムボックス
鑑定
共通言語:異世界の言葉がわかり文字が読めるようになる
異世界複製:異世界の道具を複製出来る
※最高神4人の祝福によりスキルが異世界複製へ変化
紗倉 奏 レベル123
最高神の祝福:健康(永久)・幸運(SSS)・ステータスアップ(SSS)
状態異常耐性III
アイテムボックス
鑑定
共通言語:異世界の言葉がわかり文字が読めるようになる
スーパースター:すべての曲の効果時間が3倍、短剣での攻撃に補正(SS)
※最高神3人の祝福により吟遊詩人がスーパースターへ変化
橘 雪菜 レベル1
最高神の祝福:健康(永久)・幸運(SSS)・ステータスアップ(SSS)
状態異常耐性III
アイテムボックス
鑑定
共通言語:異世界の言葉がわかり文字が読めるようになる
魔道具作成(SSS)・魔道具知識(SSS)
※最高神3人の祝福により、魔道具作成・魔道具知識がSからSSSへ変化、
SSSを手に入れたことにより異世界の知識を閲覧・作成可能
優奈達のステータスは現時点で判明しているものになります。
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